送別会は一般的に、司会者が開会を告げ、参加者の中で最も地位の高い人が挨拶、引き続いて2番目に地位の高い人、もしくは送られる人の直属の上司が「乾杯の音頭」を取るという流れになります。
乾杯の音頭を取る際、一言の挨拶を付け加えるのが常識。司会者から「乾杯の音頭をお願いします」と指名され、「では、乾杯します。乾杯!」しか述べないのは、ほとんどないでしょう。それでは、実際にどんな挨拶をすればいいのか、注意点はどこかについて、例を挙げながら紹介していきます。
挨拶の基本例
送別会にはいくつかのケースがあり、ケースによって挨拶の内容も当然変ってきます。
まず、栄転。これは企業人にとって最高におめでたい送別と考えていいでしょう。ですから、その喜びを分かち合い、前途を祝すのが挨拶の基本になります。
例:「○○君(さん)、本社営業本部への栄転、ほんとうにおめでとう(ございます)。我が部署からすばらしい人材が生まれたことは、いっしょに仕事をしてきた私たちにとっても、大変うれしく誇らしいことです。本社へ移っても十分に力を発揮して、ますます活躍してください。」
「ございます」をカッコ付けしたのは、挨拶する人と送られる人の年齢関係によって、つけたほうが良いケースがあるからです。以下の例も、同様です。
結婚による退職ならば「御結婚、おめでとう(ございます)」となり、転職などの中途退職の場合は「新天地でも活躍してください」となります。社内異動で、ただし栄転ではない場合も、これと同じ挨拶内容でいいでしょう。
定年退職のケースは「長い間おつかれ様でした」と労い、「お体を大切になさって、いつまでも元気でいてください」と続けます。年長者であるので、たとえ上司であっても敬語を使うのが常識です。
挨拶の結び方
「はなむけの挨拶」をしたあとの結び方は、すべてのケース共通になります。
例:「○○君(さん)の御活躍を祈り、また××社(自社名)のますますの発展を祈念して、乾杯したいと思います。」
「御活躍」のところを、ケースに応じて「御多幸」と言い換えるといいでしょう。また、セクション内での送別会なら「△△部のますますの発展」としても構いません。そのほうが、参加者はより実感を持って乾杯することができると思います。
なお、メインの挨拶は多くの場合、自分より地位の高い人がその前にすませていますので、乾杯の挨拶はなるべく短くすべきです。エピソードを延々と話したり、まして送られる人の仕事の評価などを口にすべきシーンではありません。乾杯の挨拶はあくまでも「はなむけ」の言葉でなければなりません。参加者が飲み物のグラスを手にしたのを確認して、「乾杯!」と音頭を取ります。
送られる人への思い入れが強く、個人的に話したいことがあるならば、それは懇談の時間に直接言えばいいのです。乾杯の挨拶で「自分の思い」を吐露することは控えましょう。
以上、送別会の乾杯の挨拶の基本例と結び方を紹介してきました。気持ちよく送り出してあげるためにも、ここで紹介したことを意識して心のこもった挨拶をするようにしましょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう