ビジネスを進める上で欠かせない事業戦略を策定する際は、様々な要素を考慮して決めていく必要がある。その戦略を練るうえで最も重要な作業は、「自社が持つ付加価値は何か」ということを突き詰めることだ。
自社の強みを分析する際には、定性的あるいは定量的なデータを利用するとやりやすいだろう。
今回は、牛丼チェーン3店「吉野家」「すき家」「松屋」のそれぞれの特徴と各社の強みについて見ていきたい。また、各社の戦略を例に、自社の強みを活かした戦略とはなにかを考察していきたい。
自社の強みを活かした戦略例①吉野家の特徴と強み
吉野家の強みは北米産牛肉にこだわること
吉野家は原材料の品質にこだわることをホームページ上で宣伝している。このように、大手牛丼チェーンの中で吉野家が一番牛丼本来の味にこだわりをもっているのであろうと推測できる。
吉野家が戦略として考えるべきは、牛丼の味をより美味しいものとするよう、原材料にこだわり続けることだと考えられる。
自社の強みを活かした戦略例②すき家の特徴と強み
すき家の強みは他の牛丼チェーン店にない丼物メニューの豊富さ
すき家の特徴は、牛丼チェーンの中でメニューの種類が豊富なお店だということ。牛丼メインだが、カレーもサブメニューとして充実している。最近では「シーザーレタス牛丼」といった目新しい丼物のメニューまで幅広く展開している。
味の評価はもちろん、すき家の強みとはこの豊富なメニューで幅広い客層を取り込んでいるという点だろう。ここから、すき家の戦略は、新規性のある商品開発を進めることだと考えられる。
自社の強みを活かした戦略例③松屋の特徴と強み
松屋の強みは牛丼にとどまらない定食屋のようなメニュー展開
松屋はよく牛丼チェーンとして吉野家・すき家との比較対象になるが、松屋が提供するのは丼物のメニューだけではない。松屋は、人気のある定食メニューを手ごろな値段で提供している点で、他社との差別化に成功している。
やよい軒のような本格的な定食屋ほどのメニューではないが、他の牛丼チェーンには無いさまざまな定食をその日の気分で味わえることは松屋の強みである。
松屋の戦略は、多様な商品を打ち出すことによる顧客拡大であるといえるだろう。
上記で、3つの大手牛丼チェーンについて各社の強みを考察してきた。強みというのは自社の利益に直結するものだ。
しかし、一時期、自社の強みを忘れて各牛丼チェーンが値段競争に走りすぎたように見えた時もあった。仮に自社の戦略を立案する立場になった際は「値段競争に巻き込まれない、確固たる自社の強みを見つける」ことが重要であるといえるだろう。
今回取り上げた3社の例を参考に、自社の強みがどこにあるか、その強みを活かした戦略を立てるとしたらどうなるかを考えてみてほしい。
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