現代社会ではあらゆる場面で意思決定が要求されます。意思決定ひとつで未来がきまってしまうことも珍しくありません。個人としての判断はもちろん、企業経営や組織運営においても意思決定は非常に重要な意味を持ちます。これからの行動指針を左右する意思決定を行う場合、あらかじめ目的を明確にしておくことが求められます。今回は、組織運営上の意思決定における目的の重要性について解説します。
【1】協力体制の確立
組織で何かを成し遂げようとする場合、構成員が一丸となって事態に対処する必要があります。構成員の意識がバラバラのままでは組織内での連携が取れず、力を十分に発揮することができなくなってしまいます。構成員の意識を一つにまとめて意思決定を成功に導くためには、目的を明確にしてことが求められます。目的が明確にされることで、構成員一人一人が目的達成のために果たすべき仕事や役割を理解し、組織運営が円滑化されます。
【2】仕事の最適化
目的を明らかにしないまま構成員に意思決定を行うと、構成員は何のための仕事なのか理解しないまま仕事に従事することになります。仕事に遂行する時は、担当者の工夫やアイデアによって作業効率が改善されていくものですが、目的を明らかにしないまま意思決定が行われている場合では、どのように改善すればよいのかという理想的な状態がつかめず、仕事の最適化が停滞することになってしまいます。目的が明確に示されることで担当している仕事の意味と目的を理解し、目的達成のための最適化が現場レベルで進むことになります。
【3】モチベーションの向上
人間は、意義の見いだせない仕事には意欲が減退してしまいます。組織運営上の意思決定は、単に方向性を決める決断というだけではなく、構成員を導く行動指針でもあります。最善の判断であるのは当然ですが、意思決定をすればいいというものではなく、構成員のやる気を引き出すものであることが求められます。
目的を示さずに意思決定が行われ、何のための仕事なのか理解しないまま働いている状態は、いわば暗闇の中を目的地も知らされずに歩いているのと同じ状態です。未来がわからないことほど不安な状態はありません。この仕事を成し遂げるとどんな成果がありどのように状態が変わるのか、意思決定を成功に導くには何をすればいいのか、具体的な目的を示すことでそれらの疑問に対する回答になります。
明確な目的を示すことができれば、仕事に対するモチベーションも上がり、組織の運営効率も向上します。組織運営では意思決定は運営主体によって行われる必要がありますが、なぜそのような意思決定が行われたのかという理由については構成員が共有しておかなくてはいけません。
目的を明らかにすることで意思決定の理由が理解され、構成員に組織の一員としての自覚が生まれます。このことを頭に入れて目的を明確にし、意思決定するように心がけましょう。
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