社会人にとって食事のマナーは、場合によっては仕事の成否や評価にもかかわってくる、けっして小さくないテーマです。よく言われるのが「日本人と欧米人では食事の際の音に対する感覚がかなり違う」ということ。日本人より欧米人の方が、食事の「音」に対してかなり敏感で、厳格なマナーを持っているのです。
ですから、海外の取引先との会食などでは、音のマナーに特に気をつけなければなりませんし、日本人どうしの会食でも、欧米の流儀に従っていればまちがいはないでしょう。ここでは食事の時に気をつけなければいけない音にまつわる3つのタブーを紹介します。
「すする音」のタブー
日本人は汁物を音をたててすするのがふつうです。味噌汁でもうどんやラーメンの汁でもずるずる音を立ててすする。日本ではそれはマナー違反ではありません。むしろ、音を立てないように汁を飲むと、「おいしくなさそう」と感じてしまうでしょう。
けれど、洋食のスープを同じようにすするのは絶対にNG。そのためにスプーンがついているわけですが、そのスプーンから「ずるっ」とすすってしまう日本人が少なくありません。スープはスプーンから、静かに口に流し込むのがマナーです。
「食器音」のタブー
これも洋食を食べるときに、特に気をつけたいマナーです。和食は箸を使いますし、木製のお椀を用いるなど、そもそも音が立ちにくい素材の食器になっています。けれど洋食の場合、容器は陶器か金属製、使うナイフやフォーク、スプーンはすべて金属製です。ですから、注意しないとどうしても「かちゃかちゃ」させてしまうのです。
子どものころから使い慣れている欧米人とちがい、この「食器音」は日本人にとっては意外に大きな落とし穴。ナイフでお肉を切るとき、サラダをフォークで食べるとき、スプーンでスープを飲むときに、つい「カチャリ」とさせてしまうことがあるでしょう。
欧米人との会食で注意しなければならないのは言うまでもありませんが、得意先といっしょに食事するときにも、無神経に食器音を立てると、「社会人としての自覚不足」とか「マナーを知らない幼稚な人間」と思われかねません。前項は比較的注意する人が多いでしょうが、この食器音に無神経な日本人は実際にかなり多いのです。常に気をつけなくてはいけないマナーです。
「咀嚼音」のタブー
ものを食べるときに口の中でくちゃくちゃ音をさせるのは、最強のタブー。これは洋の東西を問いません。欧米だけでなく、日本でも昔からタブーとされてきました。ですから、だれでも子どものころに親から注意され、少なくても社会人になったときには咀嚼音を立てないで食事するようになっていてよさそうなものです。ところが、かなりの年配の人の中にも、この最低限のマナーが守れていないケースが少なくないのです。
マナー違反というだけではなく、咀嚼音はいっしょに食事をしている人の食欲を減じさせてしまうことになりかねません。もし取引先との会食なら、「彼とはもう2度と食事をしたくない」と思われてしまうでしょう。仕事にも悪影響を及ぼしかねない、最悪のマナー違反とも言えますので気をつけましょう。
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