1つのプロジェクトの意思決定は、合議制で行われるのがふつうです。最初から1人が意見を決めるのではなく、プロジェクトチームのメンバーが合議制で意見を出し合い、最終的に意思決定するという流れです。その際に発揮すべきリーダーシップとは何でしょうか。
リーダーシップというとどうしても「ぐいぐい引っ張っていく」というイメージが強いと思います。しかし、ただ強い力で引っ張っていくだけでは正しい意思決定はできません。ここでは、あるべきリーダーシップの3箇条を説明します。
まずは聞き役に徹する
「リーダーシップ」にこだわりすぎると、リーダーが最初から自分の意見を強く主張し、その流れの中で話し合いが行われることになってしまいます。つまり「最初から答えは出ている」ことになり、合議制の意味がなくなってしまうのです。
そうしたことにならないように、まずはメンバーそれぞれの意見を平等かつ客観的に聞くことが大切です。この「冷静に聞く」というのが、最初の段階で重要なリーダーシップになります。ただ聞き役に徹するのではなく、それぞれの意見に対する疑問点や確認すべき事項について、あるいは意見のもととなる情報について的確に指摘するのもリーダーとしての仕事です。
自然な形での意思統一をめざす
ミーティングが繰り返されて意見が出し尽くされれば、最終的な意思決定のフェイズになります。そうなると、多くの人が多数決をとるというケースが多いでしょう。しかし、多数決は議論が煮詰まってしまい意見が分かれて結論が出せない場合の最終手段です。理想的な意思統一のありかたは多数決ではなく、意見を出し合って議論を尽くす中で自然に意志が統一されるというスタイルなのです。
そのため、最初から「最後は多数決で」と考えるのは、間違ったリーダーシップの在り方と言っていいでしょう。活発な議論を誘発し、その流れに沿う形で1つの意思に集約されていくようにその道を作っていくことこそが、あるべきリーダーシップなのです。
その際に気をつけなければならないのは、自分が想定した結論へ向かってそこへ導いていくことです。1人1人のメンバーの主張を尊重すると同時に意見を集約できるよう、やわらかな指揮棒を振るのがリーダーだと言っていいでしょう。
タイミングを考えて決断する
意思決定にはタイミングが大切です。いくら議論を出し尽くすことが重要とは言っても、なかなか結論が出せないままいつまでも議論をくりかえしていたのでは時間の無駄になってしまいます。
結論を出さなければいけない場合は事前にタイムリミットを想定して、できるだけ早く意思統一を図ることも大切です。その「タイミング」を決断するということが、合議制の意思統一におけるリーダーシップの最終段階なのです。
以上3点「まずは聞き役になる」「自然な意思統一をめざす」「最終的なタイミングを決断する」ということ、これがあるべきリーダーシップの3箇条です。意思決定をするときにはしっかりと意識するようにして下さい。
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