企業経営において、リスク管理の重要性は周知の通りです。というのも、それまでは個々の企業での判断において、その必要性は認識されてきましたが2006年の会社法の施行により、損失の危機に対する管理の整備として、必要を迫られる形になったからです。
そして2008年の日本版SOX法の施行で、財務におけるリスク管理の整備が求められるようになりました。これは、社会的環境の変化によって様々な対処が必要になってきたということです。
そこで、今回は企業経営におけるリスク管理とはどういったものなのか、ということについて紹介していきたいと思います。
1.リスク管理の具体的な方法
経営においてのリスク管理とは、具体的にどのように行うのでしょうか。まずは起こりうるリスクの特定から始めることになります。そのリスクを分析したうえで、発生頻度と発生によって受ける影響の度合いを掛け合わせてリスクレベルをはじき出します。そのリスクレベルに応じて対策を講じる、その一連の作業がリスク管理となります。
2.リスク管理はまだ不十分
法の整備によりリスク管理を求められるようにはなりましたが、その細かな基準などは実際のところ定められているわけではありません。つまり、企業まかせというわけです。震災と津波による被害がいかに大きかったかということからも、それはうかがえます。つまり、リスク管理が不十分であったということです。
これにはふたつの理由があります。ひとつは、起こりうるリスクを把握できなかったということ。もうひとつは、把握できていたとしても、対策が不十分であったということです。長い間デフレが続き、コスト削減が叫ばれる中、起こりうる全てのリスクに対策を立てる十分な費用を捻出することができないという現状もあるでしょう。
けれど、ひとたび災害等が発生した場合には、リスク管理にかける以上の莫大な支出を迫られることにもなります。簡単に言えば掛け捨ての保険のようなものです。何も起こらなければ無駄に終わる。けれどもそのリスク管理によってどれほどの出費が抑えられているかは実感できないという面があります。その意識の切り替えが、必要になってくるわけです。
3.まとめ
企業経営をする上で、何かしらの社会的影響力を持っていることを自覚すべきなのです。つまり、リスクとは自社におけるもののみではなく、社会に対しても持ちうるものだという自覚が必要ということです。
であるならば、リスク管理は企業にとってのものだけではなく、社会に対しての義務でもあることになります。それが、企業活動をする上での責任とも言えます。リスク管理は企業経営するうえで、必要経費とみなすことから始めることが、大切なことであると言えるでしょう。
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