「なので」という言葉を使わないように注意されたことがある人もいるのではないでしょうか。
本記事では、「なので」の使い方や、「なので」以外にもビジネスシーンで気をつけたい言葉をご紹介します。
社会人として恥ずかしくない言葉使いができるようになりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 「なので」は話し言葉なので、文語やフォーマルな場面ではNG
- 「なので」を言い換える言葉
- 「なので」以外にもビジネスシーンで気をつけたい言葉
「なので」は話し言葉?口語としてはOKだけれど、文語としてはNG?
ビジネスシーンで「なので」という言葉をあまり使わないように注意されたことがある人もいるのではないでしょうか。
「なので」は、もともと若者の話し言葉として使われていました。
そのため、「なので」は丁寧さを欠くとされており、フォーマルな場面では使わないことがルールです。
フォーマルな場面での「なので」の使用は避けるべきですが、仲のいい友達と話すようなカジュアルな場面で使うことは問題ありません。しかし、会社の人や取引先の相手と話す際やメールやプレゼン資料などを作成する際は、使わないようにしましょう。
- △:午後から雨なので、傘を忘れないように
- ◯:午後から雨が降るので、傘を忘れないように
- △:今日は会食なので、ランチは軽めにしました
- ◯:今日は会食があるので、ランチは軽めにしました
「なので」を言い換える言葉
「なので」は使いやすい言葉であるので、無意識に使ってしまっている人もいるのではないでしょうか。
日頃から「なので」を使わずに、「なので」と同じ意味を持つ「ですので」「そのため」を使うようにしましょう。
「私は〜なので、○○を志望しております」ではなく 「私〜です。そのため、○○を志望しております」のようにフォーマルな文を無意識にでもかけるようになりましょう。
「話し言葉」と「書き言葉」の違い
「なので」は話し言葉なので、書き言葉では使わないと言われますが、そもそも「話し言葉」や「書き言葉」はどういう意味なのでしょうか。
言葉の意味はなんとなくわかるけど、説明はできないかもしれないという人もいるのではないでしょうか。
以下では、「話し言葉」と「書き言葉」の違いをご紹介します。
話し言葉は、書き言葉と比べると、あまり堅苦しくない傾向があります。例えば、「昨日行ってきましたよ!先輩のおすすめのお店」のような名詞が後ろに回る倒置や、「この資料を見る限り〇〇だと思いますが……」のように相手に意図を読んでもらう省略などがある程度許されます。また、「ああ」「はい」「うん」などの感動詞が使われたり、方言が使われたりします。
対して書き言葉では、正しい語順が求められたり、自分の言いたい意図を最後まで相手に伝えたりする必要があります。
書き言葉は何度も読み返すものなので、語順が適当なフランクな文を相手に送った場合、相手は「自分に敬意を払ってくれてない」「自分のために文章を推敲する時間を割いてくれてないのだな」のように思ってしまいます。
そのため、書き言葉を使うメールや書類では、正しい語順を使うようにしましょう。
また、直接話す際は相手が自分の意図を間違って読んだとしても、すぐに訂正できます。しかし、書き言葉の場合は相手が自分の意図をうまく読み取っていてもいなくても、相手が話題について返答しなければ、自分の意図を正確に読み取ってくれたかがわかりません。思い込みから、重大なミスや思い違いに繋がる可能性があります。
そのため、書き言葉では、相手が自分の意図を読み取ってくれると思わずに、しっかりと自分の意志を伝えましょう。
自分の意図を伝える際は、「方言」にも気をつけてください。メールや書類の文書は、その土地の方言がわからない人も読む可能性があります。相手は日々の業務で忙しいので、わからない方言を調べる手間を与えないようにしましょう。
「なので」以外にもビジネスシーンで気をつけたい言葉
「なので」は、話し言葉なので、書き言葉では使わないことをご紹介しました。
「もしかしたら知らないうちに、話し言葉を書き言葉で使っているかもしれない……」と不安になっている人もいるのではないでしょうか。
以下では、「なので」以外にもビジネスシーンで気をつけたい言葉をご紹介します。
言葉遣いに気をつけて、相手を不快にさせないようにしたい人はぜひ参考にしてください。
曖昧な言葉
ビジネスシーンで気をつけたい1つ目の言葉は、曖昧な言葉です。
「なんか」「とりあえず」「〜的な」という曖昧語はいい印象を与えません。曖昧語は意味をぼやかしたい時に使うものなので、ビジネスシーンで使ってしまうと、自分の自信のなさが相手に伝わってしまいます。
特に「的」を使っている人は多いのではないでしょうか。「私的には〜」や「○○的なものです」という言葉遣いはよくしてしまう失敗です。はっきりと「私は〜」「○○です」と言い切りましょう。
また、「もう少し」「だいたい」などの程度を表す言葉にも気をつけましょう。
「だいたい終わりました」と進捗を聞いてきた上司に伝えると、上司は自分の思う「だいたい」を考えてしまいます。上司と自分の「だいたい」の差があることに気づきましょう。
曖昧な表現を使わずに具体的に表すことがポイントです。例えば、上記の例だと「8割程度終わりました。後は、先輩のチェックをいただいて、最終確認をすれば終わります」のように伝えます。
くだけた言葉
ビジネスシーンで気をつけたい2つ目の言葉は、くだけた言葉です。
「この前」「この間」というのも少しくだけた言葉です。これは「先日」や「以前」などと言うようにしましょう。
または「え〜と、○○です」や「あっ、○○です」というように、文頭に「え〜と」や「あっ」と意味のない繋ぎ言葉をつけてしまうと、幼く見えてしまうので意識的に注意することをおすすめします。
「○○です」とはっきりと言い切るだけでも自信があるように相手に見えます。話し方で印象は変わります。いい印象を与えられるようになりましょう。
口語表現
ビジネスシーンで気をつけたい3つ目の言葉は、口語表現です。
敬語でよくあるミスは「貴社」と「御社」の違いです。
面接で使うべきなのは口語表現の「御社」です。「貴社」は記述表現なので、履歴書や書類などで相手の会社を表現するときに使うものです。
話し言葉と書き言葉をごちゃまぜにしていると、一般常識がないように思われがちです。話し言葉と書き言葉は明確に使い分けるようにしましょう。
その他にも、話すときには語尾にも注意が必要です。語尾が上がるような喋り方は若者言葉なので、学生気分が抜けていないと思われます。また、語尾が下がる人もいますが、それもNGです。語尾が下がると自信がなさそうに見えます。
自分の話し方を録音して、「相手をイラつかせてしまわないか」「自信のないように聞こえないか」など確認することがおすすめです。
「ら」抜き言葉
ビジネスシーンで気をつけたい4つ目の言葉は、「ら」抜き言葉です。
日常で何気なく使ってしまっていて、そもそも間違いに気づかないものが、「ら」抜き言葉です。
「ら」抜き言葉は、本来「ら」が必要な言葉を消して使ってしまうことです。
例えば「食べられる」を「食べれる」と言ってしまったり、「来られる」を「来れる」と言ってしまったりすることです。
自力で見つける自信がなければ、WordやGoogleドキュメントなどの校閲を使ってみましょう。自分の間違いがちな言葉を知ることによって、間違いを減らしていきましょう。
「なので」は普段から使わないように注意しておこう
- 「なんで」は話し言葉なので、フォーマルな場所では使わない
- くだけた言葉や曖昧な言葉は使わない
- 口語表現や「ら」抜き言葉に普段から注意する
「言われてみると自分も使ってしまっている……」という言葉遣いがあったのではないでしょうか?
このようなNGな言葉遣いは日常からできるだけ使用を避けることをおすすめします。日常から正しい言葉遣いを心がけ、ビジネスシーンでも活かしましょう。
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