結婚式の招待状や同窓会の出席案内などで利用される「往復はがき」は、ビジネスシーンでも頻繫に用いられています。クライアントや関係者から、往復はがきでパーティーやレセプションの招待状が届いた際の正しいマナーを覚えておきましょう。
本記事では、往復はがきを返信するときに特に注意したい「行」の消し方や「様」「御中」の書き方をご紹介します。
- 往復はがきの基本の仕組み
- 往復はがきを返信する際の5つのポイント
- 「行」「宛」の消し方
- 往復はがきを返信する際の3つの注意点
- 返信時には切手は必要?
返信する前に覚えたい往復はがきの仕組み
通常のはがきとは異なり、2枚のはがきがひとつになって届く「往復はがき」。そもそも往復はがきはどのような仕組みのはがきなのでしょうか。
返信マナーを学ぶ前に、まずは往復はがきについて詳しくチェックしていきましょう。
返信前に!往復はがきの基本とは?
往復はがきは、名前のとおり「往信用はがき」と「返信用はがき」がひとつになった郵便葉書のこと。 往信用はがきを送る際には往信先が表に見えるように二つ折りした状態で送り、返信する際には返信部分のみを送り返します。
往復はがきには「往信、返信用が各2〜6g」「縦140〜154mm、横90〜107mm」という規定のサイズと重さがあり、一般的に販売されているものは規定を超えないように作られています。
- 往復はがきは「往信用はがき」と「返信用はがき」がセットになったもの
- 往信用、返信用がそれぞれ2〜6g
- サイズは縦140〜154mm、横90〜107mm
押さえておきたい往復はがきを返信するポイント
前述したように、往復はがきを返信する際には返信部分のみを使用します。
次は、往復はがきを返信する際に知っておきたい重要ポイントを5つご紹介します。ビジネスシーンでも求められる往復はがきの返信マナーをしっかり確認していきましょう。
1.「行」・「宛」を二重線で消す
往復はがきは、すでに返信用宛名が記入されていることが一般的です。マナーとして自身の敬称を付けずに「行(いき)」や「宛」と記載されていることが多いですが、 返信時には「行」「宛」は二重線で消す必要があります。「行」「宛」を消す際には二重線をななめに書き、返信用宛名の下に敬称を書き加えましょう。
「行」「宛」を消した後に記載する敬称は、「個人宛=様」「会社や部署宛=御中」となります。「様」「御中」の使い分けに迷ってしまったビジネスパーソンは、下の記事をチェックしてみてください。
ビジネスシーンで郵便物やメールを出すとき、宛名に用いる「御中」や「様」。敬称の正しい使い分けがわからず、困っている人もいるのではないでしょうか。本記事では、郵便物の宛名マナーとして知っておきたい...「御中」の使い方とは?様・行・係・各位との違いや、消し方・書き換え方法を解説
2.自分への敬称を二重線で消す
「行」「宛」が記載されているのと同様に、返信者つまり自分に対する敬称がすでに記載されていることもしばしば。 ○○ ○○(氏名)様と記載されている場合には、「様」に二重線を引いて消すようにしましょう。
手紙やはがきを出すときに、自分の名前のあとに「様」はつけないのと同じ理由です。
3.「ご出席」「お名前」などの「お」「御」を二重線で消す
名前の敬称だけでなく御出席の「御」、御芳名の「御芳」、お名前の「お」、ご住所の「ご」など、先方から自分への敬意を示す言葉も二重線で消すようにしましょう。 一文字だけ消す場合には二重線をななめに引き、二文字以上の文字を消す場合は二重線を縦にまっすぐ引きます。
【覚えておきたい、結婚式に紹介されたときの上級マナー】
ビジネスパーソンは、会社の同僚や親しいクライアントの結婚式に招待されることも多いはず。結婚式の招待状に返信する場合には、縁切りの意味も持つ二重線は使わずに「寿」の文字を使って文字を消すのもおすすめです。「様」や「御」などの消したい文字の上に、朱色や金色などの筆ペンで丁寧に「寿」を重ねましょう。
4.選択肢がある場合は、選ばなかったものを消す
「御出席、御欠席」のように、返信用はがきに選択肢が記載されている場合には、選ばなかったものを消すのもビジネスマナーのひとつです。選択肢の敬称を消したうえで、選ばなかったものを二重線で消しましょう。
選択肢は二文字以上の場合が多いので、二重線は縦にまっすぐ引きます。
5.相手への一言を書き添える
返信用はがきを返信する際には、単に選択肢を囲むだけでなく、送ってくれた相手を思いやる気遣いを一言書き加えましょう。下記の例文を参考に、返信用はがきに記載する文面を考えてみてくださいね。
<返信用はがきに書き添える文面>
- 〇で囲んだ出席の下に「(出席)させていただきます」や「(出席)致します」と書き加える
- 〇で囲んだ出席の横や斜め上に「謹んで」「喜んで」を書き加える
- 〇で囲んだ欠席の下に「(欠席)させていただきます」や「(結成樹)致します」と書き加える
- 欠席の場合には余白に「大変残念ですが、所用があるため~」「次回はぜひ参加させてください」と添える
- 「行」や「宛」は二重線をななめに引いて消す
- 自分への敬称は二重線で消す
- 「御(出席)」「お(名前)」「御芳(名)」など、「御」や「お」は消す
- 選ばなかった選択肢は二重線を縦に引いて消す
- 相手を思い遣る一言を書き添える
往復はがきを返信する際の注意点
往復はがきを返信するときには、注意すべきポイントがいくつか存在します。受け取った相手に「ビジネスマナーを知らないのかな?」と思われないように、返信時の注意点はしっかり守るようにしましょう。
最後に、往復はがきを返信する際の注意点を3つご紹介します。
1.送るのは返信部分のみ
往復はがきを返信する際には、往復はがきをふたつに切り分けて「返信部分」のみを投函しましょう。往信用はがきを一緒に送り返してしまうのはビジネスマナー違反なので要注意です。
また、往信用はがきに「〇日までにお返事いただけると幸いです」といったように締切が記載されていることもしばしば。もちろん締切日までに返信すれば問題はありませんが、ビジネスシーンではできるだけ早めに返信することが好ましいでしょう。
返信期日ギリギリの投函にならないよう、余裕をもって返信するように心がけてくださいね。
2.切手は不要
日本郵便株式会社から発行されている往復はがきを含め、一般的に往復はがきには「往信用に水色の切手(料額印面)」「返信用に緑色の切手」がすでに印字されています。返信時に切手の用意は不要なので、上から新たに切手を貼ってしまわないように注意しましょう。
3.書き損じてしまった場合は郵便局で交換してもらえる
うっかり返信用はがきを書き損じてしまった場合、訂正してそのまま投函するのは厳禁。受け取った相手に失礼な印象を与えてしまう可能性もあるので、書き損じた場合には郵便局で交換してもらいましょう。
書き損じた往復はがきは規定の手数料を支払うことで、新しいはがきに交換できますよ。
【郵便局で切手やはがきを交換する場合にかかる手数料】
郵便切手・通常はがき=1枚につき5円
往復はがき・郵便書簡=1枚につき10円
レターパック=1枚につき 42円
10円未満の郵便切手や郵便はがき=合計額の半額分
- 往信用のはがきを切り離して、返信用のみ投函する
- 締切期日に間に合うよう、余裕を持って返信・投函する
- 切手は印字されているので不要
- 書き損じてしまった場合には、そのまま投函せず郵便局で交換してもらう
往復はがきを返信する前にミスがないか確認しておこう
- あらかじめ記載されている「行」や「宛」は二重に斜線を引いて消す
- 自分への敬称や「御」「お」は二重線で消す
- 返信時には相手を気遣う一言を添えて、より丁寧な印象を与える
- 往復はがきを返信する際には切手は貼らずに、返信用のみ投函する
- 書き損じた場合には所定の手数料を支払うと、新しい往復はがきに交換してもらえる
ビジネスシーンでは頻繫に使用される「往復はがき」。知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまわないよう、本記事でご紹介した返信時に知っておくべきポイントや注意点をしっかり確認しておきましょう。
【関連記事】
「行」と「様」の違いは?往復はがきのマナー
by Hamed Saber 往復はがきを出す際に、はがきの宛名の書き方で戸惑ったことはありませんか? ここでは「行」や「様」の使い方やマナーについて紹介し...
ビジネスで送る郵便に書く宛名の「行」についてのマナー
by yto 「行」を宛名に書くとき 「行」を宛名に書く時ですが、原則として自分から送る郵便に添付する返信用の封筒や郵便物の宛名に使います。そういった場合は宛名に自分の名...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう