企業の業績の停滞や退職者の増加などで悩んでいた企業が、コーポレートデザイン(企業そのもののデザイン)を変えたことによりその企業が生まれ変わり、その結果停滞していた業績が再び伸び始めたり、退職者が激減して入社希望者が増加したという例があります。
ここ日本にも、コーポレートデザインに力を入れ新しく生まれ変わったことで注目されている企業があります。その名も『VOYAGE GROUP』(旧ECナビ)。1999年の創業以来急成長をしてきたECナビは、その成長の裏で退職者の増加という悩みにぶつかりました。それを解消するために2011年、コーポレートデザインを一新することによりその悩みを解消し、現在の入社希望者が後を絶たない企業へと変貌を遂げたのです。では一体どのようにしてVOYAGE GROUPは、コーポレートデザインの改革を行ったのでしょうか?その取り組みをご紹介していきたいと思います。
VOYAGEGROUPの取り組み
2009年、順調に業績を残してきていながらも、組織の求心力の低下からの退職者の増加、という悩みを抱えていたVOYAGE GROUPは、アメリカ・ラスベガスにあるZapposを企業視察し、そこから組織作りというものを学んでいきました。「企業文化」を経営戦略の中核に据えるZapposの視察を終えたVOYAGE GROUPは、Chief Culture Officer(最高文化責任者:CCO)というポジションを企業の中に置き、会社の文化作りを社内の重要課題として改革をしていきます。
そして、市場環境の変化が激しいインターネット産業におけるVOYAGE GROUPとしての立ち位置を「環境変化に対応し、新たなビジネスに挑戦し続けられる人であり、その人が働きやすいと思える企業文化である」と位置づけたのです。VOYAGE GROUPがこの改革を行うにあたり問題として抱えているのは経営理念の浸透です。
問題点
経営理念が浸透していないと、生まれる企業文化はチグハグになる、結果的に採用や評価の基準も曖昧になり、中長期的に会社とのエンゲージメントが低くなります。この問題解決のため継続的に企業文化を強化していくことをミッションとした「コーポレートカルチャー室」という部署を新設し、そこに当時営業でエースだった社員を専任で置きました。現場をよく知る社員を置いたことで、より多くの社員の意見を集めることに成功。さらに、その専任者が経営陣と目線を合わせたことで、企業文化創造の背景までを社員に幅広く浸透していきました。
具体的な施策として「VOYAGECUP」と呼ばれる全社員が参加する運動会を参加したり、社内の一部をスタートアップ向けのシェアオフィスとして貸し出し活性化を促す他、だれでも利用出来る図書館、酒類も無料のバースペースを作るなど自分たちが目指す方向で明確にすると同時に、働きがい・働きやすさを作るユニークなものばかりです。
企業文化が社員にもたらす影響は、成功につながる環境がつくれる、ということです。価値観、考え方、行動方式など、社員の意識を統一し、バラバラな方向を向いている社員を同じ方向を向かせることにより、企業としての力は大きくなり、さらなる一歩へつなげようとしています。さらに、上から言われたことをする、という組織をなくして、社員一人一人の発言が企業を動かすという企業文化を作り上げていくことで、社員のやる気や働きやすさは大きく向上するのです。
いかがでしたか?コーポレートデザインが会社の発展にいかに重要になってくるかがわかったとおもいます。今一度自社のコーポレートデザインを見直してみてはいかがでしょうか。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう