仕事の取引先、特に大切なお得意先などの訃報に触れたら、なにはさておき弔電を打つのが、本来のありかたです。 ただ、現在では弔電を省略するケースが少なくないかもしれません。
けれども、弔問には行くにしても、先に弔電を打っておくのが、より好ましい弔意の表し方と言っていいでしょう。弔電を打つこと自体が、取引先の葬儀での基本マナーと言っても間違いではありません。そこがプライベートな葬儀とオフィシャルな葬儀の大きな違いです。 ここでは取引先に弔電を打つ際のマナーと、実際の文面例を紹介します。
弔電を打つタイミングと届け先
「できるだけ早く」、これが弔電を打つタイミングの、唯一のマナーです。 その理由は、逆の立場になって考えてみればわかるでしょう。さまざまな取引先から弔電が届いた場合、「どこが早く、どこが遅いか」が、その弔意の深さと比例するように感じられるはず。「いの一番に届いた」というのが、受け取る側に強い印象を残すのです。
また告別式で弔電を紹介することも少なくありません。遅く打つと、告別式を仕切る司会者の方にも失礼。遅くても通夜の間には届くように手配しなければいけません。社葬のような大規模な葬儀の場合はなおさらです。
さて、弔電の届け先ですが、会社宛にするのが基本マナーです。あくまで仕事上のおつきあいなのですから、取引先の会社に届けるのが筋ですし、受けた側にも誠意を伝えることができるわけです。
ただし、土日や夏季休暇中といった場合、会社宛に届けにくいうというケースもあるでしょう。その場合は、葬斎場や御自宅へ届けることになります。ただ、葬斎場だと手違いが起こりかねませんから、御自宅宛にしたほうがよいと思います。
弔電の依頼主は社名か位の高い役職者が基本
取引先への弔電の依頼主は、会社名でも個人名でもかまいません。ただし、個人名で打つ場合は、位の高い役職、つまり役員以上にするのがマナーです。いくら自分が個人的に親しくしている取引先やお得意先でも、それ以下のポジションの人が個人名で打つのは「おこがましい」という印象を与えてしまうでしょう。相手先だけでなく、自社に対しても失礼な行為です。
自分の名は、弔問に訪れた際の香典や芳名録に記せばじゅうぶん。あくまで「会社を代表して弔意を表す」のが、弔電なのです。
得意先への弔電の文例
最後に、文例を紹介しておきます。公の弔電なのですから、個人的な思いやよけいなレトリックを使うのはマナー違反。簡潔に、かしこまった文章で、しかも強い弔意の感じられる文面が理想と言っていいでしょう。 これはあくまで1つの例です。手引きとして参考にしてください。要するに「どんな年齢の、どんな立場の人が目にしても、マナー違反と感じることはありえない文面」ということになります。
「○○様の御逝去を悼み、謹んで哀悼の意を表するとともに、長年のご厚誼に深く感謝申し上げます。衷心(ちゅうしん)より御冥福をお祈り申し上げます」。
ここで紹介したマナーや文例を利用し、しっかりとした態度で弔電をだすように心がけましょう。
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