「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念を掲げるのは、ファッション通販サイトで有名なZOZOTOWNを運営する 株式会社スタートトゥデイです。
「サイズが合わなかったら困る」「通販で服を買うのはカッコ悪い」といったファッション通販のネガティブなイメージを払拭し、今や「ZOZOTOWNで買った」と若者も当たり前のように口にする人も増えてきました。そんなZOZOTOWNから見える経営戦略をご紹介します。
スタートトゥデイのZOZOTOWNとその特徴
ファッション通販を代表するZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイは1998年に有限会社として設立、2年後に株式に切り替わり2007年には東証マザーズへ上場、その後年々収益を上げていきました。
ユナイデッドアローズが惚れ込んだと言われる、オシャレで洗礼されたサイトや、ブランドステータスを守り「通販だから」とネガティブに思わせないそのブランド種類は、ユナイデッドアローズを始めビームス、シップスなど680種類以上にもなります。
そのためユーザーは若者が多く、ZOZOTOWNは百貨店やファッションビルと同じようなステータスを維持しながら、通販の利便性を活用できる通販サイトとなっています。
次々に成功を収める経営戦略
ファッションのネット通販を「安物買い」というイメージから、「ECセレクトショップ」とまで切り替えた経営戦略が強みです。先に紹介したブランドステータスを維持することにより、ファッションに敏感な若者をターゲット絞り込んだ結果、客単価は5万近くと言われています。
先行予約やコラボ商品なども豊富にあり「オシャレだから」と理由で購入を決める若者の厳しい目にも、納得の商品展開が行われています。そしてサイトは口コミやソーシャルネットの導入やビジュアルページの廃止など、作業や購入者共に効率化を上げる作り込み、更に自前で開発・運用する物流のシステム「ゾゾベース」を設立し、検品や撮影画像・サイト登録や出荷までを構築しています。
一見、若者の流行を意識した戦略のように見えますが、その中にもしっかりと基本を押さえた事業戦略があるため、一時の流行りで終わらないのも当然のことと言えます。
脅威を機会に変えたツイッター炎上事件
また、ユーザー層に対応して積極的にソーシャルメディアも活用した経営戦略も行われています。過去にはZOZOTOWNにかかる送料の値段に対してTwitterで不満を言った顧客に対し「それなら買わなくて結構」という批判めいた返答を社長が行ったことで、一時は炎上騒ぎにまで発展しました。
しかしながら、その後は送料無料に変更。炎上騒ぎの後にこの決断を下したため結果的に、その送料無料という情報は大きく知れ渡ることとなりました。まさに脅威を機会に変えたツイッター事件と口にする人も多く、社長自らも戦略の1つだとアピールしたのです。
まだまだ続くスタートトゥデイの戦略
そして最近大きな注目を集めたのは、2013年10月末に開始した、スタートゥデイの新サービス「WEAR(ウェア)」です。こちらは、バーコードスキャン機能を用いたファッションサービスで、アプリをインストールしたスマホで店頭にある商品のバーコードを読み取ると、商品の価格や色展開、コーディネートなど、その商品の多彩な情報が手に入るシステムです。
200以上ものブランドが参加をしているものの、百貨店など十店舗での反応は悪く、売り上げが下がることを懸念されて「撮影禁止」と注意書きを貼るお店から、逆に、大々的に広告を打ち活用を進めるファッションビルも存在し賛否両論に分かれているのが現状です。
まだまだトライアル期間中ではありますが、その動向はファッション業界も大きく関心をよせています。
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