企業が新卒採用を企図した場合に考えるのは、「より多くの学生に応募してもらい、その中からより有能な人材を確保する」ということでしょう。応募する学生の数が多くなればなるほど、有能・有益な人材を確保できる可能性が高まるわけです。
それではどうしたら、多くの学生が応募するように仕掛けられるのか、どうすれば学生の心を捉え、興味を喚起することができるのでしょうか。ここでは「採用のキャッチコピー」に取り入れるべき要素を紹介していきます。
「安」という要素
採用のキャッチコピーに入れるべき要素の1つが「安」です。この時代、学生が最もも重要視するのが、安定、安心。どんなにネームバリューがあり、どれほど条件の良い企業に就職しても、その企業が5年後、10年後に倒れてしまうようなことがあっては、「就職は失敗」と言えるでしょう。ですからまず、安全・安心な企業であることをアピールすべきです。
まだ歴史が浅く、実績が十分ではない企業でも「安」をキーワードに、できるだけ「安定」を印象付ける必要があります。「挑む」「進む」「変える」「拓く」というアグレッシブな動詞よりも、「安定」「信頼」「着実」といった「静かな名詞」のほうが、学生の目も留まりやすいのではないでしょうか。
「個」という要素
「義務を嫌い、権利を好む」のが、時代を問わず、若い人共通の傾向です。ただ、昔と今が大きく違っているのは、今は学生が「義務」に関して嫌悪感を抱かなくなっていること。例えば、会社で定められた規定や規約について、それに異を唱えるということはしません。就業規則を忠実に守るのが、現在の学生に共通した性格なのです。
そのため、定められた時間内はサボることなく仕事をします。しかし、終業後の「付き合い」に関しては、「自分にその義務はない。自分には、プライベート時間を自由に過ごす権利がある」とこう考えるわけです。そういう学生にとって、もっとも大切なのは「自分という個」です。その「個」を尊重することをアピールすれば、効果的な採用キャッチコピーが生まれると考えていいでしょう。
タレント・マキタスポーツに学ぶ、3つのキーワード
ここ数年、ひそかに注目を集めているタレントがいます。ミュージシャンであり、オフィス北野所属のタレントである、マキタスポーツ氏。彼の「Jポップ分析」が話題になっているのです。彼はこの20年ほどの「ヒットしたJポップ」を独自に分析。そして、「売れた曲に使われた単語」をランキングしました。ベスト4が、「翼」「扉」「奇跡」、そして「桜」です。このうち「桜」を例外にして、他の3つにははっきりした共通点があります。
それは「抽象的上昇志向」。つまり、若者たちは、漠然とした上昇志向が好きで、同時に自分に都合の良い「奇跡」を夢見る傾向があるということでしょう。これは、採用キャッチコピーを考えるときに、大きなヒントになるのではないでしょうか。
以上、「採用のキャッチコピー」に取り入れるべき要素を紹介してきました。多額の時間とコストを割いて行う「新卒採用」だからこそ、できるだけ多くの学生にアピールするためにも、ここで紹介した要素を取り入れたキャッチコピーを打ち出していくべきではないでしょうか。
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