簿記の知識があると、単に経理処理に必要な知識だけではなく、財務諸表を読んだり基礎的な経営管理や分析力、コスト意識を身につけることができたり、税務申告書の作成や経済新聞の記事の理解、有価証券報告書も読めるようになるため、投資判断にも役立てることができるようになります。では、簿記の基礎的な知識を勉強するのにかかる期間は、どれくらいでしょうか。
簿記の基礎の範囲
簿記の基礎的なレベルの範囲は日商簿記でいうと3級です。3級の内容は、取引と簿記の仕組みを理解するところから始まり、仕訳、決算、財務諸表の作成まで。実際の経理業務でも様々な取引を仕訳して、間違いなく帳簿に記載していくことが何よりも大切なことなので、仕訳と記帳の仕方を理解しておくことが特に重要になります。
この程度の知識があれば、簿記の基礎的な知識があると言って差し支えないので、逆にいえば日商簿記検定3級に合格することを目標にすれば基礎はカバーできるといっていいでしょう。3級は一般的な知識ですが、2級は財務諸表を読み、企業の経営状況を把握できるようになるため株式会社の経営管理に役立ちます。1級になると財務諸表規則や企業会計に関する法規を理解し、経営管理や経営分析ができるようになります。
勉強する期間
日商簿記検定3級は、専門学校のカリキュラムでは25時間程度の講義内容。通信教育では、まったくの初心者から合格まで3カ月ほどの勉強期間を設定していますし、専門学校でも4月始まりの講座で6月または11月の受検を目指しています。
また、オンライン上の講座でも受講期間を6カ月で設定しているところもあるので、毎日1時間ほどの勉強時間だとしても、長く見積もっても半年あれば合格圏内にまで持っていくことができるようです。
3級に合格することが簿記の基礎的な知識の習得になるため、およそ半年ほどの勉強期間で基礎的な簿記をマスターすることができると言えるでしょう。簿記の理論は勉強して理解したつもりでも、実際に使わなければ実感することができません。経理業務に関わっていないのであれば、テキストに載っている問題を繰り返し解いて、お金の動きを把握していくしかありません。
勉強は考えることよりも、仕訳のパターンや財務諸表の作り方を覚えてしまうことが大切なので、毎日少しずつでも問題に触れて見慣れておくべきでしょう。見慣れていけば、日計表や財務諸表などの見方も自然とわかってきます。およそ半年ほどで、簿記の基礎知識は習得できるということですので、資格の取得に興味のある人は早速勉強に取りかかってみてはいかがでしょうか。
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