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事業計画を評価するときのポイント —— 大切なのは経営者の「思い」と「計画性」

Shingo Hirono

2014/03/30(最終更新日:2014/03/30)


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by Mr.TinDC
 起業時、または新たに事業を始める場合に作成する事業計画書は、会社とその経営者にとって大変重要なものと言えます。事業計画がどう評価されるかで経営者への印象が決まり、資金調達が可能かどうか決まり、会社とその事業に対する評価が決まるからです。ここでは事業計画を評価するときのポイントについて挙げてみたいと思います。

経営者の強い思いと実行能力があるかどうか

 まず、事業計画に最も必要なのは、そこに経営者の強い思いと実行能力が明確に示されているかどうか。特にベンチャーキャピタルなどは、経営者あるいは経営層だけを見て、事業が利益を生むかどうかを判断し、投資を決めるとさえ言われます。経営者の強い思いと実行能力というのは、それくらい大事なものなのです。

 そしてそれが明確に、誰にでもわかる形で書かれていなければいけません。当たり前のことではありますが、どんな事業でも、それは人によって行われるもの。よって、トップに立つ人間に強い成功への思いがなければ、その事業は実行可能性を持たないと評価されます。まず、事業に対しての思いとそのゴールを改めて確認し、明確に表現するということを第一に考えましょう。

漏れや無理、間違いがないかどうか

 第二のポイントは、事業計画にモレや無理、間違いがないかどうか。事業計画はあくまでも計画であって、成功が保証できるものではありません。よって、いかに現状とその現状に対する強みや機会が分析されているか、弱みや脅威の克服のためのどのような方策があるか、売上がどういった状況で推移し、損益がどの時点で黒字化するか、などが数年先まで予測されていなければ、計画性に欠けると評価されてしまいます。特に、売上や黒字化の目安は、金融機関などが最重視する項目ですので、「漏れ」のないように心がけましょう。

 そして時々、何の根拠もなく、「数年後には売上と営業利益が20倍にアップ」などという計画書を目にすることがあります。そのような根拠のない、現実的ではない無理な計画が評価されることは、まずありません。

 事業を開始するにあたって綿密に調査をし、できるだけ実現可能と思われる数字に落とし込むことで信憑性は増し、かつそれを結果にしなければならないという使命感も生まれます。まだ実績のない段階で、大風呂敷を広げるような「無理」は避けましょう。

 さらに、もう1つ大事なことは、「数字が正確である」ということ。例えば、最初の1年での収支計画の計算に誤りがあれば、次年度からの収支にも影響が出ることになり、さらに黒字化までの期間にも影響が出ることになります。最初はたった1つの小さなミスでも、それが数年先の計画になると、大きなインパクトのある間違いにつながることもあります。計算は正確に行い、些細であっても「間違い」がないようにしましょう。


 最後に忘れてはいけないことがあります。それは、事業計画は、「事業」の計画だということ。企業経営そのものというよりは、「その事業を行うことで確実に利益が出せる」という計画です。よって、その事業が現在の消費者ニーズに合っており、的確に市場にアプローチできているかどうかについて、今一度再確認してみましょう。そして、積極的に評価される事業計画書を目指しましょう。

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