退職や異動で今のセクションを離れるとき、後任者との仕事の引継ぎが必要になってきます。引継ぎをスムーズに行うことは後任者だけではなく、仕事に関係するすべての人のためでもあると言えるでしょう。そして、それは「自分のため」にもなるのです。
異動の場合は、違うセクションに移って自分も新しい仕事を覚えなければならないのに、後任者から頻繁に前の仕事に関する質問や相談を受けるようなことがあれば、自分にとってマイナスにしかなりません。また、退職後に前の会社の後任者から連絡を受けるのは、迷惑でしかないでしょう。そうならないために、どうすれば後任者にわかりやすい説明をして、きれいに引継ぎをすることができるかを考えてみましょう。
マニュアル資料の作成
仕事の内容が複雑であったり、多岐にわたっている場合はマニュアル資料を作成すべきです。口頭で説明しても、未経験者にはなかなか理解できないもの。また、間違った情報伝達をしてしまう危険性もあります。何度も同じ説明を繰り返すことを避けるためにも、きちんとした資料を作成し、それを後任者に渡すことをおすすめします。
その資料をもとに、1つ1つの仕事について、口頭で引き継ぎを行うのです。その際、少しでも分からなかったり疑問に思う点について、後任者からどんどん質問してもらい、それを丁寧に一つずつ説明していく。このやり方であれば一度の説明で、引継ぎはほとんど完了します。状況の変化などで、どうしても追加説明が必要になれば、その時にその点についてだけフォローすればいいのです。
わかりやすい説明のための資料作成法
肝心なのは「いかに分かりやすい資料を作成するか」ということです。業務の引継ぎとになるとどうしても、個々の仕事についての細かいマニュアルから考えてしまいがち。しかし経験のない人にとって、それは煩雑で理解しにくい説明になってしまいます。
ですから、まず自分が担当している仕事の大まかな概要を説明し、その理解を得たのちに、個々の小さな要素を説明するといいでしょう。つまり、引継ぎ資料は「大→小」のスタイルで作成していくのです。一番小さな、しかし一番重要な要素は「現在進行中の仕事」及び「近い将来実行することがすでに決まっている仕事」です。この2つの説明は、最後にするといいでしょう。ともすればその2つから説明してしまいがちですが、喫緊の課題は最後に説明したほうが、もっとも印象的に相手に伝えることができるのです。
仕事のマニュアル資料の作成は、一見手間がかかって遠回りな作業のように感じられるでしょう。しかし、引継ぎをスムーズに行うことができれば、その後の無駄な時間をカットすることになりますので、結果として時間短縮に繋がります。手間を惜しまず、最初にきっちり説明し、後任者の十分な理解を得ることはつまるところ自分の「利」になると言って良いのではないでしょうか。
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