新入社員が自分の所属する部署へ配属されることになり、同じタイミングもしくは半年後ぐらいに自分が異動になるということはよくあります。そうでなくても仕事の引き継ぎというのはなかなか難しいのに、相手が新入社員ではどうやって教えたらいいのか、その手順に困ってしまうこともあるでしょう。経験のない新入社員への仕事の引き継ぎは、先輩社員としての力量を試される業務です。ここではその手順について、3段階に分けて説明していきましょう。
1. 業務内容資料の作成
相手が同じ部署で、ある程度経験を積んでいる人ならば、口頭での説明で引き継ぎも可能です。しかし新入社員はよほど単純な仕事でないかぎり、それは不可能と考えたほうがいいでしょう。したがって、引き継ぎの最初の手順は業務内容についての資料を作ることです。
一般的には、毎日行う業務、週単位や月単位で行う業務、あるいは数ヶ月に1度の業務、さらにイレギュラーな業務というように、時間を物差しにして、種類分けするとわかりやすい資料になるでしょう。一方で、仕事の重要度という物差しもあります。この2つを組み合わせた形の資料にすると教えやすいですし、相手の理解も得られやすいと思います。これが第1段階の引き継ぎの手順です。
2. メモを取らせながらレクチャー
資料はできれば紙にして、2部作成します。その資料を見ながらレクチャーするのが、引き継ぎの手順の第2段階です。このとき注意したいのが、「自分では当たり前のこと、説明するまでもないと思うことも、省略しない」ということ。特に日常業務について、「そこまで細かく指示する必要はないだろう」というようなポイントが、新入社員にとっては「初耳」というケースが少なくありません。「手取り足取り」という意識でレクチャーするといいでしょう。
相手にはそれをただ聞かせるだけではなく、メモを取らせながら、少しでも分からないところがあればその時点で質問させるようにします。「ひと通り説明した後に、あとで質問を受け付ける」という方法は避けたほうがいいでしょう。ですからレクチャーを始める時に、「どんな小さなことでもいいから、少しでも疑問に思うことがあったら、そのときに質問するように」と、前置きしておくことをおすすめします。
3. 相手から逆に説明させる
レクチャーが終わったら、相手から逆に業務内容についての説明をさせます。これが3つめの手順です。時間がかかる作業にはなりますが、この逆説明をさせることによって、きちんと内容が伝わったかどうかが分かり、「理解できたこと」と「できていないこと」が明確になりますので、引き継ぎの漏れをなくすことができるのです。
以上が、新入社員への引き継ぎの手順ですが、もし可能であれば、セクションの同僚に同席してもらうのがベストです。自分の説明で不足していることを指摘してもらえますし、のちの良好なチームワークにもつながっていきます。引き継ぎを行う際は、ここで紹介したことを意識して行ってみて下さい。
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