就職活動の面接では、人事・採用担当者が就活生の受け答え内容はもちろん、細かなマナーにまで目を光らせています。
本記事では、就職面接を通過するために覚えておきたいポイントや面接の入退室マナーなどをご紹介します。
就職面接の流れや基礎的なマナーを知りたい人はぜひ参考にしてください。
- 就職面接の流れを8STEPに分けて詳しくご紹介
- 就活での面接対策の基本「入退室のマナー」
- 集団・個人・圧迫面接などの状況別・就活面接の対策
就活面接は、前日から準備!就職面接の流れ8STEP
「就活の面接対策って何をすればいいの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
まずは、就活面接の流れを8STEPに分けてご紹介します。
面接の準備から面接を終えて会社を出るまでの就職活動のフローをチェックし、面接のシミュレーションをしておきましょう。
STEP1.面接場所・時間、企業情報の再確認
万全の体制で面接に挑めるように、前日から就活面接に備える必要があります。
面接の前日には、面接場所・時間、企業情報の再確認をしましょう。
「方向音痴だから、面接場所を間違えたらどうしよう」と不安に思っている人は、事前に面接場所に行くこともおすすめします。
余裕を持って会社につくために、何時の電車に乗るかを決めておくと安心できますよ。
大きなビルの場合は、ビルに到着してから面接会場に着くまでに10分以上時間を要することもあります。その他、面接会場の場所がわかりにくかったり、電車の遅延など思わぬトラブルに巻き込まれたりするケースも考えられます。ギリギリの時間ではなく、30分以上余裕を持って家を出る準備をすると安心です。
STEP2.今日のニュースを確認
面接の王道の質問に「最近の気になるニュースは?」という質問があります。
就活生がどのようなニュースに興味や意見を持っているのかを知ることで、就活生の人となりを知りたいというのが面接官の意図です。また、ニュースを確認しているのか、世の中のことを知りたいと思っているのかなどの意識も見られています。
「気になるニュースはありません」と答えてしまわないように、面接当日の朝、少なくとも前日はニュースを確認しておきましょう。
STEP3.家を出る前に必ず忘れ物の確認をする
就職面接での忘れ物はもっての外です。
面接に必要なものを忘れてきてしまうと、確実にマイナス評価が付けられてしまいます。
面接に挑む事前準備として、家を出る際には必ず忘れ物がないか持ち物の再確認をしておきましょう。
就職面接で絶対に忘れたくない持ち物リスト
- 携帯電話:電車遅延などの不測の事態で面接に遅れる連絡をするために必要
- 交通系ICカード:スムーズに電車の乗り換えをして面接会場に行くために必要
- 筆記用具・メモ帳:逆質問の内容、面接の反省点を記録するために必要
- A4のバッグ:企業からの配布資料や応募書類を入れるために必要
- 履歴書:面接当日に履歴書を持っていく場合に必要
- エントリーシート・履歴書のコピー:面接の前に確認するために必要
- クリアファイル:提出書類をきれいな状態で保つために必要
- 会場の地図コピー:携帯の充電が切れたときに必要
- 腕時計:就職面接を行うビル内で時間を確認するために必要
- ハンカチ・ティッシュ:面接前に身だしなみを整えるために必要
STEP4.会社到着後に受付を済ませる
面接会場についたら、まずは受付を行います。
会場に着いたときにまだコートを着ていたら、ビルに入る前にコートを脱ぎ、たたんで手に持ちましょう。コートを着たまま建物に入るとマナー違反だとされているので注意が必要です。
受付する際は、はきはきと快活な受け答えをするように意識することをおすすめします。名前、大学名、訪れた理由を伝えるのみではありますが、「受付の時点で評価されている」くらいの緊張感を持っておきましょう。
人事部の担当者を呼び出すように指示されている場合は、受付で担当者名を伝えましょう。
- 「本日○時から面接の約束をしております、○○大学、○○です。」
- 「○○大学、○○と申します。面接のため伺いました。人事部の○○さんをお呼び出しいただけますか?」
受付の指示に「かしこまりました」や「ありがとうございました」と丁寧な受け答えをすると好印象なので、受付が済んだら会釈することを忘れないようにすることをおすすめします。
また、ビルに入ったら、携帯電話の電源を切っておきましょう。マナーモードであってもバイブレーションが面接中に鳴るのは失礼にあたるため、注意が必要です。
STEP5.控え室で面接を待機する
受付後、案内係に案内されたら控え室で静かに待っていましょう。
面接会場ではないからといって、面接前の待機中に他の面接応募者と談笑をしたり携帯をいじったり音楽を聴いたりすることは控えることをおすすめします。
待機室の振る舞いも面接官に評価されていると思って行動しましょう。
STEP6.面接室のドアをノックして入室
控え室で人事・採用担当者に名前を呼ばれたら「はい!」とはっきり通る声で返事をして、席を立ちましょう。
面接室に案内されたらノックをして入室し、就職面接がスタートします。
面接中は常に明るくはきはきとした受け答えと、面接官と視線を合わせることを意識してください。
STEP7.面接室から退出する
全ての質問が済んで面接が終わっても、面接室を退出するまで気は抜けません。
「ありがとうございました」と丁寧に挨拶をしたら、上着やコートなどの忘れ物がないように荷物を持ち、落ち着いた足取りで退出しましょう。
STEP8.会社のビルを出る
受付で手渡された通行証があれば、会社のビルを出る際に忘れずに返却しましょう。
ビルを出るまではコートや上着を着たり、携帯電話を操作したりするのはNG。リクルートスーツを着ている間は、常に会社の人から「候補者」という目で見られているからです。
会社のビルを離れるまでは、面接の内容を口にするのは控えるようにすることがおすすめです。
就活での面接対策の基本「入退室のマナー」
面接の基本的な流れを掴んだ後は、面接においてミスをしてしまいがちな「入退室のマナー」を確認しておきましょう。就職面接では、入退室においてもいくつかの細かいマナーが存在します。
入室時のマナーをしっかりと押さえ、心に余裕を持って面接のスタートダッシュを決めましょう。
正しいノックの回数は?入室〜面接開始までの就活マナー
待機室で名前を呼ばれて面接室に通されたら、以下の手順通りに動けるか確認しておきましょう。
【就職面接】入室時のマナー
- ドアを3回ノックする
- 「どうぞ」と促す声が聞こえたらドアを開けて入室
- 音を立てないようにドアを閉める
- ドアを閉めたら面接官の方を向き、お辞儀して椅子に向かう
- 椅子の横で自己紹介をし、深めのお辞儀をする
- 面接官に座るように言われたら「失礼します」と言って座る
- 置く場所がなければ荷物は椅子の横に置く
面接室に入室する前の正しいノック回数は、一般的に3回とされています。3回ノックは「入室確認」、2回ノックは「空き室確認」の意味を持ち、トイレノックともいわれています。
ノックした後は、必ず一度ドアの方に向き直ってから丁寧に閉めましょう。
ドアを閉めて「失礼します」と入室の挨拶をしたら椅子の横に立ち、「〇〇大学の〇〇です、本日はどうぞよろしくお願いいたします」と簡単な自己紹介から始めてください。
〇〇大学の〇〇です。本日はどうぞよろしくお願いいたします!
面接官から着席の許可を得たら、「失礼します」と一言添えて椅子に座ります。
着席の際に面接官から荷物を置く場所の指示がなければ、椅子の横に荷物を降ろせばOKです。
ここまでこなせば入室マナーは問題ありません。自然にできるように何度も練習を重ねましょう。
面接終了は退室するまで!面接終了〜退室までの就活マナー
面接の内容自体ももちろん大切ですが、面接会場を出るまで気を抜かないようにするためにも「退室マナー」をしっかりと確認しておきましょう。
【就職面接】退室時のマナー
- 椅子に座ったまま「本日はお忙しい中、ありがとうございました!」とお礼を言う
- 椅子の横に立って再度お礼を言い、深くお辞儀する
- 荷物を持って、ドアの方に歩く
- ドアの前に来たら「失礼します」と言い、お辞儀して退室する
- ドアの方に向き直って、音がならないようにゆっくりとドアを閉める
面接官の「本日の面接はここまでです」という面接終了のアナウンス後は、着席したまま「本日はお忙しい中、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べましょう。
本日の面接はここまでです。
本日はお忙しい中、ありがとうございました!
起立したら椅子の横に立ち、もう一度改めて「ありがとうございました」と深めのお辞儀をすることを忘れないようにしてください。
荷物を持ってドアの前まで歩き、面接官の方を向いて「失礼します」と退室の礼をし、ドアに向き直って静かにドアを閉めれば面接終了です。
ビルを出るまでは気を抜かず、すべての動作が見られているという意識を持ちましょう。
就活での面接の前に押さえておきたい「3つの常識」
入退室マナーを守るのは大原則ですが、面接では社会人と接するための常識レベルのビジネスマナーも求められます。
面接官と対峙する前から注意しておきたいポイントや、知っておくべき就職面接の常識をチェックしておきましょう。
1.お辞儀をしながら挨拶するのはNG
お辞儀するときにやりがちな間違いは、頭を下げながら話すことです。
「今日はよろしくお願いします」などと挨拶をするとき、声を出しながら頭を下げるのではなく、背筋を伸ばして挨拶の言葉を述べてから頭を下げてお辞儀をしましょう。
また、お辞儀には「深いお辞儀」と「会釈程度の浅いお辞儀」があります。場面ごとに最適な角度でお辞儀をすることをおすすめします。
【面接シーン別】お辞儀をするときの「礼の角度」
- 会釈(15°):椅子に座る前の「失礼いたします」
- 会釈(30°):入退室時の「失礼いたします」、自己紹介の「本日はよろしくお願いいたします」
- 会釈(45°):面接終了時の「ありがとうございました」
2.起立・着席時は背筋を伸ばす
面接中の姿勢は候補者の印象に大きく影響します。
猫背の応募者と背筋がピンと伸びた応募者が並んでいたら、自信があるように見えるのは後者で間違いありません。
椅子に座る際は、座面の半分くらいの位置に腰かけましょう。椅子に座ったらあごを引き、肩を後ろに引いて胸を張ると格好良く見えます。
男性はこぶしを握って膝の上におき、女性は両手を重ねて膝の上にしましょう。女性は足を閉じて膝がつくように心がけてください。男性も、足の開きすぎには注意が必要です。
3.服装は基本的に「リクルートスーツ」
就職活動での面接は、リクルートスーツを着ていけば困ることはありません。
注意が必要なのは、「私服で構いません」「自分らしい服装でお越しください」などの指示があったときです。迷ったらスーツやオフィスカジュアルを選びましょう。
「私服でお越しください」と企業に私服を指定されたら、カジュアルになりすぎないようにジャケットにスラックスなどのパンツ、丈が長めのスカートなどで上品にきめることを意識してください。
面接前にチェック! 就職面接に適した身だしなみ
- スーツやオフィスカジュアルなど、指定された服装が整っている
- スーツのしわは伸ばしてある
- 爪を短く切ってある
- 靴はかかとがすり減っていたりせず、よく磨いてある
- 寝ぐせは直してあり、前髪で顔が隠れていない
- 長い髪はまとめてある
- 就職面接にふさわしいナチュラルメイクができている(女性の場合)
これで第一印象は完璧!就活の面接で好印象に見せる6ポイント
就職面接のマナーと常識が備わったら、あとは印象と面接内容を極めるのみ。
長時間の就職面接で好印象を狙うには、目線や表情、相槌の打ち方、話す声の調子など、押さえておくべきポイントがあります。
面接練習をする際には、以下の6項目をチェックして面接官からの好印象を狙いましょう。
就職活動の面接で好印象に見せる6ポイント
- (1)自然な微笑みで明るい表情を作る
- (2)目線は常に面接官の目を見て、アイコンタクトを意識する
- (3)背筋を伸ばして姿勢よく保つ
- (4)質問を聞くときは自然に相槌をうつ
- (5)伝わりやすい大きさの声、程よいスピードではきはきと明るく話す
- (6)履歴書などの書類を渡すときは両手で渡す
集団・個人・圧迫面接…… 状況別・就活面接の対策
就職面接を攻略するポイントやマナーはどんな面接にも共通することですが、就職面接は「集団面接」と「個人面接」の2パターンが存在します。
持ち時間もアピールポイントも異なる集団面接と個人面接、対策を知らないと戸惑ってしまう「圧迫面接」。それぞれの面接で印象を残すための基本的な対策について紹介しましょう。
先ほど紹介した「就職活動の面接で好印象に見せるポイント」と合わせて覚えておいてはいかがでしょか。
集団面接の対策方法
面接官が問う質問に1人ずつ順番に回答していく「集団面接」では、同時に2〜5人前後の複数人で面接を行います。
集団面接では、人数が多いため、1回の質問に対する1人あたりの回答時間が1~2分程度と簡潔なコミュニケーションになりがちです。一次面接として行われることが多い傾向があります。
全ての質問を合わせても自分が話せる時間は5分程度と、個人面接と比べて集団面接はアピール時間が少ないです。
些細なことで減点されないように基本マナーなどのポイントを押さえ、短時間でも印象を残せるように表情や姿勢などに気を配りましょう。
個人面接の対策方法
二次面接や三次面接に多い「個人面接」では、1人あるいは複数人の面接官に対し、候補者は1人です。
個人面接は集団面接と比べると自分をアピールする時間が長い傾向があります。質問に対する受け答えから態度にいたるまで、面接官が候補者の欠点をチェックできる時間も十分にあることに注意しましょう。
基本的なマナーは確実に押さえた上で、面接で受け答えする内容にも磨きをかけて面接通過を目指すことをおすすめします。
圧迫面接の対策方法
「圧迫面接」は、採用担当者である面接官が応募者の学生に高圧的な態度をとる面接のことです。
圧迫面接は「わざと圧迫することで、厳しい状況で応募者の学生が対応できるかどうか」を見る面接である場合が多くあります。
現在では圧迫面接を行う企業は減っていますが、万が一圧迫面接に当たってしまったときは「これはストレス耐性をみているんだな」と冷静に対処しましょう。
意図もなく理不尽な態度をとる面接官もいるかもしれませんが、多くの圧迫面接は意図があって行われています。
圧迫面接に負けず、落ち着いて自分の魅力を伝えることに集中しましょう。
就活の面接はワンチャンス。流れを把握して落ち着いて対応しよう
- 事前準備を怠らずに前日から面接に備える
- 入室・退室のマナーを緊張しても行えるように練習する
- どのような面接方式でも自分の魅力を相手に伝えることを意識する
就職面接は緊張してしまいがちですが、面接における一般的なマナーや段取りを事前に押さえておけば、準備に取り組んだ時間の分だけ不安を取り除けるでしょう。
「これだけ準備したのだから大丈夫だ」と自信が持てるようになるまで練習を行い、強く前向きな気持で就職面接に臨むことをおすすめします。
しっかりと準備を行い就職面接を突破することができれば、きっと自分にとって最適な企業と出会えるでしょう。
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