会議を開くにあたって重要な意味を持つ「議題」。
議題とは会議のテーマや目的を示すものであると同時に、会議に参加する人間がどのような形で会議に関わるのかを示す大切な手掛かりでもある。
優れた議題は一目で目的がわかるだけでなく、参加者に何を求めているのかまで理解することができるものだ。
そこで今回は、会議で話し合う議題の決め方のポイントについて紹介したい。
会議の議題を決めるポイント①:議題の方向性を明確に
議題の持つ基本的な役割は、会議の方向性を示す道しるべのようなもの。
業務の運営で何か支障をきたしていることがあれば、会議を行って何らかの改善策を練らなくてはならない。
業務上の課題を議題に設定して話し合えば、有益な意見を集約することができて業務の改善に繋がるのだ。
「課題をどのような方向に改善したいのか?」を明確に議題に盛り込む
「課題解決」を目的とした議題にする場合、ただ課題について話し合うだけでは意味がない。
課題をどのような方向に改善したいのか?ということを明確にして、議題に盛り込もう。
「売り上げの低下について」という議題では漠然としすぎていて、何について話し合うのかを参加者がイメージしづらくなってしまう。
「低下する売り上げを前年度並みに回復させるには」などと解決する方向性が示されている議題のほうが、参加者もそれぞれの立場から発言しやすくなる。
正しく議題を設定することで、会議ではどのような結論を求められているのかが明確になるのだ。
会議の議題を決めるポイント②:発言しやすい議題を設定する
参加者が発言しやすい議題を設定することは議論が活発になり、充実した会議にすることにつながる。
「発言しやすい議題」はテーマが明確で、具体的な問題設定がなされている
「発言しやすい議題」とは、テーマが明確であり具体的な問題が設定されているものだ。
例えば、「会員数を増やすには?」と「会員数を1割増やすためには各部門がどのように動くべきか?」という2つの議題があったとする。
どちらのほうがテーマが明確かというと、後者になるだろう。
後者の議題であれば、参加者はどのような意見を求められているのかを即座に理解できるからだ。
例示したように参加者が発言しやすい議題を設定すれば、会議の参加者は事前に議題の話し合いに向けて準備をしておくことができる。
議題次第で、会議本番がスムーズに進行するか否かが決まるといっても過言ではないのだ。
会議の議題を決めるポイント③:疑問文形式の議題にする
会議の議題を設定するときには「疑問文形式」にすることを心がけよう。
疑問文形式の議題にすることで、何を問いかけているのかがわかりやすくなるのだ。
その結果、先述したように会議で求められている回答を事前に用意してから会議に出席することができ、会議の時間が有益になる。
会議が問題解決の手段として用いられる以上、疑問文形式の議題を設定できない会議は基本的にないはずだ。
「疑問文で議題を設定できない」会議=「テーマを絞りきれていない」会議
もし疑問文で議題を設定できない会議があるとすれば、それは内容を盛り込みすぎてテーマを絞り切れていない証拠だ。
テーマが広すぎる会議は議論がバラバラの方向に散ってしまい、最終的に何を話し合っていたのかを見失ってしまう可能性が高い。
疑問文で書かれたシンプルなテーマの方が、参加者も会議で発言しやすくなり、より有益な結果が導き出せるのだ。
“疑問文を用いない議題”と“疑問文を用いた議題”の比較
例えば「利用者の増加について」という議題を設定したとする。
上記の議題の場合、利用者数が増加したことに対してどのような意見を求められているのかがわからない。
この議題であれば、利用者の増加がいいことなのか悪いことなのか、どのような関わり方を求めているのかがわかるように設定するべきである。
例えば、「増加する利用者に対して待たせることなくサービスを提供するには?」というような議題を設定したらどうだろう?
上記のような議題であれば、「利用者の増加に対してどのようにすればサービスの質を落とさず提供できるのか」という改善提案を求めている会議であると一目でわかるはずだ。
議題の決め方の基本は、はっきりとしたシンプルな議題を設定することである。
議題が曖昧なままでは、会議を開いてもただ時間を浪費するだけで有用な結論を導き出せるはずがないのだ。
参加者に何を求めているのか、会議がどんな目的で行われるのか、それをはっきりと示せる議題を用意して初めて会議が機能する。
議題ひとつで会議の質は大きく変わることを理解した上で、適切な議題を設定してみてほしい。
本記事を参考に適切な議題設定を行い、有益な会議を行うことを目指そう。
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