転職活動で応募書類を送る場合、履歴書・職務経歴書の他に「添え状(送付状)」を一緒に同封することがマナーとなっています。
本記事では、転職活動で採用担当者が最初に目にする添え状の書き方と送り方についてご紹介します。
添え状を書くことに不安がある人はぜひ参考にしてください。
- 履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」とは?
- 履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方6構成
- 送付状(添え状)で注意したい3つのポイント
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」とは?
履歴書・職務経歴書に同封する送付状について、初めて知った人もいるのではないでしょうか。
初めて送付状の存在を知った人や送付状をよく知らない人のためにも、まずは「送付状」とはなにかについて詳しくご紹介します。
送付状の役割を正しく理解して、相手にわかりやすい送付状を書けるようになりましょう。
送付状は、挨拶と表書きの役割がある
ビジネスシーンにおける送付状とは、封筒に入っている書類の種類や枚数などを記載するものです。
一方で、転職活動における添え状は、履歴書や職務経歴書を送付する際に同封するものです。
挨拶と自己アピールを兼ねた「面接の機会を与えて欲しい」という文言を記載するのが、転職活動における送付状の基本です。
転職時にはビジネスマナーが身についているのか確認の意味もある
また、履歴書・職務経歴書を郵送するときに送付状を同封することで、ビジネスマナーが身についているという印象を与えられます。
送付状そのものは採用可否に直結するものではありませんが、添え状を同封することがビジネスマナーという社会人の大切なスキルのアピールに繋がるのです。
送付状をマナーに則って書くことで、相手に好印象を与えましょう。
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方6構成
添え状とは発送書類(履歴書や職務経歴書)に添付する書類のことで、あいさつと自己アピールに加えて、「面接の機会を与えてほしい」という希望も書くものです。
履歴書・職務経歴書に同封する添え状の構成は、以下のとおりです。添え状を書き始める前に、まずは添え状に書くべき内容をチェックしておきましょう。
履歴書・職務経歴書に同封する「添え状」の構成
- 挨拶文
- 応募ルート
- 応募書類の中身
- 応募の動機や自己紹介
- 面接の依頼
- 頭語・結語
それでは、添え状の構成順に書き方を丁寧に説明していきます。
構成1.挨拶文
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方1つ目の構成は、挨拶文です。
添え状の書き出しは、ビジネス書同様に挨拶文から始めましょう。
挨拶文はビジネスシーンでよく使用するような文言で問題ありません。
【例文】添え状の挨拶文
- 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
- 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
また、季語を含めた挨拶をしても相手に好印象を与えられるでしょう。3月の場合だと「早春の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」のように書きます。
構成2.応募ルート
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方2つ目の構成は、応募ルートです。
挨拶文の次には、今回の求人を知ったルートの説明をします。転職サイトで情報を得たのであれば、下記のように記載しましょう。
【例文】添え状に「応募ルート」を明記する場合
- このたび貴社が転職情報サイト〇〇に掲載されていました☓☓職の求人情報を拝見し……
転職情報サイト経由ではなく、コーポレートサイトなどからダイレクトに応募する場合は、突然の書類送付の失礼を詫びる言葉を必ず入れましょう。
構成3.応募書類の中身
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方3つ目の構成は、応募書類の中身です。
応募ルートについて明記した後は、履歴書と職務経歴書を送ったことを一言書いておきます。添え状「応募ルート+応募書類の中身」の書き方は以下のとおりです。
【例文】添え状「応募ルート+応募書類の中身」の書き方
- このたび貴社のコーポレートサイトに掲載されていました☓☓職の求人情報を拝見し、ぜひとも応募させていただきたく、履歴書と職務経歴書をお送りいたします。
構成4.応募の動機や自己紹介
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方4つ目の構成は、応募の動機や自己紹介です。
添え状には応募動機や自己紹介についても明記しますが、だらだらと長文で書くことは避けましょう。それぞれの詳しい内容については履歴書や職務経歴書に書くので重複してしまうと、「同じことしか書けない」「内容が薄い」という印象を与えてしまいます。
送付状に応募動機や自己紹介を書く際は、履歴書・職務経歴書と矛盾しない内容を簡潔に記すことを意識しましょう。
構成5.面接の依頼
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方5つ目の構成は、面接の依頼です。
転職活動における添え状は、面接依頼の一文を書くためのものといっても過言ではありません。
「ぜひ面接の機会をいただきたくお願い申し上げます」というように、依頼文をしっかりと書きましょう。
面接で直接会話をしてみたい、という意思表示をすることが大切です。
構成6.頭語・結語
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の書き方6つ目の構成は、頭語・結語です。
通常のビジネス書と形式は同じであるため、添え状にも「拝啓・敬具」といった頭語・結語は必要です。
また、添え状を書く際には、誤字脱字をしないことや書き損じた場合は訂正するのではなく、最初から書き直しをするなど気をつけるべき点が何点かあります。
手書きで添え状を作成する場合は、書き損じ対策として鉛筆やシャープペンシルなどで下書きをしてから書き始めることをおすすめします。
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の例文
履歴書・職務経歴書に同封する添え状の書き方について解説してきたが、実際に例文を見てみないとわからない点もあるでしょう。
添え状のレイアウトについては、下記の画像を参考にしてみてはいかがでしょうか。
添え状に記載する文面についてはいくつか例文を用意したので、そちらをチェックしてください。
【文例①】添え状の内容文
- 拝啓 貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび貴社のコーポレートサイトに掲載されていました営業職の求人情報を拝見しました。早速ご応募させていただきたく、履歴書と職務経歴書をお送りいたします。
私は現在、☓☓株式会社で営業職として4年間勤務しております。主に〇〇製品の法人営業を担当してまいりました。貴社が募集している〇〇サービスにおける法人営業担当にて、今までの経験を生かし、貢献していきたいと考えています。
つきましては、ぜひとも面接の機会をいただけますよう心よりお願い申し上げます。何卒よろしくお取り計らいくださいますよう、お願い申し上げます。敬具
【文例②】添え状の内容文
- 拝啓
時下ますます御清祥の御事とお慶び申し上げます。
今般の貴社求人募集に応募させていただきたく、ご指示いただきました下記書類をお送り致します。御査収賜れば幸いです。
なお、履歴書にもありますように、私は○○職の経験を長く積んで参りました。特に××に関しましてはセクションの長を務めた経験がございます。その経験をぜひ貴社で生かしたいと切望いたしております。宜しく御検討賜りますよう、お願い申し上げます。 敬具
上記の6つの構成が守られていることを確認してみましょう。構成が守られていると挨拶や本文の内容が違っていてもまとまりがあるように見えます。
送付状(添え状)で注意したい3つのポイント
ここまで添え状の構成をご紹介しました。送付状の書き方は理解できた人も多いのではないでしょうか。
以下では、送付状(添え状)で注意したい3つのポイントをご紹介します。送付状を書く前に以下のポイントを押さえてください。
ポイント1.自己PRや実績をアピールする
送付状(添え状)で注意したい1つ目のポイントは、自己PRや実績をアピールすることです。
履歴書では、字数の関係で書けなかった自己PRや実績を簡潔にわかりやすく書くことで、履歴書を読む前から好感をもってもらえるでしょう。
履歴書に書いたことと同じことを書く必要はありませんが、同じ内容を違うようにアピールしてみてもいいでしょう。
送付状で自己PRや実績をアピールできないと、他の人と比べて相手に伝えられる自己PRや実績が少なくなってしまうことに注意しましょう。
ポイント2.定型文しか書いていない
送付状(添え状)で注意したい2つ目のポイントは、定型文以外も書くことです。
挨拶や本文をすべて定型文にすると、文章から自分の熱意が伝わりません。定型文だけだと「コピペ」したような印象を与えてしまい、相手に「やる気がないのだな」と思われてしまう可能性があります。
自分の熱意や気持ちを伝えるためにも、定型文以外のものを書くようにしましょう。
ポイント3.履歴書・職務経歴書に合わせて横書きで作成する
送付状(添え状)で注意したい3つ目のポイントは、履歴書・職務経歴書に合わせて横書きで作成することです。
送付状を縦書きで書くか横書きで書くかわからなかった人もいるのではないでしょうか。
履歴書・職務経歴書の前に読むものなので、横書きで書くのが正解です。
履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の送り方
送付状の書き方について詳しくご紹介しました。送付状を書いた後、どのようにして先方に送付状を送ればいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。
以下では、履歴書・職務経歴書に同封する「送付状(添え状)」の送り方をご紹介します。最後まで気を抜かずにマナーを守って送付状を送りましょう。
添え状を同封する際には「応募書類を入れる順番」に要注意
封筒に応募書類を入れるときには、順番に気をつける必要があります。
添え状には同封書類や挨拶文が書かれているため、最初に読んでもらうために一番上に持ってくる必要があります。
封筒に入れる順番は封筒のオモテ面に向かって、上から添え状・履歴書・職務経歴書をいれます。
こうすると、企業側で開封をして書類を取り出した時最初に添え状を見てもらえます。確実に添え状を最初に見てもらいたいのであれば、クリップで書類をまとめておくといいでしょう。
ハローワークの紹介状がある場合は、送付状の下に紹介状を添えよう
ハローワーク経由で履歴書を送る人もいるのではないでしょうか。
その場合は、ハローワークの紹介状も送る必要があります。
封筒のオモテ面に向かって、上から添え状・ハローワークの紹介状・履歴書・職務経歴書を入れましょう。
大切な書類なので、間違いなく入っていることを確認してから封筒を閉じるように気をつけてください。
添え状を同封するときの「応募書類を入れる順番」
- 封筒のオモテ面に向かって、上から添え状→紹介状→履歴書→職務経歴書(※ハローワーク、エージェント経由の場合)
- クリップで書類をまとめておくと丁寧
見てもらう書類の順番に気を遣うのもビジネスマナーのひとつです。知らなかった人はぜひ参考にしてみてください。
第一印象を良くするために送付状(添え状)を活用しよう
- 送付状は、挨拶と表書きの役割がある
- 自己PRや実績をアピールし、定型文だけではなく自分の言葉で相手に伝える
- 添え状を同封する際には「応募書類を入れる順番」に注意すること
本記事では、履歴書・職務経歴書を企業に送る際に同封する「添え状」の書き方、封筒への入れ方について解説してきました。
転職活動を好調にスタートさせるためにも、添え状を送る際の基本的なビジネスマナーは頭に入れておきましょう。
本記事を参考にマナーを守った送付状を作って、書類の順番に注意して送ってみてはいかがでしょうか。
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