ベンチャー企業を立ち上げ、その成長過程にある会社でよく聞かれることが、どこからか何かが変わった、ぎくしゃくしてうまく回らなくなったなどというマイナスな話です。
ベンチャーを立ち上げる創業メンバーは、皆相当な覚悟とビジョンを持ち、何があっても成功させるという気概を持ってスタートします。
しかし、その創業メンバーの不屈の頑張りによって成長した会社は、その後それまでとは違う縛りなどが必要となり、設立当初とは全く異なった会社経営が求められることになります。
その段階で設立当初の環境を引きずったままだと「何かが違う、こんなはずではない」という感覚が生まれることになります。
創業メンバーはこれまでのやり方とは変わってしまうことに不満を感じ、新しい人員は自分たちのカラーを出せずにとまどうのです。
そんな感覚を生まないためにも、ベンチャー設立当初から必要な、創業メンバーのタイプを考えてみようと思います。
自分のやり方を強要しない人
ベンチャー設立当初というのは、会社はまさに戦場です。
すべての業務をわずか数人が行ない、皆プライドを捨てていろいろな人に頭を下げ自社の事業を展開していこうとします。
できることは何でもやる、それが創業するということです。
そのときの創業メンバーの精神状態は本当にきついものでしょう。
そしてそれが軌道に乗ると、その創業メンバーの考え方、手法が絶対的な「正」となり、しだいにそれらの創業メンバーの考え方が会社の考え方になっていきます。それは、
成功した考え方や手法から抜け出せないのです。
組織が拡大していくまさにその時期に、それがネックとなることが多いのです。
創業メンバー以外の人員に、「ついていけない」と思わせることになってしまうのです。
創業メンバーの頑張り全てをその後入ってくる社員に強要しないこと、これが組織を大きくすることにつながります。
ベンチャー立ち上げの際からこの点を考え「人に自分を投影し、強要しない」人を創業メンバーに加えましょう。
会社の経営経験者
ベンチャーといっても、事業がうまくいけば創業メンバーだけで進めることが難しくなっていきます。
そのとき、創業メンバーがいくら技術やマインドに長けていても、経営には無関心だと組織として成り立ちません。
ベンチャー企業でも1つの組織です。ぜひ創業メンバーに会社経営経験者を加えてください。
そしてその創業メンバーは、大きな会社の出身者で、かつリスク管理経験があり、創業者とその後入ってくるであろう人員の橋渡しとなれるようなバランス感覚を持った人が理想です。
大きな会社の経営経験は、成長期の規律、組織管理に大きな役割を果たしてくれるでしょう。
大変難しいことではありますが、一大決心をして自らを捧げるべく始めるベンチャーです。
創業にあたっては、その後の組織運営を考えた創業メンバーを選んで、社員に対して、そして社会全体に貢献できる会社を目指しましょう。
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