ビジネスにおいて重要な場面の一つでもある「契約書の取り交わし」。
重要な書類であるため、作成する際には記載方法に悩むことも多々あるだろう。
そこで今回は契約書作成時に悩みがちな「金額」の正しい書き方、金額を記載する際の基本ルールについて紹介したい。
契約書を書く前に知っておきたい「契約」の基本
本記事のまとめ
- 契約書に金額を記載するときの基本は「漢数字」
- 手書きの契約書で大きな金額を扱う場合、「壱」「弐」「参」「拾」だけでも「大字」を使う
「契約」と一口にいっても、契約書を書く際には民法や会社法、労働基準法などの法律に反さないようにする必要がある。
一方で、契約には「契約自由の原則」という決まりがあり、どんな契約も公序良俗に反さない限り自由であるとされている。
つまり、契約書にどんな数字を用いても公序良俗には反さないということだ。
使う数字は自由でも、金額の書き方にはルールがある
契約書に用いる数字が自由であっても、契約書は証拠書面となる重要な書類であるため金額の書き方に関してはきちんとしたルールがある。
契約自由の原則があることに慢心せず、きちんと金額の書き方のルールを押さえた上で契約書を作成しよう。
契約書に金額を記載する際に使われる「数字」とは?
契約書に金額を記載するときの基本は「漢数字」
まずは金額を記載する際の基本ルールとして、一般的な契約書に用いられる数字について紹介したい。
先述したように、契約書に金額を記載する際は縦書き・横書き問わずに「アラビア数字」や「漢数字」を使える。
契約書においてはアラビア数字や漢数字を併記することはないため、必ずどちらかの数字に統一しよう。
基本的には「漢数字が優先」というルールがあるため、漢数字に記載するのが無難だ。
契約書で目にする「壱、弐、参」などの漢数字とは?
漢数字であっても、壱、弐、参、萬などの難しい数字を目にしたこともあるだろう。
これは「大字」といって単純な形の漢数字の代わりに用いる漢字のことである。
契約書面に難しい漢数字「大字」を使う理由
わざわざ難しい文字を用いるのにはれっきとした理由がある。
単純な漢数字を使う場合、容易に改ざんできてしまう恐れがあるのだ。
そのため、わざと画数が多く難しい漢数字を使うことで、改ざんすることを防いでいるのである。
大字の歴史は古く、8世紀初頭の大宝律令において公式文書の帳簿類に大字を使うことが定められていたという一説がある。
ちなみにセキュリティが高度になった現在では、公式文書においても基本は「ノーマルな漢数字」が使用されている。
手書きの契約書に金額を記載するときの書き方
契約する金額が確定し、契約書類に手書きで数字を書くこともあるだろう。
契約書を手書きする際にも、きちんとした金額の書き方がある。
漢数字で金額を記載する場合の書き方
とくに大きな金額をやりとりする契約書では、「壱」「弐」「参」「拾」だけでも大字を使うことをおすすめしたい。
単純な漢数字である「一」「二」「三」「十」の場合、「一」の上に棒を一本乗せられて「二」というふうに書き換えられてしまう恐れがあるからだ。
縦書きでも横書きでも、金額を記入するときには改ざん防止のために漢数字の大字を使おう。
また、漢数字で書いた金額の前には「金」、後には「円」と書き入れる必要がある。20万円であれば、「金弐拾萬円」というような書き方をしよう。
前後に数字を記入することで、金額の前後に数字を書き加えられないようにしているのだ。
アラビア数字で金額を記載する場合の書き方
アラビア数字の場合、金額の前に必ず日本円を表す「¥」を、金額の後ろに小さく横棒を入れ「¥100,000-」と記載しよう。
これも前後に数字を書き加えさせないための予防策だ。
「¥」は日本円を示すため、「¥」と円という文字を金額の前後に入れるのは日本語として不自然になる。
間違っても「¥100,000円」などという書き方をしないように気をつけよう。
契約書に余白が生じたときに使える「止め印」
また、契約書における証拠の保全措置として「止め印」というものがある。金額の後ろに空白がある場合、ほかの数字を足されないように押す印鑑のことだ。
止め印を押し、そのあと空白はないということを示そう。
今回は、契約書に記載する金額の正しい書き方を紹介してきた。
契約書はビジネスで交わす重要な書類の1つだ。正確な記載ができるよう、本記事を参考に正しい契約書を作成してほしい。
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