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ポーターの競争理論から見る経営戦略の事例

Kazuhiko Tanabe

2014/03/28(最終更新日:2014/03/28)


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by kevin dooley
 経営戦略における競争理論では、ポーターの競争理論は多く紹介されています。他社よりも低コストで生産や販売を行い、広い市場を対象にした「コスト・リーダーシップ戦略」、性能や品質といったブランドなどで差別化を展開していく「差別化戦略」。そして、特定の市場に限定し競争をしかけていく「集中化戦略」の3つに分類されています。それぞれの業界で有名な企業から、アプローチの異なる3つの競争戦略について見ていきましょう。

コスト・リーダーシップ戦略

 家電量販店大手のヤマダ電機は、コスト・リーダーシップ戦略においても代表的な例として紹介されることが多いです。他社よりも低い価格をどう実現していくかということに注目した戦略がとられています。

 例としては、生産量を増やし固定費を分散させる「規模の経済の実現」や、経験による不良品や失敗の減少といった経験曲線効果の活用です。そして仕入れや価格のコストダウンなど、コスト・リーダーシップ戦略の具体例として挙げられるものすべてを、ヤマダ電機は実現しています。

 家電を売るという商品の差別化が難しい家電量販店ですが、豊富な資源があるヤマダ電機だからこそ、この経営戦略が成し遂げられたとも言えます。

差別化戦略

 ファストフードで有名なモスフードサービスを例に挙げます。マクドナルドやロッテリアと比べると「高いけどおいしい」とイメージする人が多いように、他の企業が持たない特徴を活かした差別化戦略でアプローチをしています。

 例として、2000年前後にマクドナルドが叩きだした低価格商品があります。これを発端に、次々と競合相手も値下げ競争を開始しました。しかしその中でモスバーガーだけは値下げをほとんど行わず品質にスポットをあてた広告・商品を展開して高級路線を進んでいきました。

 価格は高めに設定し、品質の向上をアピールしてきたモスバーガーですが、もちろん差別化戦略ができたとしても独り歩きしているようではいけません。しっかりと顧客が納得できる製品を作ることが大切です。強い意志と、顧客から評価を得られる結果を出したモスバーガーだからこそ、成し遂げられたと言えるでしょう。

集中戦略

 今や世界的に有名な企業となった、ファッショ衣料販売のしまむらがあります。日本でのファッション衣料売上額においてはユニクロに次ぐ2位に位置していますが、店舗数はユニクロの3倍近くあります。

 そんなしまむらは、集中戦略の代表的な存在です。例を挙げると、主婦をターゲットにした特定の市場で他社よりも低いコストで商品を販売していくことに着目し続けています。赤ちゃん・子供・父親・家具・日用品といったユーザーの商品を購入をする可能性が高い主婦、また毎日食材の買い物をする主婦が感じる出費負担の気持ちを汲み取った商品展開やリーズナブルな価格は、そのまま集中戦略と言えます。

 また、しまむらは集中戦略だけでなく社員やパートなど人事における徹底的な接客向上の課題や対策でも有名です。基本に沿った戦略を忠実に実行していくことで、大きな成功を遂げたと言えます。

 このように、戦略にも種類があります。自社にはどういった戦略がマッチしているのか、というところに焦点を当てて経営を見直してみるのもよいのではないでしょうか。

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