ビジネスの交渉をメールで行う機会も増えてきているのではないでしょうか。
相手の反応を見られる対面の交渉よりも、メールで交渉をすることは難しいものです。
交渉メールではビジネスマナーを守り、相手の立場を尊重しつつ、こちらの主張を明確に伝える書き方をしなければいけません。
本記事では、交渉メールの書き方について詳しくご紹介します。
- 交渉メールを書くときの3つのポイント
- 交渉メールを作成する際の注意するべき点
- 具体的な交渉メールの例文
交渉メールを書くときの3つのポイント
交渉メールは難しく感じてしまいますが、必ず押さえておきたい3つのポイントがあります。まずは交渉メールの文章を作る際の基本を確認しておきましょう。
- 1.相手に交渉したいことを明確に記す
- 2.交渉の理由を書く
- 3.「検討を依頼する」というスタンスを守る
ポイント1.相手に交渉したいことを明確に記す
交渉メールを書く際の1つ目のポイントは「相手に交渉したいことを明確に記す」ことです。
メール件名にはメールの趣旨を簡潔に書き、メール本文には何を交渉したいのかを明確に記しましょう。
交渉内容において具体的な数字を提示できる場合は、数字をメール文面に盛り込むと相手への説得力が増します。
値引き交渉を依頼する場合は、「希望値引き額」などの具体的な数字を書きましょう。
納期の延期を交渉する場合は、新たな希望納期日を明示すると、交渉がしやすくなります。
ポイント2.交渉の理由を書く
交渉メールを書く際の2つ目のポイントは、「なぜ交渉をするのか」理由を書くことです。
交渉理由が相手にとって納得できるものでなければ、交渉は成り立ちません。
明確な交渉内容を記したら、「なぜこの価格でないといけないのか」「なぜ予算を上げる必要があるのか」といった相手が納得できるような明確な理由を述べましょう。
ポイント3.「検討を依頼する」というスタンスを守る
交渉メールを書く際の3つ目のポイントは、検討を「依頼する」というスタンスを守ることです。
値引きの交渉メールでは、相手に「値引きの検討を依頼する」というスタンスを取り続ける必要があります。
相手に要求を押し付けるのではなく、「検討してもらう」姿勢を忘れないようにしましょう。
相手の立場を尊重することは、ビジネスの交渉シーンでは「基本中の基本」です。
交渉メールを作成するときは、無理な要求をしている文面にならないように気をつけてください。
交渉メールを作成するときの注意点
交渉メールを作成する際は、気をつけておきたい注意点もあります。以下の、5つの点に注意しましょう。
- 1.理由と経緯は必ず記す
- 2.自分の主張ばかりを押し付けない
- 3.数字項目は必ず確認する
- 4.日付けに気をつける
- 5.解決策を提示する
1.理由と経緯は必ず記す
交渉メールを作成するときの1つ目の注意点は、理由と経緯は必ず記すことです。
相手に自分の要望だけを伝えても、理由がわからなければ相手も対応しづらくなります。
理由を伝えず要望だけ伝えると、相手に対してこちらの気持ちがうまく伝わらず、誤解を招いてしまうことがあります。
いつ、どういった理由で、どのように考えているのかなどを忘れずに記載し、相手の意見も踏まえて、一緒に今後を考えるつもりであるという姿勢を見せるようにしましょう。
2.自分の主張ばかりを押し付けない
交渉メールを作成するときの2つ目の注意点は、自分の主張ばかりを押し付けないことです。
相手の意見をきちんと受け入れる柔軟な姿勢を持つことで、交渉はよりスムーズに進んでいきます。
また、メールを書く際は相手の立場も考慮した、丁寧な文章を作成することも重要です。
交渉を受け入れてもらえる可能性が五分五分であるからこそ、相手の立場を考えたメールを送ることは重要になってきます。
そしてメールを送る際は、相手に迷惑がかからないのであれば直接話をする気持ちがあることも同時に伝えましょう。
今後のことを考えると、相手の顔を見て、直接話をしたほうが相手や自分のためにもなります。また、メールに比べると相手の反応を見ながら交渉できるので、交渉も成功しやすくなります。
3.数字項目は必ず確認する
交渉メールを作成するときの3つ目の注意点は、数字項目は必ず確認することです。
数字項目に関する交渉である場合は、肝心の数字を間違えると、相手に自分の意図がうまく伝わらず、話がこじれてしまう場合もあります。
元の金額よりも誤って書いた金額がかけ離れていると、相手を困らせてしまう可能性も。
また、数字項目に関する交渉でない場合でも、数字が変わっていたら、相手は数字に関する交渉なのかと勘違いしてしまいます。
どのような場合でも、数字の項目は忘れずに確認しましょう。
4.日付に気をつける
交渉メールを作成するときの4つ目の注意点は、日付をチェックすることです。
交渉メールだけではなく、普段のメールでも同様に、日付がずれていると、相手のスケジュールをもう一度調整してもらう必要があります。
相手に迷惑をかけてしまうので、気をつけて日付をチェックしましょう。
5.解決策を提示する
交渉メールを作成するときの5つ目の注意点は、解決策を提示することです。
納期交渉の場合には「納期に間に合わない」という情報の後に「これだけ時間があれば納品できます」という解決策を提示することで、相手も納得のできる交渉ができます。
また、先方も解決策があれば判断しやすく、OKを出しやすくなります。
交渉メールの具体例
上記のポイントや注意点を踏まえた、交渉メールをご紹介します。
具体例を参考に交渉メールを考えてみてください。
【例文】見積額の値引きを交渉するビジネスメール
今回は交渉メールの例文として、「値引き交渉」をする場合の文面を紹介します。
ある商品の営業提案を受けている会社に対し、提示された見積額の値引きを交渉するという設定の交渉メール文面を下記の例文で紹介しています。
- メール件名:見積額再検討のお願い
ABC株式会社 山田様
XYZ株式会社の田中と申します。いつもお世話になっております。
先日は商品Aの見積書をお送りいただき、誠にありがとうございました。
早速社内にて検討いたしました結果、貴社の見積額は他社の見積と比べて若干高くなっております。
弊社としましては、貴社に発注したいと考えておりますので見積額の再検討をお願いできませんでしょうか。
大変恐縮ではございますが、見積金額の10%程度の値引きをご検討いただけますと幸いです。
お返事は、☓月☓日までにいただけますと幸いです。
ご不明点がありましたら、田中までご連絡くださいませ。
ご多忙の折お手数をおかけいたしますが、ご検討の程何卒よろしくお願い申し上げます。
XYZ株式会社 田中
自分の主張が叶わなかった場合の代替案は初回の交渉メールには書かず、2回目以降の交渉メールに記載しましょう。
最初から譲歩を示してしまうと、交渉は相手に有利になります。自分の手札はギリギリまで見せないことが、交渉シーンでは重要です。
もちろん交渉メールにおいては、相手の立場は尊重しなければならなりません。
交渉メールの文面を作成する際には「相手のことを立てつつ、メールの主導権を握る」ということを意識しましょう。
交渉メールで費用を下げてもらうときに意識するべきこと
交渉メールの書き方を説明してきました。
次は「費用を下げてもらう」ための交渉メールを書く際の注意点を説明します。
丁寧にお願いする姿勢を忘れない
交渉メールで費用を下げてもらうときは、相手に丁寧に接することが大切です。
相手の機嫌を損ねてしまっては、相手も応じてくれない可能性があります。そのため、敬語を使って丁寧にメールをおくりましょう。
費用を下げてもらうために送るメールは書きづらいと思う人も多いのではないでしょうか。
相手にどう思われるのか不安になるため、ついつい弱気になってしまいがちですが、ありのままの理由を丁寧に伝えることが大切です。
「値引き」「値下げ」などの言葉は使わない
「値引き」や「値下げ」という言葉は、相手にネガティブな印象を与えてしまいます。
顔の見えないメールの文面では、なるべくポジティブな言葉を使うようにしましょう。
「値引き」や「値下げ」などのネガティブな言葉の代わりに、「再検討をお願いいたします」のようなポジティブな言葉に置き換えるようにしましょう。
ネガティブな言葉を使わないようにするだけで、メールの印象を変えることができます。
費用を下げてもらう必要がある理由を嘘なく説明する
要望だけ伝えて、理由と経緯を話さなければ、相手は何が悪いのかわからず混乱してしまうことを上記でご紹介しました。
会社の事情があって理由や経緯が話せない場合もあるでしょう。しかし、理由や経緯が話せないからと言って、嘘をつくことはやめましょう。
嘘の理由や経緯を話すと、後になってばれてしまった場合にやっかいなことになるからです。
話せない場合は「事情があってお話できない」のように、正直に相手に伝えましょう。
交渉メールのポイントを抑えて、交渉を有利に進めよう
- 交渉メールには、交渉したいこと・交渉したい理由や経緯・解決策を書く
- 日付や数字に間違いがないか確認する
- 交渉メールには、嘘を書かず、相手に丁寧に接する
本記事では、交渉メールを書く際のポイントや注意点をご紹介しました。
大切なことは、相手に誠意を持って接し、自分の要望と相手の要望の折り合いをうまくつけることです。
上記のポイントや注意点を守って、相手に伝わる交渉メールを書きましょう。
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