マーケティングを行う際の考え方に、「AIDMA」、「AISAS」と呼ばれるものがあります。両社とも、消費者の購買行動がどのように行われるかを説明した概念です。AISASは、AIDMAを発展させ、進化したものとなっているのですが、違いが分からないという人は多いと思います。ここでは、AIDMAとAISASの違いについて、書いていきます。
1. 「AIDMA」、「AISAS」とは
AIDMA、AISASはそれぞれアイドマ、アイサスと呼ばれ、消費者行動を以下のように捉えた概念です。
「AIDMA」
Attention(注目)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)ある商品を買うとき、まず注目し、関心を持ち、欲求が生まれ、記憶して行動する。
「AISAS」
Attention(注目)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)ある商品を買うとき、まず注目し、関心を持ち、検索し、行動してシェアする。
両者は、最初の2文字は同じで、違うのは後の3文字です。これをビールに例えてみると、
「AIDMA」
ビールのCMを見て、そのビールを知る(注目)→ビールがおいしそうだと思う(関心)→このビールが買いたいと思う(欲求)→酒屋に行くまで名前を憶えている(記憶)→酒屋で買う(行動)
「AISAS」
ビールのCMを見て、そのビールを知る(注目)→ビールがおいしそうだと思う(関心)→ネットで商品情報や価格、口コミを見る(検索)→ネット、あるいは酒屋で買う(行動)→感想を口コミしてシェアする(共有)
ということになります。要するに、AIDMAは「インターネット普及前」、AISASは「インターネット普及後」の考え方であるということです。
2. 「AIDMA」から「AISAS」への具体的な変化内容
簡単に言うと、AIDMAは、インターネットを使わない場合の消費者行動、AISASはインターネットを使った消費者行動です。何かしらの商品を知った時、インターネットがない時代は、テレビや雑誌、知り合いの評判、店でのポップ広告などが購入を促すものでした。酒屋に行ってビールを買おうとするとき、ふとテレビCMで見たビールを思い出し、友人が美味しいと言っていたなあと思って買ってみる、という感じです。
しかし今は、インターネットでビールの広告を見て、それがどんなビールなのだろうとクリックして調べ、口コミを見て評判が良ければ買い、そして自分も感想を口コミする、という感じに変わってきました。よって、最初のA-Attention(注目)も微妙に変わってきていると言えます。
消費者は、自らの購買活動をインターネットだけで完結させることが可能になったのです。今では、AIDMAは消費者心理の説明概念で、AISASは実際の消費者行動の説明概念だと言われています。インターネットを使って商品を検索して調べ、その情報を元に買う人が多いということでしょう。そして、近年のソーシャルメディアの普及により、さらに新しい考え方も登場してきているのです。
このように、インターネットの普及は、マーケティングの概念を加速度的に変えつつあると言うことができます。今後は既存のマーケティングだけではなく、様々なメディア、口コミを考慮する必要があるのではないでしょうか。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう