お葬式は参列する機会はあまり多くないため、マナーを忘れてしまいがち。葬式の受付は何も考えずに済ませてしまっている人もいるかもしれません。
そこで本記事では会社関係の人の葬式に参列するときと、上司の代理として参列するときの2つに分けて葬式で名刺を差し出す際のマナーを紹介していきます。
- お葬式に参列したときの名刺を差し出すマナー
- 代理として葬式に参列したときの名刺のマナー
- 葬儀に参加した際に名刺を渡しても芳名帳への記入は必須
お葬式に参列したときの名刺を差し出すマナー
職場の上司や同僚、また取引先の人など会社関係のお葬式に参列した際には、マナーをきちんと守らないと故人や遺族に失礼なだけでなく、自分自身も恥をかいてしまいます。場合によっては会社に迷惑をかけてしまうことも。
基本的なマナーが不安な人は、今一度確認しておきましょう。
会社関係の人のお葬式に参列した際には、「名刺」を持っていく必要があります。
とはいえ、いつもの名刺交換とはマナーが違ってくるので、確認が必要です。
まずは、会社関係の人の葬式に参列した際の一般的な名刺のマナーについて確認しておきましょう。
基本的には下記の2点を注意しておけば問題ありません。
- 名刺の右肩(右上)に「弔」の文字を書き入れる
- 「弔」を書き入れない場合には、名刺の左下の端を内側に少し折る
名刺を渡すのは「身分を証明するため」
「お葬式で名刺はなぜ必要なんだろう」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
名刺を渡すのは「身分を証明するため」です。
お葬式ではたくさんの人が訪れるため、遺族がすべての人を把握することは難しいものです。そのため、葬式後に誰が参加したか、故人とどのような関係だったのかを確認するために、名前を「芳名帳」に記します。
芳名帳には、名前や住所などの簡単な情報しか書かないため、遺族と面識のない人の場合「故人とどのような関係だったのか」「お葬式に参列してくれた人はどんな人だったのか」を把握できません。
そのため、名刺を渡して身分を証明することが一般的なのです。
「弔」を書くことが基本
お葬式で渡す名刺には、「弔」の文字を、右上に書き入れることがマナーです。
「弔」を欠かない場合は名刺の左端を少し折り曲げるとされていますが、もしペンを持っていない場合でも、芳名帳に名前を書くときにペンを使うことになるため、その際に一緒に「弔」を書いて渡すといいでしょう。
もしペンを忘れてしまった場合は、受付でペンを借りるのも方法です。忙しそうで声をかけづらい場合は、葬儀場のスタッフにお願いするのもいいでしょう。
通常の名刺交換と同様にまっさらな名刺を渡してしまわないように注意しましょう。
代理として葬式に参列したときの名刺のマナー
次に、上司の代理として葬式に参列したときの名刺マナーについて確認しましょう。代理として参加した場合、普通に参列するときとは異なるため、少々注意する必要があります。
- 出席できない人(あなたの上司)の名刺の右肩(右上)に「弔」の文字を書き入れる
- 自分の名刺の右肩(右上)に「代」の文字を書き入れる
受付では、自分の名刺だけでなく、上司の名刺も一緒に提出しましょう。
上司の名刺には「弔」、自分の名刺には「代」とすることで、本来来るべきだった上司の代理人として葬式に参列したということを示せます。
受付が用意されていないときなどは、焼香の際に香典と名刺を祭壇に供えるという方法もあるので、覚えておくといいでしょう。
葬儀に参加した際に名刺を渡しても芳名帳への記入は必須
先ほども説明したように、名刺を渡したとしても芳名帳に名前を書くことは忘れてはいけません。
遺族は名刺を一つひとつ確認するわけではなく、芳名帳を見て参列者を確認するためです。
たとえ名刺を渡していても、芳名帳に名前がない場合、参列していなかったと思われる可能性もあるので注意しましょう。
芳名帳への記入の仕方
では、芳名帳にはどう記入をしたらいいのでしょうか。
基本的には、芳名帳にかかれてある項目を記入するだけで問題ありません。
上司の代理として参列する際は、芳名帳には上司の肩書きと名前を記帳するようにしましょう。香典袋の表書きも芳名帳と同様に上司名を記入します。
また、受付では下記のように「お悔やみの挨拶」を述べることも忘れないようにしてください。
- このたびは誠にご愁傷さまでございます
- 心よりお悔やみ申し上げます
- ご訃報に接し、心から哀悼の意を表します。安らかにご永眠されますようお祈りいたします
- 心からご冥福をお祈りいたします
芳名帳への住所は「会社の住所」を記入する
会社関係の代表としてお葬式に参加する場合、芳名帳の住所は「会社の住所」を記入することが一般的です。
上司の代理として参加する際も会社の住所を書くようにするといいでしょう。心配な方は、上司に確認を取ると安心です。
電話番号は、代表番号ではなく、会社の内線番号や、社用携帯のものを書くと何らかの際に繋がりやすくなります。会社を離れると連絡がつかなくなる可能性もあるため、個人的な付き合いがあった場合は、個人的な電話番号を書いておくのもいいでしょう。
上司の代理で参加する際には、どの番号を書いておくのか確認するようにしてください。
葬儀に訪れた人に対して名刺交換をするのはNG
お葬式には、故人にゆかりのあった様々な人が参列します。故人と仕事上での付き合いがあった場合、親しい業界の参列者も多く、「ビジネスで付き合っていきたい」「関係を作りたい」と思うような人が参加している可能性もあります。
しかし、お葬式に参列している人に対して、名刺交換をするのはNG。
お葬式は、ビジネスの交流の場ではなく、故人との最後の別れを行い、故人を偲ぶための場です。名刺交換を願い出ると、「ビジネスマナーがなっていない」と思われるだけでなく、人としての品格も問われるので、決して行わないようにしてください。
お葬式の前には名刺のマナーをおさらいしておこう
- お葬式の際に名刺は右上に「弔」を書いて渡す
- 上司の代理で参加する場合は右上に「代」を書いて渡す
- お葬式の場で名刺交換は絶対に行わない
会社の代表としてお葬式に参列する際や上司の代理人として参列する際、マナー違反をしてしまうと会社の評判を落としてしまう恐れがあります。
本記事で紹介した最低限のマナーを知った上で、葬儀に参列するようにしましょう。
とはいえ、マナーはそれほど多くはありません。
名刺には「弔」もしくは「代」と書いて渡すことだけを覚えておき、故人と最後の別れをする場だと認識して敬意を持った態度で参加すると間違いはおこらないでしょう。
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