新入社員教育は、企業の人材管理において重要な意味を持ちます。どんなに優秀な人材を採用したとしても、最初は誰もが素人同然の能力しか持っていない状態で入社してきます。そのため、新入社員教育でどれだけ仕事に必要な知識やスキルを、身につけさせるかが企業にとって大切になります。
新入社員教育では、教育される新入社員だけでなく、指導する側の担当社員の力量も試されます。効果のある教育を行うためには、指導者も目標を立てることが重要。今回は、新入社員を教育する担当者が目指すべき目標について紹介します。
1. 必要とされる知識とスキルの取得
新入社員教育で第一に考えなければならないのが、社会人として必要最低限の知識とスキル、ビジネスマナーを覚えさせること。新入社員教育終了後の配属先に関わらず、仕事をする上で最低限の能力が身についていなければ、即戦力として働くどころか業務の足を引っ張ることになってしまいます。
電話応対や名刺の渡し方といった基本的なビジネスマナーから、会社内の習慣や書式の作成、年間スケジュールなど、どの職場でも必要とされる能力を全員が取得できるように教育することが、教育担当者の目指すべき最初の目標になります。
2. 社会人としての責任と自覚
学生と社会人では求められる責任が大きく異なります。企業の一員として働いていく以上、役職や担当業務にかかわらず責任と自覚を持って働いていく姿勢が求められるのです。新入社員教育では学生気分からの脱却を目指し、社会人としての責任を自覚させることが重要な目標になります。
そのための教育手段としては、ビジネスマナー研修や法律順守意識の育成、チーム作業におけるコミュニケーション指導など様々な方法が挙げられるでしょう。全ての新入社員教育の目的は、一人の社会人としての自覚を促すこと。単なる企業戦力としてではなく、一人前の社会人としてあるべき姿を自覚させることが、新入社員教育の大きな目標になるのです。
3. 長期的展望に立ったプランの作成
会社に入って働くということは、自分の人生を自らの力で切り開いていく作業でもあります。新入社員教育では新人が近視眼的な視野に陥ってしまわないよう、長期的展望に立ったプランの作成を指導し、一人一人がキャリアプランについて深く考えることを目標に指導しなければなりません。長期的展望に立ってプランを作成するメリットは、企業に対する帰属意識の育成と自らの価値を高める仕事のやり方が身につくこと。
短期的なことしか考えない人材は、嫌な仕事や面倒な仕事を拒否しがちで、すぐに会社を辞めてしまう傾向が強く見られます。新入社員に教育を通じて長期的な視野を身につけさせることで、面倒な仕事が後々どのような形で自分の利益になるかを考えさせることが可能になります。最初のうちは嫌な仕事でも後々役に立つことが理解出来れば、仕事に対する積極性も生まれ、離職率も低くなるでしょう。
新人の仕事に対する意欲を育てるためにも、長期的展望に立ったプランの育成を新入社員教育の目標にしてみると良いでしょう。
新入社員教育は即戦力を育成するための教育と思われがちですが、短期的な効率を求める教育は離職率の上昇を招いてしまいます。
新入社員を一人の人間として尊重し、誇りを持って働ける意識と能力を身につけさせることが、企業が新人教育の目標とすべきこと。様々な教育を通じて優秀な人材の育成に成功すれば、必ず企業利益に貢献してくれるでしょう。そのためにも、新人教育は3年先を見据え、長期的な展望を持ってプログラムを作成することが重要になります。
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