名刺を渡すときに、あいたスペースにメッセージを書いていいのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。
本記事では、自分や相手の名刺に書き込みする際の注意点や、相手が不在の時の名刺の活用方法をご紹介します。
名刺をさらに上手に使いたいという人はぜひ参考にしてください。
- 名刺の空白部分にメッセージを書くときの注意点
- 相手からもらった名刺に書き込みをする際のマナー
- 営業で相手が不在の際の、名刺の活用方法
名刺の空白部分にメッセージを書くときの注意点
名刺にはたくさんの覚えるべきマナーがあって混乱した経験がある人も多いのではないでしょうか。
「自分の顔」とも言われる名刺には、そもそもメッセージを書いてもいいのでしょうか。
まずは、メッセージを書き込む際の注意点をご紹介します。
名刺にメッセージを書き込む際に役立ててください。
注意点①:メッセージを書く時は名刺交換の時以外にする
名刺にメッセージを書き込む際の1つ目の注意点は、メッセージは名刺交換の時以外に書き込むようにすることです。
自分の名刺にメッセージを書き入れるのは、原則としてマナー違反にあたります。
直筆で名刺にメモやメッセージを書き入れる行為は、神聖な名刺を汚してしまうと考えられているからです。
また、メッセージを書いてすぐに渡すと、インクが乾ききらずこすれてしまったり、名刺入れに入れた際に他の名刺を汚してしまうというデメリットもあります。
そのため、通常の名刺交換の際はメッセージを書き入れるのは避けましょう。
担当者が不在で名刺を渡してもらうようにお願いした際や、特別なあいさつ回りのときのみに、名刺にメッセージを書き込むようにしてください。
また、特別な場合以外でもメッセージを書き込みたい際は、相手がいないときに書き込むようにしましょう。
名刺交換の前に予め書いておくことで、サプライズ感を演出できるだけではなく、インクを十分に乾かせられるというメリットもあります。
注意点②:メッセージを記入する場所
名刺にメッセージを書き込む際の2つ目の注意点は、メッセージを記入する場所の選び方です。
メモ欄が設けられている名刺は、メモ欄にメッセージを書き込むといいでしょう。
仕事柄、書き置きや名刺の受け渡しを頼むことが多い人は、総務や上司などと相談して、自分の名刺の裏側にメモ欄を設けておくようにお願いすることをおすすめします。
メモ欄がない場合でも、基本的には名刺の裏側にメッセージを書きましょう。表面に書いてしまうと、住所や連絡先の邪魔になってしまう可能性があるからです。
ただし、裏面が英語表記になっているような、表裏が明確に判断できない名刺を持っている人もいるのではないでしょうか。
表裏が判断できない名刺の場合は、表面の空白部分に書いたほうがいいでしょう。もしくは、相手の話す言語がわかっているならば、相手の話す言語ではない方に書き込みをすることがおすすめです。
相手が名刺を見るときに、じゃまにならない場所がどこかを考えてからメッセージを書き込むようにしましょう。
注意点③:相手にとってプラスになる内容やメッセージを書こう
名刺にメッセージを書き込む際の3つ目の注意点は、相手にとってプラスになる内容やメッセージを書くことです。
例えば、アポイントの約束していたのに相手が不在だった場合。イラ立ってしまって相手を傷つけることを書くのはもってのほかです。
一度冷静になって、書いたことによって相手がどう思うのかを考え、今後の関係にプラスになるようなことを書きましょう。
「お会いできなくて残念です」よりも、「お会いできるのを楽しみにしています」のようなプラスなことを書くことをおすすめします。
必ずマイナスよりも、プラスのことを書くことを念頭に置いてください。
マイナスなことをどうしても書く必要があるときは、マイナスなことを書いてから、プラスなことを書くと相手にいい印象を与えれます。
「美味しいが、値段が高い」よりも「値段は高いが、美味しい」と書かれている方が、いい印象を感じるのではないでしょうか。
上記の例と同様に、マイナスの面を書いた後は必ず後にいいことを書くように気をつけてください。
相手からもらった名刺に書き込みをする際のマナー
ビジネスシーンでは、「相手のことを記憶するため」「会話の内容を忘れないため」など、相手の名刺に書き込みをするシーンもあるのではないでしょうか。
相手の名刺に何かを書き込む際にはいくつかマナーがあります。
名刺に書き込みをすることが多いビジネスパーソンは、今一度自分が失礼な行いをしていないかチェックしてみてください。
名刺交換の場で相手の名刺に書き込みをするのはNG!
相手の顔ともいえる名刺に、直接書き込みをするのは原則NGです。ましてや名刺交換の場で書き込みをするのは、絶対にやめましょう。
相手の特徴や会った日をメモする場合は、本人の目の前ではないところで名刺に書き込ましょう。
海外では、名刺は「ただの紙切れ」のような扱いがされます。そのため、名刺に直接書き込むこともあります。
しかし、日本で仕事をしている場合は、日本のマナーを守るようにしてください。
名刺交換の場で相手の名刺に書き込みをするケース
名刺交換の場で相手の名刺に書き込みをするのは原則NGとご紹介しましたが、例外はあります。
相手から「名刺に訂正する箇所がある」と申告された場合です。
名刺に修正する場所があることを言われた場合は、その場で正しい情報を名刺に書き込んでも問題ありません。
相手の名刺に書き込むのはやはり失礼なのでは……という心配が残る人は、相手の名刺の裏面に正しい情報を書くようにしてください。
ただし、名刺に書き込みをした後は、インクが乾くまで待つことに要注意。書き込みをしてからすぐに名刺入れに入れたり重ねたりしてしまうと、インクが擦れて読み取れなくなる可能性もあるので注意しましょう。
名刺交換後に相手の特徴をメモするときのマナー
数多くの人と会う機会のあるビジネスパーソンは、日に何度も名刺交換をする人も多いでしょう。
すべての名刺に顔写真がついていれば、名刺を見返したときに誰だったか思い出す確率も高くなりますが、普通の名刺は名前や会社の住所などといったテキストの情報のみです。
そのため、会った人の特徴を名刺にメモする人もいるのではないでしょうか。
名刺に書き込みをする際の注意点をふまえて、名刺交換後に相手の特徴を記入する際のポイントをご紹介します。
マナー①:自宅や会社に帰ってから記入する
先に紹介したように、名刺交換の場で書き込みをするのは原則NGです。
「相手の特徴を覚えているうちに早くメモしたい」という人もいるのではないでしょうか。
相手と別れてすぐに、名刺にメモをしている姿を見られると、相手を嫌な気持ちにすることもあります。
まずは、名刺ではなく、スマホやパソコンにメモ書きを残しておくようにしましょう。
自宅や会社に帰ってから、スマホやパソコンに書いたメモ書きを見て、名刺に書くようにしてください。
名刺にメモをする場合は、以下のような内容を書くと相手のことを忘れにくくなるはずです。ぜひ参考にしてください。
- 名刺交換をした場所
- 名刺交換をした日時
- 相手の顔の特徴
マナー②:紛失などのリスクを考えてメモ書きをする
相手の特徴を名刺に記入する場合、名刺を紛失するリスクを考えなければいけません。
顔の特徴やその人の個性的なポイント、プライベートな情報を書いた名刺を落としてしまうと、相手の個人情報を漏らしてしまうことになります。
紛失しても相手のプライベートに問題がないような情報のみを書くように気をつけてください。
また、メモする内容は、相手と良好な関係を維持するためにも、誰に見られても問題のないメモを記入しましょう。
マイナスなことや相手にとって良くないことを書く際は、自分だけがわかるように暗号のようなものを作って書くといいでしょう。
マナー③:名刺をメモ帳のように扱わない
相手の特徴などをある程度メモするくらいであれば問題ありませんが、「メモ帳」のような扱い方をするのはNGです。
書き込みすぎてしまうと、上記で紹介したように、紛失した際のリスクが高くなってしまいます。
また、相手の必要な情報に文字が重なって見えなくなる可能性もあります。
たくさん書きたい場合は、自分のメモ帳や、パソコンやスマホのメモ帳に書くようにしましょう。
名刺が不要になった場合は、雑な扱い方はせずに、個人情報保護に気を遣った処分してください。処理する際は、自分が書いたメモを人に見られないように気をつけましょう。
営業で相手が不在でも「名刺」は役立つ!
アポイントをとらずに営業しに行く場合、担当者が不在のケースはよくあることでしょう。
とくに飛び込み営業では担当者が不在のケースが多いのではないでしょうか。
また、訪問先が自営業者である場合や、士業を営んでいる事務所やクリニックでは、定休日や休診日と重なって行った先に誰もいない、閉まっているなどということもあります。
担当者に会えない場合に、ただ何もせずに次の訪問先に行ったり、自社に戻ったりしてしまっては単なる無駄足に終わってしまいます。
担当者が不在な場合には、名刺を活用して、営業訪問した時間を意義のあるものにしてください。
【名刺活用術】担当者不在時に好印象を与える挨拶テクニック
担当者が不在のとき、一体どのように名刺を活用するのが正解なのでしょうか。
担当者不在時に好印象を与えるには、「挨拶のメモと名刺を残す」といった挨拶の仕方が有用です。
名刺と一緒に残す挨拶メモには「用件だけではなく、心を込めて書く」
担当者不在の場合や訪問先が休業日である場合、名刺と資料だけをポストに投函したり、受付の人に渡したりするだけでは、相手に自分の熱意を伝えれません。
血の通った営業をしたいのであれば、「挨拶メモ」を心を込めて書くのがおすすめです。
担当者が不在である場合は、以下のようなポイントを押さえた一言をメモに添えましょう。
- 今回の訪問の目的
- 突然の訪問に対する謝罪
- 一言挨拶
以上のポイントを押さえると、相手に自分の気持ちややる気を知ってもらえます。どんなメッセージを残そうか悩んでいる営業マンは、以下の例文を参考にしてみてください。
- 突然のご挨拶失礼します。〇〇のご案内をしたくお伺いしましたが、ご不在でしたので名刺と資料を置かせていただきます。よろしくお願いいたします。
名刺には訪問した日付を記載する
訪問先が定休日で閉まっていた場合には、自分の名刺に訪れた日付を記しておきましょう。
受付の人もいなければ、いつ訪問しに来たのかが、相手はわかりません。
名刺に「20☓☓年 ○月○日訪問」「20☓☓年 ○月○日 ご挨拶にうかがいました」などと記載すると、相手もいつポストに入れられたものかわかります。
名刺とメモは、玄関やポストなどわかりやすいところに置いておくことをおすすめします。
担当者ではない人に受付をしてもらった場合の名刺マナー
訪問先で目当ての担当者が不在だった場合にも、適切な名刺の渡し方があります。
もしも担当者が不在であれば、受付の人や、訪問先の部署の方に要件を伝えて、名刺を渡しましょう。
このとき、特段なにかを書き込む必要はありませんが、書き込む余裕があれば書いても大丈夫です。
ただし、担当者ではない人に対応してもらった場合には必ず2枚以上、名刺を渡しましょう。
対応いただいた人用と、不在だった相手用という意味で渡せば、運が良ければそこから先に部署内で名刺が回り、思わぬ人から連絡が来る可能性があります。
商機を増やすためにも、営業用の販促資料があれば、名刺と一緒にクリップで留めておきましょう。
飛び込み営業で、担当者が不在でもくじける必要は一切ありません。
名刺と一緒に手書きのメモを残して、実際に訪問して対面したのと近い心理的な距離感を与えましょう。
名刺のメモ書きのマナーを覚えておこう
- メッセージは、相手が名刺を見るときにじゃまにならない場所に書く
- 相手にとってポジティブな内容をメッセージに残す
- 相手の名刺に書き込む際は、家に帰ってから
名刺の空白部分にメモやメッセージを書く際に注意しておきたいマナーについて紹介してきました。
ビジネスにおいて名刺は「その人の顔」のようなものです。
相手の名刺に書き込む際は、自社や自宅で行い、紛失しても問題ないような内容を書くことにとどめましょう。
本記事で紹介した名刺のマナーを守り、自分の名刺も相手の名刺も丁寧に扱ってください。
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