取引先へ送るビジネスレターは、ビジネスマンの腕の見せどころ。
しかし、ビジネスレターを書き慣れていないと、宛名を書くときに肩書きをどのように書いたらいいか混乱してしまう。
宛名の書き方ひとつでビジネスレターに不慣れだと見られないよう、今回はビジネスレターの宛名について見ていきたい。
宛名を書くときの注意点①御中の使い方に気をつける
ビジネスレターの宛先が個人なら「会社名」+「御中」はNG!
ビジネスレターに限らず、手紙の宛名では、相手の住所や名前などを省略しないのが常識だ。
会社名でも「(株)」とは書かず、株式会社と省略せずに書く。
そのために宛名の敬称もすべて省略せずにつけるのがマナーだと誤解してしまう人がいる。
たとえば、宛名に会社が含まれる場合『小林会社御中 田中総務課長』のように会社名に「御中」をつけて書いてしまう。
これはビジネスレターに慣れた人でも、よくやりがちなミスで、敬称の重複にあたり間違った書き方である。
「御中」は、会社などの組織や団体などに対してつける敬称で、誰か特定の人に対して手紙を出すときには使わない。
「宛先にすべき担当者がはっきりしないまま、会社に対して手紙を出す」という時に使うもの。
会社内の誰に出すのか、人の名前や所属・肩書きがはっきりしていて、宛名として書けるようなときには、「御中」は必要ない。
つまり、一件の宛名の中に「御中」を並べると、おかしな宛名の書き方ということになってしまう。
宛名を書くときの注意点②敬称は重複させない
ビジネスレターに宛名を書くなら「肩書き」+「敬称」はNG!
宛名の敬称は「ひとつだけ」書くのが正しく、重複はマナー違反にあたる。
「小林会社 佐藤総務課長様」のように、役職名に敬称の「様」をつけて書く人がいるが、これもマナー違反だ。
役職名にはどれも敬意が含まれており、役職名自体が敬称の意味を持っている。
つまり、敬称である「様」と似た意味がある言葉なのだ。
役職名と敬称を並べると、敬称に敬称をつけることと同じになり、正式でない失礼な書き方になってしまう。
役職名については「小林会社 佐藤総務課長」のように書くのが基本で、ここに「様」や「殿」をつけなくともよい。
それでもどうしても人の名前には「様」をつけないと気になるという人がいる。
その場合は「小林会社 総務課長 佐藤様」のように書けば、失礼にならない。
ビジネスレターを書くときには、つけられるところにすべて「御中」や「様」などの敬称をつけたほうが、よりていねいな宛名になるような気がしてしまうかもしれない。
実は、正しくないところに敬称をつけて書くほうが、先方には失礼になってしまうのだ。
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