「今の会社を退職したい……」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、退職をする前に知っておきたいことや退職したい旨を伝えるときのポイントをご紹介します。
退職をするか悩んでいる人や退職を決めた人はぜひ参考にしてください。
- 退職を検討するときに知っておくべき3つのこと
- 「会社を辞める」と決意したときの検討ステップ
- 会社を退職することを伝えるときの5つのポイント
退職を検討するときに知っておくべき3つのこと
今の会社に不満があったり、人間関係に悩んでいたりする人もいるのではないでしょうか。
不満をなくすための解決策として「退職」を選ぶ前に、まずは退職をすることが自分にとって本当にいい選択なのかを考えましょう。
まずは、退職を検討するときに知っておくべき3つのことをご紹介します。
1.勢いで決めるのはNG!退職する以外の選択肢がないのか検討する
「もう嫌だ!仕事辞めてやる!」のように、一時的な気持ちで仕事をやめようとしたことがある人もいるのではないでしょうか。
勢いで仕事を辞めることはおすすめしません。急に仕事を辞めてしまうと、収入がなくなり生活に余裕がなくなってしまうからです。
自身の精神状態によっては「退職」について的確な判断ができない場合があるのではないでしょうか。精神的に不安定なときは、周囲の意見に耳を傾けれなくなっているので、重要な判断をすることは得策ではありません。
気分が落ち込んでいる時期や気分が上昇している時期などに、自分の精神が不安定になる人もいるでしょう。精神が不安定になるのは人によってタイミングが違うので、日頃から自分の判断力がどんな精神状態のときに鈍るのか意識しておく必要があります。
勢いや一時の感情で先走って考えてはいないか、辞めたいと何度も考えているうちに、なぜ辞めたいと思ったか、わからなくなる場合があるのではないでしょうか。
実は、辞めたいと思ったきっかけを辿ると、小さなことが原因だったりもする場合もあります。今の精神状態や自分自身を客観的な視点から見ると、「勢いで辞めたけど辞めなきゃよかった…」と後悔することも多いでしょう。
一方、「仕事を辞めたいけれど辞められない……」と一時的な気持ちではなく、ずっと思い続けている人もいるのではないでしょうか。負のループから抜け出せず、今がその判断をするのに良い時期なのかどうかの見極めまで、考えが至らない場合がある人もいるでしょう。そんなときはもう1度、考えを頭から切り離し、自分の状況を客観的に見つめる必要があります。
仕事上の憂慮がある場合は、周囲に相談するのも有効な手です。しかし、仕事の進退の悩みを職場の仲間にするのは気がひける人もいるのではないでしょうか。
職場に適切な相談相手が身近におらず、日常生活に支障をきたすようなことがあれば、パートナーや友達、親や大切な人などに相談することをおすすめします。
2.転職先によっては給料が下がる場合がある
自分の会社の給料に不満を持って会社をやめることを決意した人もいるのではないでしょうか。転職しようとしているのだから給料は上がるはずだと思っている人も多いでしょう。
しかし、転職先によっては全く給料が変わらなかったり給料が下がる場合があります。
給料は、スキルがあるか、実践的に使える人材なのかによって決まります。自分が取得が厳しいと言われている資格を保有していたり業界に名の知れた人であったりすれば、高い給料をもらえることでしょう。
しかし他の転職者と変わらないような技術だったり、資格を確かに保有していても今の業界では役にも立たないようなものであったりすると、給料は高くなることは少ないです。
もし、高い給料はほしいけれどスキルがないという悩みを持っているなら、まずは今の会社でスキルを身に付けたり、資格を取ったりしてみましょう。
しかし、給料が低くなったとしても、考え方次第ではいい方向に転ぶ場合があります。
例えば「今の仕事の残業時間が月80時間で給料が手取りで30万円」だった場合、転職しようとしている所は「残業時間が月20時間で給料が手取りで22万円」だとします。給料が確かに下がってしまいますが、長く勤めるのであれば後者の方がいいと思う人も多いでしょう。そのため、選択次第で今より待遇のいい会社にもめぐり合えます。
3.人生の選択肢は自分にある。後悔しない選択を
転職をすると、会社を辞める手続きや年金・保険などの手続きを行う必要もあります。現実を冷静に、客観的に見つめて、後悔のない選択をしましょう。
生半可な気持ちで仕事を辞めてしまうと「辞めなければよかった」と思ってしまうこともあります。
今の会社を辞めていいのか、辞めるなら今の時期なのか、自分のスキルはどうなのかのように全体的に物事を考えてから行動を起こすことをおすすめします。
「会社を辞める」と決意したときの検討ステップ
いろいろ考えた上で「会社を辞めよう」と決意した人もいるのではないでしょうか。
以下では、「会社を辞める」と決意したときの検討ステップをご紹介します。後悔しないためにも、最後の最後まで自分の選択が正しいのかを考えていきましょう。
STEP1.なぜ会社を辞めたいのかをよく検討する
会社を辞める決意をした後の1つ目のステップは、なぜ会社を辞めたいのかをよく検討することです。
「仕事を辞めたい」と思ったとき、すぐに退職願を提出するのは、おすすめできません。再就職するのにも、大変なエネルギーと時間がかかります。退職の最終決断をする前に少し時間をとって、「改善策はないか」「本当に退職するのがベストなのか」考えてみましょう。
現在の理不尽な職場環境は、変えられないものなのか。それとも、自分の努力次第で、変えられるものなのか、じっくり検討してみることをおすすめします。そもそも会社全体が理不尽で、それが長年の慣例のようになっている場合は、個人の力で仕事の環境を変えることは難しいでしょう。
しかし、自分の部署だけが理不尽、それも上司のせいでそうなっている場合であれば、その仕事の環境を変えることは、不可能ではありません。
この場合は「異動を申し出る」方法があるので人事担当に相談をしたり、異動希望を募っている場合は積極的に活用したりして、改善してみてはいかがでしょうか。
STEP2.会社を辞める前に、頼れる相手に相談する
会社を辞める決意をした後の2つ目のステップは、会社を辞める前に、頼れる相手に相談することです。
「会社を辞めたいが言い出しにくい」といった理由で悩んでいる人は、まず始めに会社の信頼できる人に話して味方になってもらうといいでしょう。
自分では思いつかなかったような改善策や、客観的な視点からのアドバイスをもらえるはずです。こうした「頼れる相手への相談」は、味方をつくるだけではなく、自分の考えを整理をすることにもつながります。
他人に悩みを打ち明けていく中に、自分の考えや気持ちが明確になり、自分が辞めたい理由がはっきりするので、頼れる相手に相談することはおすすめです。
- 退職することへのアドバイスがもらえる
- 味方になってもらえて安心する
- 人に話すことで、自分の考えがまとまる
STEP3.突然会社を辞めるのではなく、まずは「相談ベース」から
会社を辞める決意をした後の3つ目のステップは、突然会社を辞めるのではなく、まずは「相談ベース」から始めることです。
仕事をしている人の中で、養っている家族がいる人は、家庭の安定のために「会社を辞めたい」といいにくいこともあるのではないでしょうか。
ここで避けたいことは、家族に一言も言わずに黙って会社を辞めてしまうことです。会社を辞めたいという気持ちが固まったら、なるべく早い段階で家族に相談しておくほうがいいでしょう。
家族に相談する際に大切なポイントとなるのが、いきなり「会社を辞める」と宣言するのではなく、相談ベースで話を進めていくことです。
たくさん悩み、考えた上で決めた退職だとしても、それを突然伝えてしまうと家族も戸惑ってしまいます。仕事のなにが大変で、どんなことが辛いから辞めたいのか、また退職後はどのように転職活動を行うか、失業にともなう保障はどうなっているのかなど、不安を払拭する情報をきちんと伝えておきましょう。
いずれ話すことになる「会社を辞める」という決断は、多少言い難くとも早めに相談しておくことが大切です。
- いきなり結論を言うのではなく、相談ベースから
- なぜ会社を辞めたいのか、その後どうするかをきちんと話す
相談する人は「狭く・深く」
家族以外にも相談をしたい上司や同僚がいる人もいるのではないでしょうか。
「相談をする」ことは、相手に自分の個人的な気持ちや状況を伝えることです。相談する相手は慎重に選びましょう。
自分の相談内容を漏らさない人や信用できる人を選ぶことをおすすめします。また、多角的な意見は必要ですが、大勢の人に相談することは避けることをおすすめします。
相談する人が多くなればなるほど、自分の相談内容が漏らされるリスクが高まるからです。
また、自分のことをあまり理解していない人に相談しても、あまり参考になる回答は期待できません。しかし、判断に慎重になっている場合は、少しの反対意見にも気になってしまうもの。
判断ミスを避けるためにも、本当に自分が信頼できる人にのみ相談することがおすすめです。
信頼できる上司・同僚、もしくは転職エージェントもおすすめ
誰に相談するべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
直属の上司に相談することは、基本中の基本です。転職が決まって、最終的に相談・報告するのは上司です。その上司が、あなた自身の心境や状況を何も理解できていないところから、いきなり退職の話をされるとなかなか取り合ってもらえない可能性もあります。他社で内定をもらっていても、こうした状況になってしまうと転職の手続きがなかなかスムーズに進みません。
また、仕事の悩み自体を一番理解しやすい距離や関係にいるのも上司です。同僚や部下、あるいは他部署の先輩などは、あなたの状況は理解できても、上司のようにひとつ上の視点から物事を見てくれる人はいないでしょう。上司に転職を相談すると「上司に嫌われないか?」といった意見を持つ人がいますが、本当に部下のことを思う上司であれば、あなたにとってのベストな選択を一緒に考えてくれるはずです。
一方、信頼できる上司・上長がいない人もいるのではないでしょうか。周りに信頼できる人がいない場合は、人材紹介会社の転職エージェントに相談することがおすすめです。エージェントは様々な転職の悩み相談を受けていて、それを解決してきたエキスパートです。
自分と似た立場の他の人たちが、どうやって転職を成功させてきたのかといった様々な知識を持っています。転職するメリット・デメリットを整理できると、転職すべきかどうかの判断軸を持てます。
「自分で思っているほど、今の職場は悪くない」や「今の仕事内容やスキルから見て収入が低いな」といった情報が得られることは転職活動をする上でプラスになります。何より、第三者目線の客観的視点での意見は的確であることも多いです。
また、転職エージェントに相談する際は、出来るだけ包み隠さず悩みを話しましょう。「こんなことを言うのはカッコ悪いから…」とか「恥ずかしいから…」と言って、自分を偽ってしまったら、表面的なコミュニケーションとなり、悩みは解決されません。
転職の悩み相談を一番初めにする人としては、「信頼できる相手かどうか」が大事になります。自ら心を開いて相手に接し、悩みを聞いてくれる人の立場にも配慮することも忘れないようにしましょう。
会社の退職を検討しだしたら、まずは理由別に退職をするのがベストか検討しよう
「会社を辞めたい」といっても、その理由は社風の合う合わないや仕事の内容、人間関係など、悩んでいる原因によって異なるでしょう。
下記では、「会社を辞めたい」と感じる理由ごとに適切な対応をご紹介します。以下の内容を参考に転職するか否かを判断してみてはいかがでしょうか。
給料や業務時間など待遇・条件が理由の場合
まずは、給料や業務時間など待遇・条件が理由の場合の対応をご紹介します。
結果を出していたり、長年勤めているのに給料がなかなか上がらないなど、給料の額は働く人間に取って不満になりやすいのではないでしょうか。
給料に限らず、福利厚生のように「労働に対する対価」に納得がいかない場合は会社・仕事に対するモチベーションも下がってしまうでしょう。
会社からもらえる給料に不満がある場合は、給料アップの方法がないか模索する必要があります。今の部署でキャリアアップするにはどうしたらよいか、できないのであれば部署移動は可能かなど、考え得る方法は一通り検討することをおすすめします。
役職が上がるように成果を出す、ノルマを達成するなど、会社ごとに条件は違えど何かしらの基準があるはずなので、まずはその条件を達成できるよう業務に取り組んでみましょう。
もし、そうした努力の末に「この環境ではこれ以上の給料アップは望めない」と判断したのであれば、今の会社を辞めて転職するのもひとつの解決策です。
ここで注意したいのが、必ずしも転職先が今の会社以上の給料になるわけではない点です。
転職を考える際は、今の会社を辞める前に転職先の給料についてしっかりと調べておく必要があります。給料だけではなく、福利厚生も忘れずに調べておきましょう。
仕事量が理由の場合
仕事量が理由で辞めたいと思っている人もいるのではないでしょうか。
仕事量のバランスは、仕事を続けていく上で重要な判断要素です。「給料が少ないのに仕事量が多い」「周囲と比べて自分だけ仕事量が多い」といった状況では、モチベーションを保ちながら仕事を進めるのは難しいでしょう。
仕事量のバランスに対して不満がある場合は、仕事量の改善・調整を行うことから始めましょう。
自分の許容範囲を越えた業務を受けていないか、また同僚や先輩に任せられる仕事はないかなど、周囲とのバランスを考慮した上で自身の過剰負担を解消する方法を導き出してください。
また、上司に自分の仕事量について相談してみるのもおすすめです。仕事量の感じ方には個人差があるため、第三者の視点を交えて現状を正しく理解することを心がけましょう。
仕事量の改善を行う際は、ただ不平不満をぶつけるのではなく、「代案」「改善策」を用意することをおすすめします。
仕事量が改善されることでどのようなメリットが生まれるかをしっかりと説明できれば、周囲の協力のもと、適切な仕事量に調整できるかもしれません。
仕事量が過剰であったり、関係ない仕事までやらされるのがストレスになっているのであれば、依頼を断る姿勢を見せることも大切です。仕事が自分にとって適切な量になれば、会社への不満もなくなるかもしれません。
仕事内容が理由の場合
次に、仕事内容が理由で仕事を辞めたい場合の対策をご紹介します。
仕事内容は業務上のモチベーションを左右する大きな要因です。仕事内容が想定と異なっていたり、希望していなかった部署への配属が行われたりした場合、仕事内容そのものに不満を持ってしまうこともあるのではないでしょうか。
たとえ人間関係に問題がないとしても、仕事内容に不満があれば辞めたくなる人も多いでしょう。しかし、身を置く環境によっては解決できる場合もあるはずです。「今すぐにでも辞めたい」という状況でない場合は、不満を解決できる方法を検討してみることをおすすめします。
仕事内容をどうしても好きになれないときは、「その業務のなにが嫌なのか」「自分が本当にしたい仕事はなにか」を考えてみましょう。
自分の考えや気持ちを整理したら、上司に現状を相談してみましょう。求めている業務ができるような部署への異動や、担当業務の変更など、なにかしらの手立てをしてくれるかもしれません。
やりたくない仕事を低いモチベーションで続けることは、自分の成長にとっても会社への貢献としても成果が薄くなってしまいます。
そのため、もし現在の会社にいながら「仕事内容に対する不満」が解消できないようであれば、会社を辞めて転職を考えるのもいいでしょう。
人間関係のトラブルが理由の場合
会社を辞めたい理由として、もっとも多く挙がるのが「人間関係の悩み」です。自分に嫌な態度を取る上司や、反りの合わない同僚など、会社にはさまざまな人がいるのではないでしょうか。
長い時間を過ごす職場における人間関係のトラブルは、大きな心的負担になるでしょう。「仕事だから」と割り切ったとしても、一日の多くを過ごす職場の環境は自分に大きな影響を与えます。
職場に自分の味方がいないような辛い状況であれば、会社を辞めるというのもひとつの選択です。
ただ、過去に人間関係が原因で会社を辞めた経験がある人は、自分自身に問題はなかったか振り返る時間が必要なのではないでしょうか。
転職するという選択をする場合であっても、次の職場で人間関係を理由に退職することがないよう、自分の立ち振る舞いを振り返ることも大切です。
また、部署の異動や転勤など、会社を辞める以外の選択肢があれば、希望を出して社内での環境を変えるのもひとつの手です。現在の会社を辞めて新しい職場に行くよりも、リスクが少なく不安も減るのではないでしょうか。
しかし、「周囲にも相談したくない」「今すぐ会社を辞めたい」と思うほどの心労があるのであれば、職場での解決を目指さず、会社を辞めるといった選択を取る方がいい場合もあります。
最も避けたいのは、人間関係のストレスで心や体に不調をきたすことです。人間関係が改善しがたいものであるのならば、体調を崩してしまう前に、自分の体や心にあった対策を行うように心がけましょう。
会社を退職したいのに辞められない理由・不安に思う理由を把握しよう
「会社を辞めたい」と思いながらも仕事を続けている人には、辞められないさまざまな理由があるのではないでしょうか。
会社を辞めたいのに辞められない状況は、精神的にも身体的にも負担がかかるはずです。まずは、会社を辞められない原因となっている要素を洗い出し、何が自分を縛り付けているのかを確認してみましょう。
会社を辞められない理由1.経済的な不安が原因で会社を辞められない
会社を辞められない理由として考えられるのが、「経済的な不安」です。転職によって給料が下がることに対しての不安や、転職先が決まっていない状態で会社を辞めた場合の生活費など、離職にともなう経済的な不安は数多くあるでしょう。
こうした理由から会社を辞められないでいる人は、生活費のような出費について情報を整理し、状況に応じてどれくらいの資金が必要なのかを洗い出すところからはじめることをおすすめします。
転職先が決まっていない状態で会社を辞める人は、失業保険の手続きを行い、保障によってどれくらい臨時的な収入が得られるのかを調べてみましょう。
また、会社に所属しながら転職先を探すのも、経済的な不安を解消するひとつの手段です。忙しさから「働きながら転職活動なんて……」と思う人もいるかもしれませんが、現在はさまざまな転職サービスがあり、空き時間の数分で求人を見れたり、経歴さえ登録すれば転職エージェントからのスカウトを働きながら待つことも可能です。
経済的な理由から「会社を辞めたいのに辞められない」という人は、上記のような対応を行ってみてはいかがでしょうか。
会社を辞められない理由2.周囲への影響が不安で辞められない
会社を辞められない理由が、「辞めることで生まれる周囲への影響」という人もいるのではないでしょうか。
「今すぐ会社を辞めたいが周囲への申し訳なさから辞めれない」という場合は、先述のような転職プランを立て、退職時期を明確にし、余裕を持って会社側に伝えるといいでしょう。
周囲への影響が不安で辞められないのであれば、その理由を一つひとつ解消していくのが最善の手です。上司と相談しながら引き継ぎ業務をこなし、互いにすっきりとした気持ちで退職できるよう心がけましょう。
ただ、「会社を辞めたい」という動機の強さには個々人で大きな差があります。周囲への気遣いは可能な限り心がけたいものです。しかし、本当に仕事が辛く、精神的にも身体的にも苦しい状態であれば、周囲の人ではなくまずは自分の気持ちや体調を優先すべきです。
会社を辞めるという選択は「自分のため」に行うのだという大前提を忘れないようにしましょう。
会社を辞められない理由3.転職活動をする暇がない
転職活動をする暇がないという理由から、会社を辞めることを諦めている人もいるのではないだろうか。
確かに、今の業務に追われながら合間の時間で転職活動を行うのは大変でしょう。
しかし、現在は多くの転職サービスがあり、働きながら転職活動を行うことも難しくない環境が整いつつあります。
今週は、転職サービスに登録してみる。来週は職務経歴書を作ってみる……など、少しずつだったとしても、取り組めることをすることで、確実に変化できます。
時間は自ら作るものだと認識して、毎日の習慣を見直してみるのも方法です。
退職を決意してからするべき3つのこと
「会社を辞める」と決めたとしても、それを実行に移すのはとても勇気がいることです。
退職を決意したならば、最後までしっかりと社会人としてするべき義務をこなし、トラブルを起こさず退職したいですよね。
以下では、退職を決意してからするべき3つのことをご紹介します。
退職を決意してからするべきこと1.退職していいのか改めて冷静に考える
退職を決意してからするべきことの1つ目は、「退職していいのか改めて考えること」です。
会社を辞めるにあたっては辞めたくて辞める人、辞めたくないのに辞めざるを得ない人など、人それぞれ事情があるでしょう。
しかし、会社を辞めることは、あなたの人生に対して大きな変化を生むことになるでしょう。
安易な気持ちで退職し、次の仕事が決まらずに後悔しても、もう前の会社に戻れません。退職の意思を伝える前に、もう一度自分の気持ちを整理してみましょう。
本当に退職するべきなのか、今の会社に残ったほうが良いのかを選択する際に後悔することがないように、しっかりと決意を固めることが大切です。
退職を決意してからするべきこと2.次の仕事に活きるスキルを身につける
退職を決意してからするべきことの2つ目は、「次の仕事に活きるスキルを身につけること」です。
退職をする際には、今よりもステップアップしたいと考える人が多いでしょう。
「何もスキルはないけれど今よりもいい待遇になりたい」というのは難しいもの。転職先の企業に利益をもたらせるような経験・スキルがあることで、待遇を良くすることが叶います。
「転職することにしたから、仕事を頑張らなくてもOK」ではなく、次の仕事でも活かせそうなスキルを身につけることで、退職したあとの次の仕事がスムーズに行えます。
退職を決意してからするべきこと3.業務の引き継ぎを検討して資料をまとめておく
退職を決意してからするべきことの3つ目は、「業務の引き継ぎをきちんと行うこと」です。
退職が決まった場合、業務の引き継ぎをしなければなりません。自分の現在の仕事をこなしつつ、引き継ぎ業務をやることになるため、忙しくなるはずです。
これまで自分用に使っていた資料や情報などをまとめるのには時間がかかるでしょう。
また、引き継ぎは人に教える作業となるため、根気のいる仕事です。
しかし、引き継ぎが不十分だと会社や後任者だけでなく、取引先にも迷惑をかけてしまうことになります。
退職を決意したあとは、最後の仕事である引き継ぎをきちんと行うことを目指しましょう。
- 退職を決意してからするべきこと1:退職していいのか改めて考える
- 退職を決意してからするべきこと2:次の仕事に活きるスキルを身につける
- 退職を決意してからするべきこと3:業務の引き継ぎをきちんと行う
会社を退職することを伝えるときの5つのポイント
会社の退職を決めた後には、勇気を出して退職の意志を伝える必要があります。
以下では、会社を退職することを伝えるときの5つのポイントをご紹介します。
退職の決意を上司に伝えるポイント1.退職したい1〜3ヵ月前には上司に話す
退職の決意を上司に伝える1つ目のポイントは、「2週間前には上司に話すこと」です。
退職を申し出てから2週間を過ぎれば、民法上では会社を退職が可能です。しかし、実際は業務の引き継ぎや担当している仕事などがあるため、2週間よりも早い時期に伝えるべきです。
また、退職について会社の就業規則に規定があるのであれば、就業規則のルールに従いましょう。会社によって2週間前や1ヵ月前などと規定が異なりますが、引き継ぎ期間を考えると、2ヵ月前〜1ヵ月半前に話せるのが理想です。
その際に有給休暇が残っている場合は、消化したい有給休暇分も計算に入れて期間を見積りましょう。
ただ、就業規則の期日は最低限の日数であるため、自分の関わるプロジェクトや会社の繁忙期などと考えた上で、退職の決意を上司に伝えるようにしましょう。
退職の決意を上司に伝えるポイント2.意思を伝える相手は直属の上司
退職の決意を上司に伝える2つ目のポイントは、「意思を伝える相手は直属の上司であること」です。
会社を辞めることを決意したら、退職の意思は直属の上司に伝えましょう。小さな会社では直接社長に話すこともありますが、上司に話しにくい場合を除き、基本的には退職の決意は直属の上司に話すべきです。
上司に辞める原因がある場合は、無理に直属の上司に退職の意志を伝える必要はありません。気心の知れた上司や更に上の立場の人、人事などに退職の意志を伝えましょう。
退職の決意を上司に伝えるポイント3.上司に直接口頭で伝える
退職の決意を上司に伝える3つ目のポイントは、「上司に直接口頭で伝えること」です。
よほどの理由がなければ、退職を申し出る際は直接口頭で相談するのが望ましいです。退職のような大事な内容を、メールや電話で伝えてしまうのはあまり適切ではありません。
退職の決意を伝える際は、勤務時間外に「ご相談があるのですが」のように上司にもちかけましょう。
自分のキャリアプランや将来の目標などを話し、転職を決意していること、退職時期の希望などを伝えて、具体的な退職日の調整を依頼していきます。
何をどういう流れで言うかを決めておけばスムーズに上司と話せるようになります。
退職の決意を上司に伝えるポイント4.退職の意思をはっきりと伝える
退職の決意を上司に伝える4つ目の方法は、「退職の意思をはっきりと伝えること」です。
退職の決意を上司に伝える際は、優柔不断な態度をとるのではなく、はっきりとした態度で臨むことが大切です。
曖昧な態度で退職を申し出てしまうと、上司に「まだ本気で退職したいわけではない」と思われてしまう可能性があります。
たくさん悩んで考えた上で「退職」を選ぶのであれば、強い意志をもって、はっきりとした態度で退職の決意を伝えましょう。
退職の決意を上司に伝えるポイント5.会社の悪口をいわないようにする
退職の決意を上司に伝える5つ目の方法は、「会社の悪口を言わないようにすること」です。
退職を決意する理由が、前の職場の不満だった人もいるのではないでしょうか。しかし、なるべく会社の悪口を言い過ぎないように注意しましょう。
会社への不満を正直にすべて話してしまうと、後ろ向きな人間だと思われたり、上司にネガティブな印象を与えたりしてしまいます。
会社の悪口をいうのではなく、「他にやりたいことが見つかった」のようにポジティブな退職理由で締めくくることをおすすめします。
- 退職の決意を上司に伝えるポイント1:2週間前には上司に話す
- 退職の決意を上司に伝えるポイント2:意思を伝える相手は直属の上司
- 退職の決意を上司に伝えるポイント3:上司に直接口頭で伝える
- 退職の決意を上司に伝えるポイント4:退職の意思をはっきりと伝える
- 退職の決意を上司に伝えるポイント5:会社の悪口をいわないようにする
「人生の選択権は自分にある」自分の心と身体を優先し、会社を辞めるか否か判断しよう
- 退職は勢いで決めずに、よく考えてから行う
- 退職を決意たら、次の仕事に活きるスキルを身につけ、引き継ぎ業務を終わらせよう
- 勇気を持って直属の上司に退職の意志をしっかり伝える
本記事では、退職を検討するときに知っておくべきことや退職の具体的な流れをご紹介しました。
「退職」は今後の人生を大きく変えるものです。そのため、勢いで決めることなく、熟考した上で決めることをおすすめします。
本記事を参考に退職をするか否か、退職を決めた後の身の振り方を考えてみてはいかがでしょうか。
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