社会人になると何もかもが初めての体験で、あれこれ緊張する場面はあれど、急かすように鳴り響く受話器を初めて取る時は本当にドキドキするものです。親しい人からの電話は携帯にかかり、家庭の電話はほとんど使う機会もないようなご時世です。家庭の電話なら少しばかりの粗相があっても問題ないのですが、会社の電話というものはいわば顔の見えない玄関、声一つ、言葉一つで第一印象を決める大切なものだからです。たとえ、どんなにきれいな受付の女性がいても、その態度が悪ければその会社の印象は最悪でしょう。
電話を受けるときのマナー
まず、電話に出たら社名を名乗ります。単に会社名を伝えるだけでなく、「お世話になります。○○会社でございます。」などと社名の前に枕詞をつけるのも感じがいいものです。企業によっては社名の前にキャッチフレーズをつけたりするところもありますね。また、自分の名前を付け加える企業もあります。
相手が名乗って、誰かに繋いで欲しい等の用件を受けたら「少々おまちください」と速やかに繋ぎます。しかし、名乗られなかった場合でも必ず尋ねておきましょう。「誰から?」「わかりません。」では社会人失格です。場合によっては居ないことにしたい事もあるからです。また、繋ぎ先がすぐに出られない場合もあります。そのまま放って置くと待たされた先方はイライラすることでしょう。席をはずしている場合はそれがどのくらい続くかによって対応を変えます。
そばにいてすぐ戻るなら「ただいま席を外しております。すぐに戻りますので今しばらくお待ちいただけますか。」と伝え、掛け直しなどの要望を受けます。社内にいるものの、すぐには出られない場合、時間を確認し、「○分ほどで戻ると思いますので、折り返し掛けさせていただいてもよろしいでしょうか。」と相手を待たせないのがマナーです。出先の場合も、不在であること、会議中も失礼の無いように丁重に伝えます。その場合、必ずこちらから掛け直すと伝えます。「○時に帰社するので、掛けなおしていただけますか。」は上から指示しているのと同じです。
電話をかけるときのマナー
先方が出たら、必ず社名、部署、名前を名乗ります。用事があって掛けたのはこちらなので、名乗らずに開口一番「○○さんお願いします」はいけません。そして、電話を掛ける先が下請けなどの力関係にある場合でも、受付の女性が出たときでも丁寧に対応してください。上から目線での対応は自らの印象を悪くするだけでなく、会社のイメージを壊すものです。また、不在の場合にも、掛けなおしてもらうのが失礼だったり、その時間の都合によってはこちらから改めて掛ける旨を伝えてもらってもいいでしょう。
気をつけたい社員の呼び方
社外の人からの電話の場合、取次ぎ先が社長や部長であっても、「社長(○○部長)は、席を外し…」と役職名を使わず「○○部の○○」等、苗字のみで呼びます。(もちろん内線で本人を呼び出す場合は「○○部長はいらっしゃいますか」となります。)社内の人からの電話の場合は、普段どおり呼んでかまいません。ともあれ、電話による失敗は誰もが経験するものです。心配しすぎて電話を遠ざけ、聞こえないふりをする事のないよう、どんどん場数を踏ん慣れていってください。新入社員の間に慣れておかなければ、電話応対がまともに出来ないベテランは恥ずかしいものです。
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