会社で会議のファシリテーションを行う理由は、上司から任された、会議の進行役がいなくて自分でやらざるを得なかった、など様々だと思います。しかし、日本の会社のように職能別で肩書きのしっかりした組織ほど、ファシリテーションはしにくいと言えるでしょう。立場や役割が明確な会議では、どうしても積極的な意見を言う人が決まってしまう傾向にあるからです。
しかし、基本的な進め方さえ忘れずに冷静に会議の進行を行えば、ファシリテーターがいることに慣れていない組織でも、うまく進むケースは多く見られます。ここでは、会議のファシリテーションを行う際の基本的な進め方を確認していきましょう。
1. 決められた目的を忘れずに進める
これは基本中の基本ですが、ファシリテーターが会議の目的を忘れてしまっては、何の意味もありません。頭の中に会議の目的を叩き込んでおき、話題が目的からそれそうになったらさりげなく一度話題を変えたり、場合によっては休憩を入れるなどして、目的を思い出してもらうように参加者を誘導する進め方にしましょう。
2. 意見が出やすいように進める
特に役職が下の参加者ほど、会議で意見するというのは勇気がいることで、難しいものです。しかし、そのような参加者が意見しなければ、会議は変わりません。ただ、いきなり「どう思いますか?」と聞いてもドキドキして話せなくなるケースもあります。例えばその参加者がAさんだとしましょう。
Aさんは今、異なる意見を持っているけれども言い出せないでいる、とファシリテーターが感じたとします。このような場合に必要なファシリテーションは、「Aさんの担当している業務から見るとどう思いますか?」「これまでとは違う意見も欲しいんだけど、他に何かありませんか?」と声をかけ、Aさんが話しやすい環境を作ってあげることが大切です。ファシリテーターがAさんに意見を言ってもらったという演出をするわけです。こうすることで、Aさんは自ら意見を言うのではなく、ファシリテーターに促されたから言うのだという、意見の担保が生まれます。
参加者としては「自ら言う」のと、「意見の担保がある」のでは、気持ちがまったく異なってきます。参加者が意見を出しやすい環境作りをしてあげられる進め方にしましょう。
3. 現実的な結論が出るように進める
会議で結論を出すのもファシリテーションの基本。しかし、その結論が現実離れしたものであっては、いくら会議がうまく進んだとしても、その後につながらず、意味がないものになります。ファシリテーションは結論をかっこよくするためではなく、実現可能な結論を導くためにあるのです。
しかし、無理と思われる結論に対してもして決して強い否定はせず、無理と思われる根拠を可能な限り挙げ、参加者の理解を促しながら新しい結論を導くように心がけましょう。
ファシリテーションは、常に基本の進め方を忘れずに行うようにすれば、大きな脱線はなくなります。できる限り参加者が納得できるファシリテーションを目指しましょう。
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