会議の議事録の書き方には、複数の様式があります。内容を要約して簡潔なレジュメにする方法もあれば、できるだけ会話を再現して、リアリティのある議事録にする書き方もあります。作成してみると分かるのですが、ある程度リアルに会議を再現する会話形式の議事録のほうが、作成作業はずっと難しいもの。
それは、単なる再現では有効な資料にならないためであり、また場合によっては出席者が不快に感じるものに仕上がりかねないからです。そこで、ここでは会話形式で議事録を作成するときに気をつけたい書き方のポイントについて紹介します。
出席者を不快にさせない文章の整え方
例えば会議を録音し、それを起こしてそのまま議事録を作成したとしましょう。そうすると、不規則な発言の連発、時に発言者が感情的になり、時に発言者が言い淀む、また言い間違いに対する指摘など、全てが再現されてしまいます。そういった議事録は、読んだ人たちは不快に感じるでしょう。また発言者に恥をかかせることにもなってしまいます。
議事録はあくまでも、会議の内容を正確に記録し、その案件に関係するすべての社員が正しい情報を共有するために作られるもの。ですから、会話形式の議事録を作るときは、発言の文章をきれいに整える必要があります。
たとえば「さっきの話だけど、あれ、逆に言えばメリットと考えることもできるんじゃないの?」という発言なら、「先ほどの案件については、むしろメリットと捉えて評価することもできるでしょう」というように整えるのです。
文型の整え方
書き方のもう1つのポイントは、1つの文の文型を整えるということ。実際の会議の発言では主語が省略されたり、述語があいまいになりがちです。これは日本語の特徴でもあります。主語を省略すること、文末をきちんと言い切ることをあえて避けることが、日本人の会話には少なくないのです。
ですから、1つ1つの発言について、省略された主語を明記し、文末を曖昧にしないという文章の整形が必要になってきます。たとえば、「それは違うんじゃないでしょうか。さっき誰かも発言してましたけど、例の会社でもそのやり方で上手くいかなかったという…、ねえ」という発言を、「○○部長の今のご発言には、やや違和感を感じます。先ほど××課長が触れられたように、△△社はかつてその方法を取って失敗した、という前例があります」というように、省略された言葉を議事録上で復活させるのです。
敬称略が基本
細かいことですが、発言者の敬称は省略するのが基本です。ただし、社内の文書なのですから、「専務」「部長」などのポスト名を表記するのが自然な書き方。○○専務「この件についての各自の意見を求めます。まず、××部長、どうですか?」というように表記するといいでしょう。
内容が正確に伝わって、それを読んだ人が誰も不快に感じないこと。これが会話形式の議事録作成の際の書き方のポイントです。会話形式で議事録を作成するときは、ここで紹介したことを意識してみると良いでしょう。
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