ベンチャー企業にとって、クラウドを利用することは非常に有効な手段であると言えます。なぜなら、ベンチャー企業はまだ恒常的に利益が出せる体質になっていないケースが大半ですが、そんな場合でもクラウドを使用することによってシステムコストを抑えられる可能性があるためです。
また、クラウドは投資家を集める手段にもなりえます。これまでは新しいプロジェクトや企画をアピールして資金を集める場は限られていましたが、クラウドではそれが飛躍的に簡単になるのです。ここでは、ベンチャー企業がクラウドを活用するための具体的な秘訣をコスト削減と資金獲得の観点から書いてみたいと思います。
リーン・スタートアップ
リーン・スタートアップとは、企業が製品やサービスを開発することでかかるコストをできる限り削減し、最低限のコストで検証を重ねながら製品、サービス開発を行う手法です。
例えば、まだ商品の売上規模が小さく市場に認知されていない場合、その管理は最小限でよいことになります。その場合には最初から大規模なシステムを構築する必要がなく、商品の認知度や売上増加とともにシステム規模を大きくするのが理想です。また、商品やサービスの設計や開発で使用しているアプリケーションなどの中には、その商品やサービスが中止になった場合には使用しなくなるものも多いと思います。あるいは部署ごとにサーバを置いて使用している場合などは、部署が拡大・変更されるとサーバも追加や変更を加えなくてはなりません。
このような企業のケースでは、まさにクラウドが向いていると言えます。アプリケーションやサーバを従量制のものとし、かつその規模も変更可能なものとすることでコストを削減し、必要な時だけ使用する仕組みが作れるようになるのです。
クラウドファンディング
新しい製品やサービスを実行するには、多額の費用がかかります。いくらリーン・スタートアップを行ったとしてもやはりそのコスト負担は大きく、特に財務基盤の弱いベンチャー企業にとっては、死活問題になりかねない可能性があります。
そこで利用したいのが、クラウドファンディングです。クラウドファンディングとは、クラウド上でプロジェクトや商品・サービスなどの提案を行い、それに対して多くの人から少額の資金を出してもらうというものです。クラウドファンディングは企業だけではなく、今では個人なども行う手法となっています。
これを有効に利用し、資金を獲得するというのはベンチャー企業にとって大きな助けになる可能性があります。金融機関などに頼らなくても資金を獲得できるからです。ただしクラウドファンディングは、多数の人から資金提供を受ける以上、計画的に実行してリターンを行わなければ一気に社会的な信用を落としかねません。社会的な信頼を勝ち得るという気概を持って行なう必要があるといえるでしょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう