事業を展開していく上で、推進していく事業と撤退すべき事業の見極めが重要になります。撤退すべき事業を推進し続けた場合には、無駄な事業投資となり、最悪の場合企業の倒産に繋がりかねません。ここでは、事業の撤退のタイミングの見極め方について話していきましょう。
【1】撤退すべき事業のタイミングの見極め方
撤退する前には、いくつかの点をまず見直してみる必要があります。新規事業の数字の見方は、1年目であれば利益よりも売上をチェックします。2年目以降は売上よりも利益に重点を置き、3年目には損益分岐点をチェックします。
3年経っても軌道に乗らない事業であれば、事業構造と市場環境により、継続するか否かを決定します。いずれにせよ、撤退のタイミングは事業を見限るポイントを事前に決めておくことが大切。それを下回れば、躊躇なく撤退の準備に取り掛かりましょう。
新規事業に取りかかる段階では、まず身近な将来どのようになっていたいかを考え、アイデアを整理します。アイデアの整理の仕方は3カラムの表を作る事から始まり、1番左のカラムには達成目標を、真ん中のカラムには重要度を、一番右のカラムにはアイデアを書き込みます。ユーザーや顧客の意見をプロダクトにフィードバックして活かすことで、成功していく事に繋がりますが、人気も評判もイマイチで、ユーザーからのフィードバックも無い場合にはそのプロジェクトやプロダクトを見直す時期として考えている方が良いでしょう。
【2】撤退の意思決定が難しい理由
しかし、中には事業が良くない、撤退すべきだと分かっていてもどんどん事業を推進していくような矛盾を抱えた事業も存在します。しかし、このようにずるずる事業を続けてしまうのには理由があります。
人間は、撤退して決定を確定した損失額に直面するよりもこのまま頑張ってなんとかすることを選ぶ心理傾向があります。そのため意志決定を下す際は、人間のこのような心理的バイアスを認識することが大切。「取引先に迷惑をかけるから」や「社員の想いを大切にしたいから」という理由で事業を続けていれば、最終的に取り返しのつかない事態が発生してしまうことも必然的に考えられます。
時には撤退を潔く認める事で、他の事業に打ち込む事ができ、成功する事が出来る場合もあります。勇気を持って撤退することで企業の損失を最低限押さえることも可能なのです。タイミングをうまく見極め、引く時は引き、押すときはとことん押すことが事業運営において大切なのではないでしょうか。
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