仕事でミスをしてしまった時、それを反省することが大切です。どうしてそのミスをしてしまったのか。どうすれば同じようなミスをしないで済むか。そうした分析と対策を考えることがビジネスマンにとって不可欠な作業でしょう。そのミスに関する対応はそこで終了したはず。ところが1つのミスについて何度も思い出し反芻し、いつまでも精神的に落ち込んでしまいがち。
メンタル面で、そのミスを乗り越えられなければ、仕事を先に進めることはできません。その乗り越え方について考えてみましょう。
「慰め」は傷口を再確認するだけの作業
仕事でミスをしたとき、職場の同僚、先輩、あるいは上司から「誰でも失敗はある。気にするな」と慰められることが少なくないでしょう。中には「自分はもっと大きなミスをしたことがある」と具体的な例を示して慰めてくれる人もいるかもしれません。自分でも「そう。誰にも失敗はある」と考え、自分を慰めるのです。
しかし、こうした慰めは、実はミスによって作られた心の傷を再確認するだけの、マイナスの作業。慰めによってミスが帳消しになることはなく、心の傷が消えることもありません。「慰めは有効な乗り越え方ではない」ということを認識しておいたほうが良いでしょう。
「自分は戦略家である」という自己暗示
それでは精神的に有効な乗り越え方は何なのでしょうか。おすすめしたいのが、「自分は戦略家である」という自己暗示です。そのミスを「貴重な経験」と捉え、「次の仕事にじゅうぶん生かすだけのしたたかさを自分は持っている」と考えるのです。
実際にそうやってミスを後の仕事に活かしている人は少なくありません。戦国武将であれ、歴史上の偉大な政治家、事業家であれ、そうした「戦略」を持って後に成功した例はいくらでもあります。そうした偉人に自分をなぞらえ、「自分はミスをバネにして前進できる戦略家だ」と自己暗示をかけるのです。それだけでも、気持ちはかなり楽になるはず。仕事への意欲が湧いてくるかもしれません。
「時間」についての強い認識
次に、「今の自分はあのミスした時点には、すでにいない。先の時間に立っている」と認識することです。つまり、「ミスをした時間」はすでに過ぎ去ったもの。今は存在していないのです。存在していない時間についてこだわるのは、まったく意味がないでしょう。今はそこから離れた時間にいるのですから、考えるべきことは「この先の時間」だけです。
ただ「前向きに」と考えるよりも、「時間」を強く意識すると、過去に捉われることの無意味さが実感しやすいでしょう。無意味だと感じることができれば、自然と意識は「次の時間」に向きます。その瞬間、過去は消えたのです。そして、前に向かって実際に歩き出すこと、これがミスの精神的な乗り越え方です。
例えば、休日に気分転換したとしても、それはその場限りのことで、メンタル面で有効な乗り越え方とは言えません。気持ちが前にしっかり進むことができたときに初めて、ミスを精神的に克服したことになるのではないでしょうか。
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