HOMEビジネス 【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは

【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは

Chie Nakamoto

2014/02/28(最終更新日:2014/02/28)


このエントリーをはてなブックマークに追加

【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは 1番目の画像
 IT業界の進化が進む中、農業もIT化する時代がやってきました。これまで農業は、収入の割に生産コストが高く、災害などの影響も直に受けるためその年が終わるまで成果がまったく不確定というアナログ感が否めませんでした。将来が不安定な農業から若者はどんどん離れていき、深刻な人手不足と高齢化に悩まされていた近年の日本の農業。そんな農業に今、ITが導入されたことでそれが起爆剤となり、農業のビジネス化が急速に進んでいるのです。ITを農業に取り入れた農業ビジネスは、これまでの農業の悩みであった生産コスト管理や作業効率を格段に飛躍させたのです。そのため、このままIT農業が市場に参入すれば、2020年にはその市場規模はなんと今の9倍の580億~600億円にまで到達すると予想されているのです。そんなIT農業の実態と内容とはいったいどのようなものなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

農業のIT化とはどんなものか

 まず、農業にITはどのような形で導入されているのでしょうか?その例を見ていきましょう。

【栽培支援システムの導入】

 農業の栽培時の負担を軽減させるために、栽培支援システムが導入され始めています。栽培支援システムでできることは以下のようなことです。

■センサーやカメラを使用して、環境データ・画像の収集ができるようになった
■作業員の入力による作業履歴の管理の効率化
■収集データ・履歴情報の見える化の実現
■遠隔モニタリングを可能に
■データ分析による最適な栽培方法のマニュアル化
■ハウス栽培の設備の自動制御
■現場作業員への作業指示をパソコン・タブレット・スマートフォンを通して行うことが可能に

【農業クラウドサービス】

 生産から販売までの流れをサポートするクラウドサービスがあります。農業クラウドサービスができることは以下のようなことです。

■経営分析・生産技術・販売・物流・融資などの情報を提供し、必要に応じてマネジメントを行う。
■生産から販売までの流れをデータ化し、見える化することによりこれまでの無駄を省き、農業全体の作業効率・生産率を上げることが可能になる。

 上記のように、これまで全てを人手により行っていた部分の一部をITを利用することにより、現場から片時も離れられなかった農家の人々の負担軽減、人件費の軽減、作業効率・生産率アップなどにつながるのです。

IT導入による成果

 農業がITを導入することにより実際にどのような成果が表れるのでしょうか?その成果例をご紹介します。

「ZeRo.agri」システム導入で人件費削減・収穫量アップ

【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは 2番目の画像
画像出典:
https://www.routrek.co.jp/var/rev0/0000/1840/2013108144817.pdf#search='ZeRo.agri'

 「ZeRo.agri」システムとは、日本マイクロソフトが中心となり共同開発された、タブレット操作ひとつでビニールハウス内の作物が必要な時に必要な量だけ培養液供給が行えるシステムです。
ZeRo.agriは、
・タブレットひとつで管理ができるようになったことで人件費削減
・今まではビニールハウスから片時も離れることができなかった経営者の負担減
・適切なデータ管理による収穫量のアップ
を実現させました。

「Akisai」システム導入により作業効率・売り上げアップ

【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは 3番目の画像
【ITが農業の生産コストを半分以下に!】日本の農業を変える大注目のIT農業とは 4番目の画像
画像出典:https://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/agri/

 富士通が開発した「Akisai」は、露地栽培、施設園芸、畜産などの農業全般においての経営・生産・販売までの全ての流れを包括的に支援するクラウドサービスです。Akisaiがもたらした効果は、
・システムによる適切なデータ管理で作業効率・売り上げが向上
・これまでの非効率な作業の改善
・データによる作業工程の見える化でノウハウを蓄積できるようになり、異業種からも新たに農業に参入しやすくなった
ということです。

農業のIT化による今後への期待

 農業のIT化が今後農業にどのような進化・変化をもたらしていくのでしょうか?現在の日本の農業で必要とされていることは、農業従事者の高齢化と後継者不足をIT化により解消し、さらにそこから農業の高効率・高収益を目指すということです。上記に紹介したような「ZeRo.agri」「Akisai」のような栽培支援システム・農業クラウドサービスに加え、農作業ロボットの開発などIT業界の農業参入は今後さらに拡大し、それにより農業の効率化・高収益は確実に実現するであろうと考えられます。IT農業が日本の新しい農業再生への確実な役割を担っていくことは間違いありません。


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード