HOMEビジネス 【3つの事例を紹介】日本企業における代表的な「昇進制度」の特徴

【3つの事例を紹介】日本企業における代表的な「昇進制度」の特徴

U-NOTE編集部

2018/08/10(最終更新日:2021/02/27)


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昇進制度にはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

「昇進」と一括りに考えると、昇進制度の種類にまで目を向けることはないかもしれませんが、種類や仕組みについて知っておくことで昇進しやすくなるでしょう。

本記事では、年功序列制をはじめとする代表的な3つの昇進制度を紹介していきます。

取り上げた3つの昇進制度を今後のキャリアプランを考える機会にしてみてはいかがでしょうか。

本記事の内容をざっくり説明
  • 代表的な昇進制度の例1.年功序列制
  • 代表的な昇進制度の例2.職能資格制
  • 代表的な昇進制度の例3.内部昇進制

 

代表的な昇進制度の例1.年功序列制

代表的な昇進制度の1つ目は、年功序列制です。

「年功序列制度」は知っている人が最も多い昇進制度なのではないでしょうか。

以下で、年功序列制度の特徴やメリット、デメリットについて紹介します。

 

年功序列制度の特徴

年功序列制は、日本企業におけるもっとも代表的な昇進制度で、勤続年数により昇進・昇給することです。

日本企業に多かった年功序列制の一番の特徴は、昇進に関する評価基準が勤続年数にあることです。

個々人の能力の優劣よりも、何年間勤務しているのかということが昇進に大きく影響します。

ひとつの企業に長年勤めることを前提とした終身雇用制と非常に相性のいい昇進制度といえます。

 

年功序列制度のメリット

年功序列制のメリットは勤続年数が昇進に大きく影響するため、中途退社や転職が少なく、社員を長期的に雇用できる点にあります。

長期的計画での人材育成が実行可能になり、戦力獲得のための人材争奪戦をおこなわずに済むのです。それゆえに、右肩上がりの経済情勢に適した昇進制度といえます。

しかしながら近年では、年功序列制を設けている企業でも「離職率の高さ」に頭を悩ませているところもあるようです。

「人材争奪戦を行わなくてもいい」と必ずしも言い切れないのが現状ですが、他の昇進制度と比べると安定性が高いところが年功序列制のメリットだといえるでしょう。

 

年功序列制度のデメリット

年功序列制のデメリットは、個人の能力の優劣が評価にあまり影響しないため、優秀な人材を活かしにくい点です。

年功序列制の下では、仕事が早くて能力のある新入社員よりも凡庸なベテラン社員が優遇されるため、優秀な人間ほどモチベーションが下がりやすくなる傾向があります。

つまり、せっかく優秀な人材を獲得しても、年功序列制度が原因で他の企業に転職してしまう可能性が高くなってしまうのです。

昇進制度の例1「年功序列制」のまとめ

  • メリット:長期雇用が前提。安定して働くことができる
  • デメリット:個人の能力が評価されにくい

年功序列制度を採用している企業で昇進するためには、長期間勤め続ける必要があることを覚えておきましょう。

 

代表的な昇進制度の例2.職能資格制

代表的な昇進制度の2つ目は、職能資格制です。

職能資格制は、年功序列制度に次いで導入されている制度です。

以下では、職務資格性の特徴やメリットなどをご紹介します。

 

職能資格制の特徴

職能資格制は、労働者の職務能力によって職位や賃金の決定がなされる昇進制度です。

ここでいう職務能力とは、「すべての業務をこなす能力」のことです。仕事を遂行する能力によって昇進するか否かが変わります。

求められる業務を遂行するスキルがあり、上司と同じ能力を持っていたら上司と同じ給料・待遇を得ることができます。

職務能力とは、ある特定分野の仕事をこなす能力ではなく、総合的に評価されます。ある特定分野の仕事をこなす能力つまり「業務上での能力」のみを評価される昇進制度は、職務等級制度といわれていて、職能資格制とは別物です。

職務資格制と名前が似ている職務等級制度は、細かく分割した業務を遂行する能力で評価します。日本では、仕事を協力してやることが多いので職務等級制度はあまり一般的ではありません。しかし、個々人で仕事をすることが多いアメリカでは、一般的な昇進制度です。

 

職能資格制のメリット

職能資格制度は、勤続年数が長い社員ほど勤務企業にフィットした職務能力が高いとする昇進制度であるため、終身雇用を前提として発達した制度です。

自分に能力をつけさえすれば昇進できるので、社員はやる気を持って働けるところがメリットです。

単にスキル面だけでなく、社内でのコミュニケーション・愛社精神のような勤務態度が評価に含まれることを望んでいる人にとっては、適切な昇進制度であるといえます。

 

職能資格制のデメリット

職務資格制度は、評価基準が曖昧なため、年功序列制と似た性質になりやすいのがデメリットです。

例えば「後輩とコミュニケーションが取れている」「協調性がある」という能力の判断は難しいでしょう。

昇進できなかった場合には正当な評価が行われているのか?と疑問や不満が残ることもあります。

より公平・公正な昇進をしたい人は、資格試験や昇進試験を実施している会社を探すことをおすすめします。

昇進制度の例2「職能資格制」のまとめ

  • メリット:勤務上の総合的な能力で評価される
  • デメリット:年功序列制と似た評価基準になる可能性がある

 

代表的な昇進制度の例3.内部昇進制

代表的な昇進制度の3つ目は、内部昇進制です。

内部昇進制は、仕事ができるか否かによって昇進が決まる制度です。自分の能力だけで勝負をしたい人にはおすすめの制度であるといえるでしょう。

 

内部昇進制の特徴

内部昇進制は、「業績」を判断基準として昇進を決定する制度です。

内部昇進制は企業ごとに多少運営形態が異なりますが、基本的には年功序列制と職能資格制を合わせた形の昇進制度です。社員全員が同じ条件のもとで入社し、研修や実務を通じてビジネススキルの向上を目指していくといった流れが一般的。

社内のメンバーがライバルとなり、個々人の能力の優劣で昇進を争っていくような制度です。

 

内部昇進制のメリット

内部昇進制の元では、勤続年数という「平等な評価基準」と「能力の優劣」という評価基準の2つをうまく活かして、昇進判断がなされます。

そのため、内部昇進制はその評価基準から当事者からも不満の出にくい昇進制度といえるのではないでしょうか。

 

内部昇進制のデメリット

内部昇進制のデメリットとしては、一度競争から脱落してしまうと出世の道が遠のいてしまうということがあります。

基本的に同期入社組がライバルになるため、一度昇進で先を越されてしまうと後から追い抜くことが困難になるのです。

優秀な人材をどんどん絞り込んでいくことに適した昇進制度であるため、脱落することのないよう、注意が必要です。

負けず嫌いで、いち早く成長をしたいという人にマッチした昇進制度でしょう。

昇進制度の例3「内部昇進制」のまとめ

  • メリット:勤続年数と能力の2軸で判断される
  • デメリット:一度でも出世ルートから外れると同期に比べて昇進しにくくなる

 

勤務する会社の昇進制度について知っておこう

本記事のまとめ
  • 年功序列制は、安定しているが、個人の能力が評価されない
  • 職能資格制は、能力が高いと安定できる
  • 内部昇進制は、業績を判断して昇進が決まる

本記事では、日本企業に採用される主な昇進制度の3つご紹介してきました。

「評価されたい」と思うポイントや「最も評価されやすい」ポイントは、人それぞれです。

「能力」を評価してもらいたい人もいれば、人柄のような目に見えないものを加えた「総合力」を評価してもらいたいという人もいるのではないでしょうか。

キャリアプランの中に昇進が含まれている人は、勤務先の昇進制度の評価基準などを確認してみましょう。

日本の主な昇進制度
  • 年功序列制(勤続年数で評価)
  • 職能資格制(能力で評価)
  • 内部昇進制(勤続年数・能力を総合的に評価)

昇進制度は色々な形があるが、一概にこれが昇進しやすい!といえるものはありません。

会社によって同じ名前の昇進制度でも差異があり、職種や市場環境によっても昇進の条件は異なります。

今、働いている会社や転職先の会社がどのような昇進制度か、しっかり調べておくことがスムーズな昇進につながるはずです。

自分の能力が評価されたいなら、自分の能力が生きる場所に行くのが大切です。本記事を参考に、自分にあった環境を探してみてはいかがでしょうか。

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