現状では、およそ7割の企業が新卒採用の入社前の新人研修を行っています。会社の規模別で見ると従業員が1000名以上いる企業では実施率が7割に達しているのに比べ、300人以下の企業では62%の実施率です。しかし、入社時の新人研修は会社の規模に関わらず、9割以上行っています。
それでは企業が実施する新入研修の適切な内容と期間を説明していきます。
研修の内容
入社前の新人研修の主な目的は「学生から会社員へ意識を切り替える」「モチベーションの維持」です。新卒採用の社員に求めるのは即戦力ではなく、これから会社を盛り立てていく成長の要因としての採用ですので、スキルや業務の早期習得や即戦力化といった研修内容を行っている企業は意外に少ないのです。
入社前の研修では、集合研修と課題・レポートの提出を行っている企業が全体的に多いのですが、業種による違いも目立ちます。
入社時の新人研修の目的も「マインドチェンジ」が最多で、学生気分から社会人への意識改革を促すような内容になっています。
入社時の新人研修は主に「通い型」と「合宿型」の2タイプに分かれます。
「通い型」は企業に定時に出勤して研修を受けるタイプです。
「合宿型」は研修施設に泊まり込んで行う研修で、全体の3分の1ほどの企業が採用しています。有名なところでは自衛隊への体験入隊などがそうです。
職場見学や実習はメーカー系では多く取り入れられていますが、非メーカーでの実施率は高くありません。
合宿型研修は大企業の実施率が高く、通い型は中堅や中小企業での採用が多くなっています。これは、大企業の方が新人の採用数も多く、教育体制を整える余裕があるためです。
適切な研修期間
入社時の研修期間は、企業規模が大きいほど時間が長くなる傾向があります。300名以上の企業では3~4か月がもっとも多く、次は2か月という回答でした。
300名以下の企業では2か月、1か月という回答が最も多い研修期間でしたが、全体の半数以上の企業が1か月以内で研修期間を終えていました。座学、合宿、課題レポートの提出、実習などの研修プログラムをこなせば、やはり1か月程度はかかるということになります。
逆に3か月以上の研修期間を設けている企業も2割以上あります。IT系企業ではプログラム言語習得のためや、仕事に必要な資格取得のためにさらに長い研修期間を設けている企業もあります。
新人の研修内容や期間は企業の規模、主に教育体制によるところが大きいのですが業種によっても大きく差があります。
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