電話やメールではなく、手紙で取引先に用件を伝えなければならないケースが、営業マンには多くあります。営業内容の説明や資料送付などの日常的な業務のほかに、礼状やお詫びの手紙を出すこともあるでしょう。
その中で、もっともやっかいなのが、「電話では話しにくく、メールでは伝えにくい用件を手紙で伝える」というケースでしょう。未収金回収の督促や、取引先のミスや手違いで自社に損失が出てしまった(もしくは出るおそれがある)案件の問い合わせや抗議など、伝え方によってはその後の取引関係を壊しかねない用件がこれにあたります。ここでは、そういう「やっかいな手紙」の文例を紹介します。
書き出しの文例
内容が内容だけに、まだるっこしい書き出しは不要です。相手に「緊急性」を伝えるためにも、ごく簡潔な書き出しにすべきです。時候のあいさつが不要なことは言うまでもないでしょうし、「時下ますます御清祥のことと、お慶び申し上げます」といった紋切り型のごきげんうかがいも必要ありません。「大変困っています、至急御返答を」という切羽つまった印象を、最初に印象付けるのです。
文例
「前略 お世話になっております。本日は大変申しにくいことをお伝えするために、筆を執りました。電話ではお話ししにくく、メールでお伝えするのは失礼と判断し、手紙でお伝えすることに致しました。」
用件の文例
その書き出しだけで、相手は「あの件だな」と気付くに違いありません。ですから、用件については手短に要点だけを書けばいいでしょう。長々しい説明は不要ですし、経緯を縷々述べると、先方は「そんなこと、わかってる」と不快に感じるでしょう。お互いにわかっている内容なのですから、「あの件ですよ」という確認をするだけで十分なのです。
文例
「先日も電話にてお話しいたしましたが、例の未収金について、あらためてお願いしたいのです。御社の御事情もおありでしょうし、私も日ごろのご恩を思えばとてもそんな話が出来る立場ではないと思います。しかし、弊社内でやや大きな問題になってしまいまして、どうしても善後策を考えないわけにはいかなくなっているのです。」
結びの文例
かなり厳しい内容の手紙になりますので、結びはソフトにしたほうがいいでしょう。その後の営業活動への悪影響を、少しでも軽減するためです。
文例
「弊社内での私の力不足から、大変失礼なことをお伝えしましたこと、申し訳なく思っております。どうかこれからも、おつきあいいただきますよう、お願いいたします。ご返事、お待ちしております。」
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう