部署内のメンバーや上司が昇進したときは、お祝いをするのがマナーです。メッセージだけの場合もあるでしょうが、多くは金品を贈ったり、昇進祝いの会を催すことになるでしょう。昇進という慶事ではありますが、組織人にとっての出世はデリケートな問題でもあります。ここでは、金品を贈るケースと、祝宴を催すケースに分けて、注意点とマナーについて簡単に紹介しましょう。
金品を贈る場合のマナー
個人もしくは部署内のメンバーの連名で、お祝いの品や現金を送るときのマナーから説明します。かつては「現金や金券は避けるべき」という考え方がありましたが、現在では必ずしもそうではありません。特に連名で贈ったり、部署として贈る場合は、貰って一番困らない現金や金券のほうが贈りやすいということもあります。
熨斗紙や金封には紅白(もしくは金銀)の花結びの水引を用いるのがマナー。花結びは蝶結びとも呼ばれますが、簡単に解けてかんたんに結び直すことができることから、「何度くりかえしてもいい慶事」に用いられるのです。昇進はまさに「何度でも繰り返したいお祝い」なのですから、必ず花結びを使うようにしましょう。「御昇進御祝」もしくは「祝御昇進」とするのが常識です。
品物を贈る場合は、靴や靴下などの「足で踏むもの」は避けるのがマナーです。ビジネス上の慶事なのですから、やはりビジネスで使える品物を選ぶのが、もっともふさわしいでしょう。ただ、同じ部署内や友人で、趣味嗜好をよく知っている場合は、「本人が一番喜ぶもの」を基準にしてセレクトしても構いません。なお、贈るタイミングですが、正式な辞令が下りてからできるだけ早く、遅くても1週間から10日以内には贈るようにしましょう。
お祝いの会を催す際のマナー
昇進の多くは異動や転勤を伴うものです。その場合は当然、部署内で送別会を催すことになるでしょう。ただの送別ではなく、あくまでも「昇進祝い」がメインになるのですから、あまり湿っぽくならないように、できるだけ明るい会にするよう心がけましょう。
ただ、冒頭にも述べましたが、企業人にとって昇進、出世というのはデリケートなものです。たとえば、社内の通例から考えてあまりに遅い昇進という場合は、本人は複雑な気持ちでいるでしょう。そこを十分に配慮しなければなりません。本人が「内心忸怩たるものがある」と感じている時に、必要以上に賑々しい会を開いてしまうのは無神経です。本人の心に添う形で、それにふさわしい会にするのがマナーであり、人情というものでしょう。
繰り返しておきますが、昇進のお祝いは正式な辞令が出てからするのが、最大のマナー。内示の段階で先走って祝ってしまって、あとで内示が取り消されるというケースもありえないわけではないのです。取り返しのつかないミスになりますので、注意が必要です。
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