HOMEビジネス 複数の代替案の中から適切な意思決定をするための方法 【逆転の発想でデメリットを精査する】

複数の代替案の中から適切な意思決定をするための方法 【逆転の発想でデメリットを精査する】

Shingo Hirono

2014/03/06(最終更新日:2014/03/06)


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 数ある意思決定の中でも、複数の代替案から1つのことを選択するというのは、多くの担当者が頭を悩ますことでしょう。「勘」や「経験」を頼りに意思決定して、それでうまく行くケースも稀にはありますが、それは一種の「賭け」のようなもの。部下やメンバーにその選択を納得させ、速やかに実行に移すことができるだけの、論理的な裏づけがなければなりません。ここでは、複数の代替案の中から適切な意思決定をするための方法を紹介していきます。

代替案を横に並べて分析・比較する方法の限界

 複数の案から1つのことを選択する場合、それぞれの案の長所と短所、リスクなどをリストアップし、情報の裏づけを確認、分析・比較検討した上で意思決定するでしょう。例えば「A案はスピードという点で、他の案より優れているが、少なくないリスクも伴う。B案は一番リスクが少なく、失敗したとき損失は小さくて済むが、計画実行のためには高度なスキルや対応力が必要とされる。C案は際立った特徴は見られないが、総合的には最もバランスが取れている」といった比較をします。

 また、数値化して評価するというケースもあると思いますが、そうなるとどうしても「無難な案」、このケースでは「C案」が採用されることが多くなってしまいます。そうすると、「無難な案」が果たして最も適切な選択なのか、という問題が生じてしまいます。

「もし選択しなかったら…」を想定する

 そこで、大切になるのが逆転の発想です。「この案を採用したら…」という想定で比較するのではなく、「もしこの案を選択せず、破棄してしまったら…」という前提で、その時に生じるデメリットについて精査するのです。

 先ほどの例で、「もしC案を選択しなかったら…」と考えた場合、おそらく結論は「業績自体に、それほど大きな影響を与えるとは考えにくい」という結論が導き出されるのではないでしょうか。同じようにほかの案についても「もし選択しなかったら…」と想定し、その時のデメリット・失うものについて考えます。

 そうすると、「どの案がもっとも魅力的で、成功した場合の実りが大きいか」が、自然と浮き彫りになってくるはずです。例えば、「B案は高度な実行力が必要ではあるが、もっとも魅力的な方策なので、プロジェクトチームのメンバーの力をあわせてチャレンジしてみよう」といった意思決定が可能になるというわけです。

 つまり、わざと「選択しなかった場合」というマイナスの発想をすることで、プラス思考の意思決定に繋げていくのです。

 
 以上、複数の代替案の中から適切な意思決定をするための方法を紹介してきました。代替案を横に並べて「どれが一番良いか」と考えても、明確な答えを導き出すことはなかなか出来ません。短時間で適切な意思決定をするためには、こうした「逆の想定」をしてみることも効果的なのではないでしょうか。あるいは、1度、常識的な比較検討をして「仮の決定」をした後に、この発想による再チェックをしてみるのも良いでしょう。

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