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会社の経営方針が定まりやすい「経営理念」の作り方

Shingo Hirono

2014/03/30(最終更新日:2014/03/30)


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by paul bica
 経営理念という言葉をご存知でしょうか。もしかしたら、あまり聞いたことがない、もしくは自社の経営理念を知らないという人もいると思います。あるいは、毎日朝礼で経営理念を唱えている、という人もいるかもしれません。

 経営理念に対する考え方は、その会社によって大きく違います。企業理念と経営理念を分ける会社もあり、中には経営理念を持たないという会社もあります。しかし、経営理念がある会社とない会社、あるいは浸透している会社と浸透していない会社では業績に差が出ると言われています。このことからも、経営理念は会社がその存在を高めるものとして、必要なものと言えます。

 そして、その経営理念は経営方針を導き、さらには現場の業務を導くための道標でなくてはなりません。では、経営方針を定めやすい経営理念とは、どのようなものでしょうか。そして作り方はどのようにしたらよいでしょうか。

会社の存在理由が明確になっている

 経営理念の作り方で最も考慮すべきことは、そこに経営者が考える会社の存在理由が明確に表現されているということ。経営者が、どのような経営を行いたいのか、ということです。社会貢献できる会社なのか、顧客との関係性を高めたいのか、ステークホルダーを大切にしたいのか、社員にいきいきと働いてほしいのか、あるいはその全てなのか、ということです。理念は存在理由ですから、1つでも構いませんし、複数でも構いません。

 しかし、あまりたくさんのことが理念になっていると、それはただ思いついたことの羅列と受け取られてしまいます。また、その理念を遂行する経営戦略も複雑になってしまうでしょう。その場合は、経営者が「本当に志していること」に絞る必要があります。

 経営者の考えた理念としての存在理由が、会社を支えるために必要な経営戦略を生み出します。存在理由が明確な経営理念とする、これが作り方の第一のポイントです。

表現が経営者独自の視点からのものではない

 理念は経営者の思いです。よって、経営者が決めるもの。しかし、経営者も人間なので、その人ならではの癖があり、例えば言葉の使い方も独特かもしれません。その場合、それを見た従業員などには理解しにくいものになってしまう可能性があります。

 経営理念の作り方の第2のポイントは、株主や他の経営層、場合によっては一般社員などの意見を聞き、皆が理解できるものにするということ。経営者以外の人には意味が理解できない、あるいは漠然としすぎていると経営戦略に落とし込むイメージを掴めないからです。

 もちろん、それはただ他人の意見に迎合するということではありません。経営者が持つ会社の存在理由や信念を、関係者が理解できるようにするということです。存在理由や信念を表現する表現は1つではありません。経営理念には共有できる表現を使う、これも大事な作り方のポイントです。

状況によっては経営者、経営環境に即したものに変更する

 基本的には経営理念は企業理念と同義と考えられる場合が多いため、普遍的なもの。しかし、だからと言って絶対に変更してはいけないというものではありません。経営者や経営環境の変化により、理念を変えるということもあっていいはずです。

 「経営理念は絶対的で普遍的なもの」と捉えることは、最悪の場合、経営戦略の硬直化を生み、従業員などが「ただの飾り」と捉えるようになる可能性があります。ただ変更する場合は、変更理由をIRなどで各方面にはっきりと発信すべきでしょう。


 
 ここでは、経営理念の作り方を紹介してきました。存在理由が明確で、独りよがりの表現ではなく、現状に即している。これが的確な経営方針を導くための経営理念の作り方と言えるのではないでしょうか。

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