若年離職者が問題視されるようになって久しいですが、特に新入社員の離職は企業にとって大変頭の痛い問題です。離職の原因はいろいろありますが、現場で対策を講じられるものと講じられないものに大別することができるでしょう。新入社員が配属された部署のリーダーや先輩社員が対策を講じられるものに重点を置きながら、いくつかの原因を挙げてみましょう。
現場では対策が講じられない原因
先に、対策を講じられない離職原因から紹介することにします。まず、一番多いのは「給料など待遇面の不満」です。この原因については、「それならなぜ、自社の採用募集に応募したのか」という疑問がわきますし、対応の仕様がありません。そのほかにも「社風や経営理念に同調できない」「会社の将来性に不安がある」「休みが少ない」などの原因が考えられます。どれも現場では対応できないものばかりです。
対策を講じられる原因
現場で対策を講じられる原因としては、「仕事がおもしろくない、合わない」「仕事に慣れない、仕事が覚えられない」「人間関係に不満がある」「労働時間が長い、仕事量が多すぎる」「自分の将来性に不安を感じる」などが挙げられます。労働時間や仕事量はすぐに対応するのは難しいことですが、本人からヒアリングして、もしそこに不満を感じているようなら、少しずつ改善していくことは可能です。
仕事がおもしろくないというのは、「仕事のおもしろさをまだ知らない」と言いかえることができるでしょう。「仕事が合わない」というのも、経験のなさからくる未熟な判断と言えます。いずれも、できればマンツーマンで有能な先輩がビジネスマンとしての教育をしていくことによって、解決できる原因です。自分の将来性に対する不安も同様。仕事の面白さを知り、実績を重ねていくことで、自然に解消される不安と言えるでしょう。
離職原因を作らないための、新入社員教育のあり方
重要になってくるのが、新入社員教育です。「仕事が覚えられない」という原因は、教え方によって解消することができます。過保護になりすぎるのも考えものですが、最初のうちは懇切丁寧にレクチャーし、時間をかけてゆっくり仕事を覚えさせることをおすすめします。逆に、放任主義は新入社員の不安を増大させてしまう傾向があるので、避けたほうがいいでしょう。教育そのものが離職原因になることが少なくないのです。
また、きめこまかくヒアリングすることも大切。先ほどの労働時間などの問題だけでなく、職場の人間関係などのデリケートな問題も、ヒアリングによってある程度、本音を聞きだすことができます。早めにそれに対応し、対策を講じることによって、離職の原因になるまで不満を増大させないことが可能なのです。
新入社員に対しては、教育係や上司だけではなく、職場全体でサポートするのが理想です。環境に慣れ、仕事を覚えて一人立ちするところまでサポートすること。そうすれば、新入社員が離職する原因の多くが解決されていくことでしょう。
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