「経営分析」と聞くと、初心者にとっては小難しい、よく分からないものという感じがするでしょう。確かに経営分析を専門的に行うには、知らなければならないことがたくさんあります。しかし、初心者でもちょっとした覚え方のコツを知ると、すぐに最低限の経営分析ができるようになります。ここでは、経営初心者が経営分析を簡単に行うには何を使用し、どこを見るかということをメインに、その覚え方を紹介していきます。
経営分析には、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を使う
損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)というのは、名前は難しいのですが、経営分析には欠かせないものですので、どうしても知っておく必要があります。しかし、細かいことを知る必要はありません。どういったものかだけ知っていれば十分です。これらの資料は、「会社の経営活動が数字で表された表」と覚えましょう。
これらは法律で株式会社に作成を義務付けているもので、専門家も参考にする最も重要な表です。よって、これらを見ると、現在会社がどの程度利益を上げているか、借金がどの程度あるかなどが分かってきます。まずはこの2つの表を使うのだということを覚えてください。
そして経営分析で最も基本的なことは、その会社がどの程度の利益を上げているか、ということと、今後も安全に経営していけるか、という2点です。これらのことを、「収益性」と「安全性」などと呼びますが、特に用語を覚える必要はありません。覚え方のコツは、用語ではなく、その意味を知るということです。この2点を次に2つの表を使って分析します。
損益計算書(P/L)で会社の利益の度合いがわかる
まず、利益については、損益計算書(P/L)を見ます。この表には、その期の企業の収入や支出について色々書かれていますが、細かい部分に気にする必要はありません。まず見るのは「売上高」です。これは表の一番上に書かれているのですぐに分かります。
売上高は、文字通り会社が商品やサービスを売り上げた総額。そしてその下には様々な支出が書かれていますが、これらも気にせずに、一番下のほうに書かれている「当期純利益」を見ます。これが最終的に企業が獲得した利益ということになります。この2つを確認し、その割合を計算すると企業がその期に売上高に対してどれくらい利益を上げたかがわかります。
利益に関する覚え方はそれだけです。そして例えば前の期と比較する、同業他社と比較するなどすると、その企業の利益率の推移や同業他社より利益をあげているかどうかが分かってきます。これで利益面について、立派な経営分析ができたことになるのです。
貸借対照表(B/S)で会社の安全性がわかる
次に、今後も安全に経営しているかどうかを知るために、貸借対照表(B/S)を見ます。この表には、企業がどんなお金をどのようなことに使っているのかが書かれています。そしてここでも細かいことは気にせず、表の右側にある「負債合計」と「純資産合計」だけを見ます。負債とはいわゆる借金で、純資産とは自前で調達した返済不要のお金のことです。企業はこれらのお金を使って設備などを整え、経営活動を行っているのです。
そして、この負債と純資産の割合を見ます。基本的には、負債の割合が少なければ返済や利息の支払いも少ないので、その企業は比較的安全に経営していると言え、負債の割合が多ければ逆に将来借金に苦しむ可能性があるということになります。また、これも前の期や同業他社と比較すると、深く知ることが出来るでしょう。覚え方はそれだけです。これで利益面と安全性について、基本的な経営分析ができたということになったと思います。
以上、経営初心者にもわかる経営分析の簡単な覚え方を紹介してきました。細かいことに気にせず、見る数字を絞るというのが、経営分析の覚え方のコツ。企業の決算資料などを見て、その会社の状況を知りたいと思っている人は、ここで紹介したことを参考にして見て下さい。
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