HOMEビジネス 企業の決算書から「経営指標」を分析する上で最低限知っておきたい用語まとめ

企業の決算書から「経営指標」を分析する上で最低限知っておきたい用語まとめ

Shingo Hirono

2014/03/14(最終更新日:2014/03/14)


このエントリーをはてなブックマークに追加

企業の決算書から「経営指標」を分析する上で最低限知っておきたい用語まとめ 1番目の画像
by ramnath bhat
 3月は決算を迎える会社も多く、決算資料を目にする機会が増えます。興味本位から決算書を見てみたけど、よく分からなかったという人は多くいるでしょう。そこで、決算書を見て、経営指標を分析する上で最低限知っておきたい用語をまとめました。

1. ROA(Return On Assets)

 これは収益性を示すもので、総資産に対する利益率を表しています。資産の有効活用度を測定することが出来るため、固定資産の多い業種を分析する際によく使われます。

計算式:ROA(%)=(当期純利益÷総資産)×100

2. ROE(Return On Equity)

 これは株主資本利益率や自己資本利益率と訳され、株式の持ち分に対するリターン比率を表します。収益性分析で用いられることが多いです。

計算式:ROE(%)=(当期純利益÷自己資本)×100

3. 
自己資本比率

 総資産に占める自己資本(新株予約権、少数株主持分は含まない)の割合を表し、安全性分析で用いられます。一般的には、この比率が高い程、経営の安全性が高いと判断されるのです。

計算式:自己資本比率(%)=(自己資本÷総資産)×100

4. 流動比率

 流動負債(一年以内に返済する負債)を流動資産(短期間で換金可能な資産)でどの程度補われているかを示す指標であり、安全性分析で用いられます。流動比率が高い程短期的な資金繰りに余裕があることが分かり、200%以上が安全性の目安とされています。

計算式:流動比率(%)=流動資産÷流動負債

5. 損益分岐点

 損益がプラスマイナスゼロになる売上高を表します。主に変動比と固定費が区分できる業種において用いられ、事業ごとに固定費を賄うため必要な売上高を求める際に使われる指標です。

計算式:損益分岐点=固定費÷(1-変動比率)

6. 固定比率

 固定資産のうち自己資本で賄われている比率を指し(固定資本は借入でなく自己資本で賄い、事業収益で回収するのが理想であるため)、安全性分析で用いられます。

計算式:固定比率(%)=(固定資産÷自己資本)×100

7. 長期固定適合率

 固定資産のうち自己資本及び長期借入金で賄われている比率を表し、安全性分析で用いられます。この指標が100%以上である場合、流動負債にも依存して固定資産を調達しており資金繰りの厳しい状態であることが分かります。

計算式:長期固定適合率(%)=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

8. 売上債権回転率

 
会計年度期間中に取得した売上債権及び現金(つまり売上高)が、会計年度期末の売上債権残高の何倍あったかを示す指標であり、効率性分析で用いられます。

計算式:売上債権回転率=売上高÷売上債権残高

9. 
在庫回転期間

 
会計年度末時点の棚卸資産額がその会計年度中に販売された棚卸資産額に占める割合を表し、効率性分析で用いられます。在庫回転率の逆数となります。

計算式:在庫回転期間(年)=(棚卸資産額÷売上原価)×100

10. 経常利益率

 経常利益の売り上げに対する構成比を表し、時系列及び他社比較を行うことで会社の事業活動の推移や現状が把握できます。収益性分析で用いられます。

計算式:経常利益率(%)=(経常利益÷売上高)×100

11. 純利益率

 純利益の売り上げに対する比率を表し、会計年度における企業の経営成績を比率で確認することが出来ます。収益性分析で用いられます。

計算式:純利益率(%)=当期純利益÷売上高×100


 以上、
決算書を見て、経営指標を分析する上で最低限知っておきたい用語をまとめました。企業の決算書を見る前に、これぐらいの知識を入れてから見るようにすれば今までとは違った側面から企業を見ることが出来るのではないでしょうか。

hatenaはてブ


この記事の関連キーワード