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企業経営の効率性を把握する上で必要な経営指標のポイント

Shingo Hirono

2014/03/21(最終更新日:2014/03/21)


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by flatworldsedge
 企業経営は、より効率的に行うことが望ましいと言えるでしょう。効率性は、トップダウン、もしくはそれぞれの現場レベルでの努力(トヨタ自動車におけるカイゼンなど)により最終的に財務諸表に反映され、経営指標として現れてきます。

 では、経営上の効率性を把握するにはどのような経営指標を用いるのがよいでしょうか。数ある経営指標の中から、効率性を適切に判断できる経営指標のポイントについて考えてみたいと思います。

「回転率」を見る

 「回転率」とは、企業が経営上必要と判断して投下した資本に対して、どの程度効率よく売上に反映されたか、ということを見る指標です。一般に、この回転率がもっとも効率性を判断する上で適した経営指標であるとされており、「高ければ高いほど効率が良い」と判断することができます。

 具体的な指標としては、総資本回転率(売上÷総資本)、固定資産回転率(売上÷固定資産)などがあります。総資本回転率(売上÷総資本)は、企業が自前で調達した資本(自己資本)と借り入れで調達した資本(負債)すべてに対して、どのくらい売上を上げられたかかを判断する指標。資本すべて(総資本)とは、企業活動のために持っているすべての資本となりますので、この経営指標が全企業活動の効率性を表すのです。

 固定資産回転率(売上÷固定資産)は、企業が事業活動を行うために所有するインフラ(固定資産)に対して、売上がどの程度であったかを判断する指標です。インフラ(固定資産)とは、例えば事業事務所や工場などを指します。これらは企業活動に欠かせないものですが、インフラが整っていても売上が伸びなければ、この経営指標は低いものとなりインフラをうまく生かせていないという判断をすることができます。よって、このインフラを有効活用するために、売り上げを伸ばすための販促活動を行う、もしくは不要なインフラを整理するなどの対処が必要となるのです。

 回転率には、この他に棚卸資産回転率(売上÷棚卸資産『在庫』)、売上債権回転率(売上÷売上債権『未回収の売上』)などがあります。

「回転期間」を見る

 「回転期間」とは、回転率と似た経営指標ですが、総資本や棚卸資産(在庫)などをどの程度の期間で売上として回収できたかを示す指標です。計算上は、回転期間は回転率の逆数になります。また、回転期間は、「短ければ短いほど効率が良い」と判断できます。

 具体的な指標としては、売上債権回転機関(365/売上債権回転率)があります。売上債権回転期間は、売上を現金として回収するのにかかる日数(月数で判断する場合もあります)です。売上回収期間が遅れることは、資金繰りに影響する可能性があるので、特に創業間もない企業などは、特にこの期間を短くする施策が求められます。

 
 ここでは、効率性を適切に判断できる経営指標のポイントを紹介してきました。いずれの経営指標も、業種などによって平均的な数値は異なるため、例えば同業他社との比較し、効率性を判断していくのも良いかもしれません。

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