1/30(木)に行われた appC cloud主催の「非ゲーム系アプリビジネスモデル最前線!」。このセミナーはタイトル通り、「非ゲーム系アプリ」にフォーカスを当てた開発者向けのセミナーです。200名弱の参加者が目黒のAmazonアルコタワーに集まり、豪華ゲストスピーカーの話に熱心に耳を傾けていました。
■ゲストスピーカー
・株式会社ディー・エヌ・エー 川崎 渉氏
・株式会社ドワンゴコンテンツ 山﨑 淳氏
・アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 今野 芳弘氏
・マネーツリー株式会社 マーク マクダッド氏
・カイト株式会社 中田 真貴氏
・Lean Startup Japan LLC 和波 俊久 氏
今回は、そのイベント当日の講演内容を一部ご紹介します。
マンガボックスのビジネスモデル・企画・UI(株式会社ディー・エヌ・エー)
2013年12月にリリースしたのち、たった2ヶ月間で200万ダウンロードを突破。瞬く間にヒットアプリの仲間入りをしたマンガボックス。そのマネタイズやプロモーションについて紹介されました。
マンガボックスとは?
1日8万DLを達成したプロモーション戦略
マンガボックスのプロモーションは大きく2つに分かれます。
1. 広告によるプロモーション
テレビCMを流し、ユーザーを獲得するという手法。CMを作るにあたって、 サービスのコンセプト×コンテンツをわかりやすく伝えることを意識したとのこと。それにより、「コンセプト(=マンガが無料で読める)を、マンガの登場人物がセリフとして喋るという非常にユニークなものに仕上がりました」と川崎氏は語ります。
この戦略が功を奏し、 1日のダウンロード数が2万DLから8万DLへと爆発的に増加。結果的には、テレビCMでの顧客獲得単価が1番安かったとのこと。
2. 口コミによるプロモーション
マンガボックスは決まった曜日に新しいコンテンツが配信されます。ただ、通常であればまだ読むことのできないコンテンツでも、マンガボックスの情報をソーシャルメディアでシェアすることで「先読み」することができます。
これによって、世の中に マンガボックスの情報を拡散させ、費用をかけずとも新しいユーザーの獲得に繋がっているとのこと。
未来を見据えたビジネスモデル
200万ダウンロードというヒットアプリの仲間入りを果たしているマンガボックスですが、実はマネタイズをまだ一切行っていません。
とにかく今はアクティブユーザーを増やすことに重きを置き、ある程度コンテンツが蓄積した段階で電子書籍や単行本として販売する計画と川崎氏は語ります。また、映像化やゲーム化も視野に入れているそうです。慌ててマネタイズに走るのではなく、長期的に戦略を練ってのマネタイズを考えています。
ニコニコ動画のビジネスモデル・アプリ最適化(株式会社ドワンゴコンテンツ)
株式会社ドワンゴコンテンツは、株式会社ドワンゴの子会社であり、デジタルコンテンツ事業・ソフトクリエイト事業を行っています。言わずと知れた「ニコニコ動画」の企画やサイト運用を行っており、今回はニコニコ動画のアプリ最適化やマネタイズについてお話されていました。
端末によってデザインが異なるスマホ版niconico
元々PCから始まったniconico。時代の流れに沿って、現在スマートフォン上ではAndroidアプリ/iOSアプリ/Web版を展開しています。
上記の写真を見てもわかるように、 端末によってデザインを変えています。これは端末によるユーザーの嗜好を考慮してのこと。
Webに最適化しているものの、iPhoneのSafariでは動画にコメントが載せられないなどの理由でWeb版のiPhoneユーザーは少ないそうです。iOSアプリは累計1000万ダウンロードを突破しており、スマートフォン事業で最も先を走っています。
niconicoにおけるスマートフォンの存在
スマートフォンのシェアは年々増加しており、新規ユーザーの半分がスマートフォンからとなっています。以前はPCから利用するユーザーが多かったniconicoですが、近年はスマートフォンでしか利用しないユーザーが増えています。また、ユーザーの年齢も下がってきており今では10代が高い比率を占めています。
これからはスマートフォンが鍵になる!
新しいライトなユーザーの増加により、PCではなく場所を選ばずに手軽に利用可能であるスマートフォンがサービス発展に大きな影響を与えると山崎氏は語ります。
また、サービスにユーザーをいかに「参加」させていくかが非常に重要となっています。 ユーザーに「参加」してもらうことによってサービスのファンを生み、収益を生んでいきます。
この2点はniconicoに限らず、色々なサービスにも共通することでかもしれません。特に、「ファンを生む」ということにについては開発者が頭を悩ませることの1つであり、いかにユーザーを参加させるかがサービスの明暗を分けると言っても過言ではありません。
特別な特典を用意し、課金会員に!
niconicoの収益の柱となっているのが広告とプレミアム会員と呼ばれる有料会員。今回はプレミアム会員の収益についてフォーカスを当てて話されました。
プレミアム会員は、以下ように多くの特典が用意されています。
・高画質再生
・読み込み速度が早い
・終了した生放送番組が後日視聴可能
・生放送の配信
・バックグラウンド再生
どれもユーザーにとっては魅力的な特典ばかりで、ユーザーにとってもniconicoにとってもメリットがあると言えます。
プレミアム会員は2つのパターンが存在します。1つ目は毎月更新700円、2つ目は毎年更新6400円。
金額設定については、下記のように変動をしてきています。
・2011年:90日2000円
・2013年9月:30日600円
・2013年12月:毎月更新700円、毎年更新6400円(Auto-Renewable Subscription 定期購読型 対応)
月額会費の600円から700円へ値上げを行いましたが、ユーザーからの苦情など反響は少なかったものの入会数には影響が出たそうです。
年間購読は1ヶ月あたり533円と月額課金よりお得になっており、iOSユーザー課金の1割が年間購読を選択しています。また、年間購読が初めての課金というユーザーも存在しています。
定期購読型対応にあたり、開発者を悩ませたのがAuto-Renewable Subscriptionの審査が非常に厳しかったこと。 明文化されていない仕様が多く審査にも時間を要したそうです。
非ゲームアプリの費用削減からマネタイズまで(カイト株式会社)
最後にお届けするのが、本セミナーの主催者でもある appC cloudを運営しているカイト株式会社のお話です。
appC cloudは開発者を「ハッピーに!」を掲げてサービスを運営しています。 驚くことにサービスの利用料金は無料。アプリ内の広告収益を最大化させる方法についてお話いただきました。
appC cloudとは?
ありそうでなかったスタイルの広告を実現!
appC cloudを利用することで多くのメリットを得られますが、大きなメリットとして 「広告収益の最大化」が挙げられます。
従来のアプリ内広告と言えば、アプリに広告デザインがマッチしておらずデザインにこだわって作ったアプリが台無しになってしまうものばかり。開発者にとっても、アプリのユーザーにとってもデメリットを与えてしまっていました。しかし、appC cloudのマッチアップ広告はこの問題を一発で解決してくれます。
このように、アプリに自然な形で組み込むことが可能です。 デザインは自由に設定でき、アプリに馴染ませられるという今までありそうでなかったスタイルを実現しています。
これによって、ユーザーに違和感なく広告を表示させられ収益にもつなげられます。実装した事例でも 「クリック率 5.8%、インストール率 30%、クリック単価 45円」という数字を記録しています。
開発者泣かせの面倒な作業を一挙解決
「プッシュ通知」を実装したいというアプリ開発者は少なくありません。しかし、残念なことに実装のためには非常に複雑な多くのコードを書く必要があります。そのため、途中で挫折してしまい実装に至らないというケースも多く見られます。
appC cloudを使うことで、 この面倒な作業を1Liner(1行)で行えるため時間と手間の大幅な削減が可能。
アプリをヒットさせ、マネタイズを成功させるために
今回ご紹介した「マンガボックス」と「niconico」に共通しているのが、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供し続けるということ。ユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供することにより、口コミでの新たなユーザー獲得ができ、結果的にマネタイズに繋がっていきます。
そのためにも、「ユーザーが何を求めているのか」を常に考えサービスに取り入れていく必要があります。また、やみくもにマネタイズをするのではなくマネタイズの方法や利用するツールの選定も慎重に行うことをおすすめします。
▶今回のイベントの主催者であるカイト株式会社が提供する、アプリ収益化支援ツール「appC cloud」の公式サイトは こちら。
アプシークラウド[appC cloud] プッシュ通知も無料、アイテム課金も簡単実装できる。
アプリ開発者をハッピーにするクラウドサービス。アプシークラウドを利用しています。
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