多くの新入社員は、それなりに高いモチベーションをもって入社し、仕事に取り組み始めるもの。しかし、最初は高い意欲をを持っていた新入社員が、何ヶ月もたたないうちにそのモチベーションを低下させてしまう例が少なくありません。どうしたら新入社員のモチベーションを低下させないようにできるか。そのための工夫について、ここでは3つのキーワードを使って説明します。
キーワード1:「積み重ね」
新入社員には簡単なルーティンワークから覚えさえ、仕事させるということが多いでしょう。その時に気をつけなければならないのが、「仕事をこなす」という意識を持たせてしまうこと。誰にでもできるような単純作業は、どうしても「こなす」という感覚で取り組みがちです。
その意識を変えるためのキーワードは「積み重ね」。どんな単純作業でも、それをきちんと遂行し「積み重ねる」ことによって企業人としてのキャリアを得ることができる、という認識を教えるのです。
自分がこなした仕事が積み重なっていくと認識することは、モチベーションの低下を防ぐために大いに役立ちます。これが第一の工夫です。
キーワード2:「評価」
新入社員が実際にした仕事について、目に見える形で評価することも大切になります。目に見える形とは、「評価表」のようなペーパーを作ること。「君はこの仕事のこういう点についてはこれだけの実績を上げた。今の課題は次のステップのための、こういう準備とスキルの獲得だ」というような内容の「見える」評価をするのです。
いささか過保護なように感じる方もいるかもしれません。しかし人間は誰しも、人から評価されないと仕事へのモチベーションは低下してしまうもの。「褒められて伸びるタイプ」という言い方をよくしますが、人間はほとんど、褒められることによってモチベーションがアップし、「伸びる」ものなのです。
キーワード3:「変化球」
新入社員がある程度、基本的な仕事を習得した段階で、少し冒険の仕事、いわば「変化球」の仕事を与えることも効果的な工夫です。単純なルーティンワークに飽きてきたように感じたなら、あえて少し高度な仕事を与えるといいでしょう。すぐそばにいてそのフォローをしながら、「変化球」の仕事をどうこなすか観察するのです。その仕事を最初から十全に完遂することは難しいでしょう。しかし、その難しい仕事に取り組むことで、モチベーションの低下を防ぐことができるのです。
例えば、その仕事の成果が10点満点で2点ぐらいだったとしましょう。その場合は、その「2点」について高く評価するようにするのです。「0点」でない限り、プラス評価はできるはず。それが、モチベーションを低下させないための工夫です。
以上、ここで話したことは、「甘い教育方針」と言われてしまえばそうかもしれません。しかし、大事なのは、新入社員をいかに一人前に育てるかということ。その目標のために行う工夫は決して「甘い」ものではないと思います。
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