転職や就活に役立つIT資格や、スキルアップに使えるIT資格を取りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、IT資格を習得するメリットや選ぶポイント、国家資格や民間資格などを紹介します。
どのIT資格を取ればいいのかわからない人は、ぜひ参考にしてください。
- IT資格を習得する4つのメリット
- IT系国家資格として人気の高い資格13選
- IT系資格を勉強するときの3つのポイント
IT資格を習得するメリットとは?
IT分野の知識は、どのような職種の人にも関係することが多く、知識や技術を仕事で求められることも増えています。その際に、勉強するだけではなく、IT資格の取得を目標とすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下では、IT資格を習得するメリットについて詳しく解説していきます。
メリット1.スキルアップするモチベーションになる
IT資格を習得するメリットの1つ目は、スキルアップするモチベーションになることです。
勉強をすることを決めても、モチベーションは上がったり下がったりしてしまい、なかなかやる気に結びつかないことも多いのではないでしょうか。
ブルームの期待理論と呼ばれるモチベーション理論によると、モチベーションは「結果を期待する気持ち」と「得た結果でもたらされるメリット」をかけ合わせたものだと考えられています。
つまり、なんとなく勉強するのではなく資格習得を目標とすることで、資格を取るという結果を期待する気持ちが増えます。
また、自習は締め切りがなくダラダラと後回しにしがちですが、IT資格を取ることを目標にすると締め切りができやる気を出して勉強ができるようになるでしょう。
メリット2.体系的な知識が身につく
IT資格を習得するメリットの2つ目は、体系的な知識が身につくことです。
自分だけで勉強していると、好きなところ・勉強したいところだけを重点的に学んでしまう傾向がある人も多いのではないでしょうか。もちろん、業務に直結する内容から学ぶことは大切ですが、体系的に学ぶことで、より知識を補強できたり、これまでに気が付かなかった新しい視点に気がつくかもしれません。
IT資格を勉強することで、今まで関わりが無かった分野や、苦手な分野などを体系的に学習できるようになります。
メリット3.基礎的な内容を身に着けている証明となり就活や転職で有利になる
IT資格を習得するメリットの3つ目は、基礎的な内容を身に着けている証明となり、就活や転職で有利になることです。
IT資格は、IT企業以外でも役に立つ資格なので、広く就活や転職で利用できます。IT資格を持っていると「ITに詳しい人」と客観的に証明できるため「自分はIT関係の知識を持っています」とアピールする際も説得力が増します。
また、IT資格を持っていることは努力ができることを証明してくれるので好印象を残せたり、「努力家」であることを長所に就活ができたりします。
メリット4.資格手当がもらえる企業もある
IT資格を習得するメリットの4つ目は、資格手当がもらえる企業もあることです。
企業の中には資格習得者に資格手当を払ったり、受験料を負担してくれたりする企業があります。
また、資格を持っていることが昇進の条件になることも。
自分の企業の給料がアップする条件や、昇進条件などを調べた上で、取るべき資格を決めるのも一案です。
挑戦する資格を選ぶポイントとは?
IT資格は有名な資格だけでも数十個あるほど、たくさんの資格が存在します。
その中から自分にあった挑戦するべき資格を選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 自分にあった難易度のもの
- 将来や自分の仕事に活かせる内容のもの
- 転職や就職に役に立つもの
自分の興味のあるもの、学びたいものが決まっているのであれば、その資格にチャレンジしてみることもおすすめです。
IT系国家資格として人気の高い資格13選
ITの資格には、民間資格と国家資格の2種類あります。
国家資格は、民間の資格よりも信頼度が高く、専門性があることが特徴です。
以下では、IT系国家資格として人気の高い資格をご紹介します。
ITパスポート
「まずはITの基礎知識を身に着けたい」という方におすすめなのは、「ITパスポート」です。
普段IT関係の仕事をしていると基礎的な内容で簡単なように感じますが、IT用語や考え方などを知らない大学生や、IT未経験者は難しく感じるかもしれません。
ITパスポートは、「ストラテジ」「マネジメント」「テクノロジ」の3つの分野の基礎知識が問われます。試験は四肢択一式で問題数は100問です。
ITパスポートの合格率は50%程度で、人にはよりますが100時間ほどの勉強量が必要だといわれています。
基本情報技術者
ITパスポートよりも高難易度の試験を受けたい人や、ITパスポートを取りステップアップをしたい人におすすめなのは、「基本情報技術者」です。
基本情報技術者は、ITエンジニアの基礎的な技術を持っている証明になる資格です。
試験では、システムやソフトウェアの設計や開発、運用や、情報戦略の分析・提案などができる実践的な力が試されます。
合格率は25%程度と難易度が高い試験ですが、基本的な力を証明できることで人気が高い試験です。
応用情報技術者
基本情報技術者で基本をマスターした人や、応用的な力を証明したい人には「応用情報技術者」がおすすめです。
応用情報技術者は、出題範囲は基本情報技術者と似通っていますが、さらに応用的な内容を聞かれます。上司や先輩の指導がなくても、自分の力で仕事ができる力を身につけている証明になります。
合格率は20%とかなり難易度が高い試験です。「自分の力を試してみたい」という人は、応用情報技術者の資格習得を目指してみてはいかがでしょうか。
情報セキュリティマネジメント
「情報セキュリティマネジメント」は、情報セキュリティにフォーカスした資格で、新卒や大学生などにおすすめの資格です。
情報セキュリティマネジメントは、基本的な情報セキュリティに関する知識や技能が問われる試験です。
難易度は、基本情報技術者のセキュリティ関係の問題と同程度ですが、基本情報技術者よりも出題範囲が狭いので勉強しやすくなっています。
ITストラテジスト
「ITストラテジスト」は、ITコンサルやIT企業で役職を持っている人におすすめの高難易度の試験です。
ストラテジストとは、ストラテジー(戦略)や方針を考える人のことをいい、ITストラテジストは事業戦略やシステムを考案・提案・管理などを行います。
合格率は15%程度で、四択問題・記述問題・論述問題などの試験が行われます。
プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャ(PM)の人や、人の上に立つ仕事をしている人におすすめの資格が、「プロジェクトマネージャ」です。
プロジェクトマネージャは、他の専門分野も広く浅く知っておく必要があるので出題範囲も広い傾向があります。
IT分野全般の知識や、プロジェクトマネージャーとしての知識が記述問題や論述問題で聞かれるので、深い理解が必要になるでしょう。
合格率は約15%と難関試験なので、じっくりと準備することをおすすめします。
ITサービスマネージャ
ITサービスのマネージャーの職についていて、サービスの運用や保守をする仕事をしている人におすすめなのが、「ITサービスマネージャ」です。
ITサービスマネージャでは、マネジメントだけではなくセキュリティや、コンピュータシステム、法務など広い範囲で問題が出題されます。
合格率は15%で、四択問題・記述問題・論述問題が出題されます。
システム監査技術者
「システム監査技術者」は、監査法人や会計士などの監査をする立場の人や、監査をされる側におすすめの資格です。
特にセキュリティやシステム監査、法務について出題されます。
合格率は15%ほどで難易度が高く専門性も高いので、仕事をしていく中でゆっくりと勉強していくことをおすすめします。
情報処理安全確保支援士
「情報処理安全確保支援士」は、サイバーセキュリティの専門家を目指す人におすすめの資格です。
「情報セキュリティスペシャリスト」という資格が、平成29年に情報処理安全確保支援士に名前が変わりました。
ネットワークやセキュリティに関する質問が出され、資格を取った後には有料の講習に出る必要があります。
維持費がかかってしまいますが、5万人程度の受験者がいる人気の資格です。合格率は15%程度なので、しっかりと勉強する必要があるでしょう。
エンベデッドシステムスペシャリスト
「エンベデッドシステムスペシャリスト」は、システム開発や設計、提案などを行う仕事についている人におすすめの資格です。
ソフトウェア・ハードウェアの知識だけではなく、セキュリティやシステム開発技術など広範囲に深い知識が必要になります。
合格率は15%程度で、四択問題と記述問題が出題されます。
ネットワークスペシャリスト
「ネットワークスペシャリスト」は、実務的な知識が問われるので、ネットワークに関する仕事をしている人に特におすすめの資格です。
ネットワークやセキュリティに関する問題が特に出題され、応用情報技術者レベルの開発やコンピュータシステムの問題が出題されます。
四択問題と記述問題で出題され、合格率は15%ほどと高いので、転職に役立つ資格のひとつです。
データベーススペシャリスト
「データベーススペシャリスト」は、データベースに関する専門的な知識が必要な人やこれからのビックデータ時代に活躍したい人におすすめの資格です。
データベースやセキュリティに関する問題と、応用レベルの開発やコンピュータシステムに関する問題が出題されます。
合格率は15%程度で、四択問題と記述問題のみで論述問題がありません。そのため、他の高難易度の資格に比べて、比較的取りやすい資格といわれています。
システムアーキテクト
上級エンジニアが自分のスキルを客観的に表明したい場合、「システムアーキテクト」がおすすめです。
システムアーキテクト試験では、情報システムの設計・分析・開発や、IoTや組込みシステムなどを活用したシステムの把握などが問われます。
合格率は15%程度で、多肢選択式・記述式・論述式の問題が出題される難易度が高い試験です。
IT系民間資格として人気の高い資格5選
IT系の民間の資格はたくさんあり、どれを選べばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
以下では、IT系の民間資格の中でも特に人気の資格をご紹介します。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」は、WordやExcel、PowerPointなどのマイクロソフト製品が利用できることを客観的に示せる資格です。学習を通して基礎的な知識が身につくので、これからWordやExcelなどを使う人は、学習のために資格にチャレンジしてみることもおすすめです。
それぞれの資格は、スペシャリストレベルとエキスパートレベルが存在します。基本的な力を証明したい人はスペシャリストレベルを、応用的な能力を示したい人はエキスパートレベルを受験するとよいでしょう。
MOSは、受験料を学割で2000円安く受けられます。また、対策講座も実施されているので勉強がしやすいところも特徴です。
>>マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)の公式サイト
Oracle認定Javaプログラマ
「Oracle認定Javaプログラマ」は、Javaを使用するプログラマにおすすめの資格です。
難易度もBronze・Silver・Goldから選べられ、自分にあったレベルの資格を受けられるのがポイントです。
まだプログラミングを始めたばかりの人はBronze・Silverを試してみることをおすすめします。
ウェブ解析士
「ウェブ解析士」はデジタルマーケティングやウェブ解析などの勉強をしたい人におすすめの資格です。
テストは公式テキスト(4400円)に載っている内容から出題されます。
一人では勉強できるか不安な人は、認定講座があるので活用することをおすすめします。
HTML5プロフェッショナル認定試験
「HTML5プロフェッショナル認定試験」は、実務に役立てて就活やスキルアップに役立てたい人におすすめの資格です。
レベル1では、HTMLやCSS、Webデザイン、APIの基礎知識などが幅広く問われます。
IT系を目指すなら知っておきたい知識を身につけたい人は、HTML5プロフェッショナル認定試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Webクリエイター能力認定試験
「Webクリエイター能力認定試験」は、Webサイトに関わる仕事をしたい人におすすめの資格です。
Webサイト作成に必要なWebデザイン・HTML・CSS・JavaScriptなどの実用的な内容が問われます。
人気の資格で知名度も高いので、就活に役立てたい人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
IT系資格を勉強するときの3つのポイント
資格の勉強で大切なのは、勉強を続けることです。途中で諦めてしまわないように、最後まで勉強できる環境や意識を整えましょう。
以下では、IT系資格を勉強するときのポイントをご紹介します。IT資格を習得しようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
1.自分の興味がある内容を選ぶ
IT系資格を勉強するときの1つ目のポイントは、自分の興味がある内容を選ぶことです。
上記でご紹介したように、国家資格だけでもたくさんのIT資格があります。
適当に選んでしまうと、自分の仕事とはあまり関係のない内容のものや、興味がないものを選んでしまう可能性があります。
すべての内容に興味がある・面白いと思うのは難しいかもしれませんが、「この内容を勉強したかった」というものが含まれる資格を選びましょう。
2.自分にあった難易度のものを選ぶ
IT系資格を勉強するときの2つ目のポイントは、自分にあった難易度のものを選ぶことです。
例えばIT初心者なのに、いきなり応用情報技術者試験を選ぶのはおすすめしません。
IT資格は、今まで関わってこなかった概念や言葉などを使いながら学ぶ必要があるので、難易度が高すぎると文章すらまともに読めない可能性があります。
まずは、基本的な知識を身につけてから徐々にステップアップしていきましょう。
3.勉強する時間を確保する
IT系資格を勉強するときの3つ目のポイントは、勉強する時間を確保することです。
社会人だと資格を勉強する時間がない人も多いのではないでしょうか。
勉強する時間は、意図的に確保する必要があります。その際には「気合で頑張る」「毎日1時間勉強する時間を取る」では続かないもの。勉強する時間を取るということは、これまでしていた他のことができなくなるということです。具体的にどの時間を勉強に当てるのか明確にして、勉強用に時間を確保しておきましょう。
そして、少しの時間でも毎日勉強する習慣をつけることが大切です。最初は継続することを目標にするとよいでしょう。
歯磨きをしないと気持ちが悪いのと同じぐらい勉強を日常的に染み込ませれるようになると、資格習得も簡単にできるようになりますよ。
体系的に学びたいなら資格を活用するのがおすすめ
- IT資格を目標にすると、体系的な知識が身につく
- 資格手当や就職などで恩恵を得られる
- 自分のスキルや知識にあった国家資格を選ぶ
本記事では、IT資格を取るメリットやポイント、おすすめの資格などを詳しくご紹介しました。
自分の取りたい資格を決めた人は、いつまでに資格取得するかを決めて勉強に着手しましょう。
本記事を参考に、取りたいIT資格を選んで将来に役立ててみてはいかがでしょうか。
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