意思決定をする際に基準となる指標には、どのようなものがあるのでしょうか。まず有名なのが確率です。意思決定は、その結果起こりうるリスクとそれに対する効果の比率などを参考にすることが多いと思います。つまり、これまで行った意思決定における様々な結果をデータにとり、その中からより良い結果を出す確率の高いものを選ぶということです。その他にももうひとつ、意思決定をして実際に行動する中で操作可能なものとして取り上げられる指標が KPI( Key Performance Indicator=重要業績評価指標 )です。そのKPIを上げることにより、より良い結果に結びつけるという考え方があります。そこで意思決定における基準の指標として、KPIを考えてみます。
データ分析のみでは見えないものがある
最初に意思決定の基準となる指標に、確率があることを述べました。それはすでに実行している経験から導かれたものであり、その実行に至る道筋については特に指標となるようなものは設定していません。つまり、総当たり的な考え方で色々と試してみる中で当たりを探すということです。これは決して効率の良いものではありませんし、良い結果に結びつく確率の高い選択肢が選ばれたとしても果たしてそれが一番良い方法なのかは確かめる術がありません。
KPIを探す
一方、その意思決定をして行動に移してからどんな要素を操作すればより良い結果に結びつくのかを探ることができれば、無駄に多くの選択肢を選んで確率を調べる必要はありません。KPIを調べる上で把握しておくものは、外的要因と内的要因との相関関係です。
たとえば、外的要因はある商品における各社のシェア、内的要因は自社の商品価値そのものです。そして、確率からの考え方としては、今まではコストを抑えてより安い商品開発をすれば売り上げを伸ばしシェアを上げることもできたならば、それがより良い結果に結びつく選択肢と判断して、今回も同じ手法でいくことにするといった具合のことです。
実際には、安い商品を開発したことと売り上げが伸びたことの関係性は、その理由がはっきりしているわけではありません。その商品を必要としている年齢層がたまたま、より安いものを望んでいただけかもしれません。とすれば、異なった年齢層をターゲットにした商品で同じようにしても、同じように良い結果に結びつくかはわからないということになります。ここで調べることは、どの年齢層はどんな価格帯の商品を望んでいるのかということです。つまりそれこそがKPIであり、意思決定に必要な指標というわけです。
このKPIからフィードバックして選択肢を選ぶことにより意思決定をする。それこそが、より効率良くより効果的な結果に結びつくのです。
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